【インタビュー】Mayday、日本版ベストアルバム発売 「自分たちの一番いいところが出るようにと考えました」

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ようやくというべきか、ついにというべきか、アジア最大の人気バンド、Maydayが日本での本格始動を開始した。台湾の音楽賞を常に総なめにし、東南アジアだけでなくアメリカ、カナダ、オーストラリア、なども回るワールドツアーも複数回に渡って開催、去年は北京オリンピックのメインスタジアムになった通称”鳥の巣”北京国家体育場に二日間公演の20万枚を即日完売。進行中の足かけ3年に渡るワールドツアーの動員は約230万人。通算1000万人を越えるというスーパーバンドだ。

11月13日、彼らの初の日本盤ベストアルバム「Mayday×五月天 the Best of 1999-2013」が出る。
とうとう、その時が来た。

「気分が盛り上がって興奮してます(笑)。日本のアーテイストもバンドもずっと好きでしたからね。ようやく、来日して色んな日本を知り、知り合いも出来て、たくさんプロモーションも出来て嬉しいですよ。こんなにスケジュールの詰まったプロモーションはしばらくぶりですね。ここ一、二年はずっとコンサートツアーをやってるんで、これだけびっしりプロモーションするのは14年前、デビューの頃以来かな。色んなことを思い出してます。改めて日本でやるという再出発の心境ですね」――(モンスター/怪獣)

ワールドツアーの合間を縫っての来日。びっしりと組まれた日程は分刻み。その一つ一つに丁寧に応じる姿には、そんなスーパーバンドとは思えない誠実さがあった。
本格始動となったベストアルバムは15曲収録。彼らの代表作が網羅されている。

「来年はデビュー15周年なんで、選びに選んで自分たちを表現できる15のスタイルを選びました。15の気持ちを表してると言っても良いと思います。日本のお客さんに聞いてもらうためのベストなので自分たちの一番いいところが出るようにと考えました。」――(アシン/阿信)

flumpoolと共作した「Belief ~春を待つ君へ」は二曲目だ。10月1、2日のflumpoolのデビュー5周年記念の武道館公演で共演したことは記憶に新しい。flumpoolの中国語名”凡人譜”は、Maydayのアシンが名付け親だ。武道館公演の打ち上げでは山村隆太が中国語を交えながら彼らと談笑する光景も見られた。

「flumpoolとは、数年前、台北アリーナでコンサートをやったときに見に来てくれて友達の紹介で知り合いましたね。最初はシャイで真面目そうな感じだったんですけど、何度か会ううちにとっても冗談がすきな人たちだと分かりました。特に隆太君は、勉強熱心で、私たちはいつも熟語を教えてました。最近は食べ物とか普段の生活の中で使う言葉が多いんで、今度彼らが台湾に来たらその言葉を使う機会があればいいなと思いますね。」――(モンスター)

「4人の仲の良い友達がバンドを組んでいるという印象ですね。彼らが書いている曲は誰もが共感出来る気持ちを描いていますし、中国語の名前をつけるときには発音が似てる方が良いと思ったんですね。”譜”は楽譜の”譜”でもある。当て字ということもあってこういう名前にしました。」――(アシン)

Maydayとflumpoolが手を組んで日本語で歌った「Belief ~春を待つ君へ」は、映画「おしん」の主題歌。80年代の前半に放送され60%を越える記録的な視聴率を獲得したテレビドラマの映画化になる。

「初めてこの歌詞を読んだときに映画「おしん」の内容と映画を観た方に共感してもらえる歌詞だと思いました。「おしん」のことは台湾の90%くらいの人は知ってますからね。“おしん”は中国語で“阿信”と書きます、私と同じ名前なので、デビューした頃は「これからの運命が大変だと知っていて阿信という名前にしたんですか?」ってしょっちゅう聞かれました(笑)」――(アシン)

「アジアの少し前の時代が舞台で、物もなく大変な時代だったわけで、今はそういう時代を乗り越えて来たと改めて思えるドラマですよね。「おしん」の中の美しいところは、物や人、人と人のつながりが大事だいうところじゃないかと思います。何でも物が足りている今の人たちが映画館に足を運んでそういう時代のことを知ってもらえるのは私たちもうれしい」――(マサ/瑪莎)

僕は彼らに会うのは、2001年にGLAYが行った<GLAY EXPO 2001in福岡>の時以来12年ぶり。GLAYがアジア各国の人気バンドを日本に招くというオールナイト野外コンサートに彼らも出演した。それに先駆けてTERUとTAKUROが、それぞれの国に挨拶に行くというキャンペーンに僕も同行した。

台北のMaydayのスタジオに畳一畳ほどのビートルズのポスターが貼られていたのが印象的だった。

中華圏のビートルズ――。
彼らはイギリスの媒体にそう呼ばれたと言う。

「そう呼ばれたのは光栄だと思います。これからもビートルズに向かって努力して前進し続けるしかないと思ってます。私が思うのは彼らの偉大なところは音楽だけではないところでも影響を与えてきたこと。音楽的なことはもちろんですけど、私たちも作品が社会や人生の価値観みたいなところを変えてゆけるんじゃないかと思っていて。偉い人たちにも、大人になってからも、人生のどこかにビートルズの歌がある。その歌の言葉に影響されて人生が変わることもあると思う。それは音楽で世界を変えることにもなるんじゃないかと思います。」――(マサ)

音楽が世界を変える。音楽だから出来ることがある。北京での20万人を集めたコンサートはその象徴だろう。 そうやって大陸でのライブをするために日常会話の台湾語の歌詞を北京語に変えて歌ったりしてきた。
音楽をどう伝えるか。Maydayはそんな理想を持ち続けているバンドでもある。

「前日のリハーサルの時は会場もすごく大きいのでびっくりしました。客席には誰もいませんし、こんなに大きな会場で自分たちの音楽がどんな風に届くんだろう、どうやって届けるんだろうと心配でした。でも、翌日の本番では10万人も入ってもらえて、しかも一人一人がとっても情熱的だったんで、隅々まで伝わるように頑張りました。行く前には、北京はロックが発展していてお客さんがストレートなんで、ちゃんと演奏できないと降りろと言われるとか実際に下ろされるということがあると聞いてたんですよ。私たちは北京でも小さいライブハウスから始まりました、ようやく二日間で20万人。長い道のりだったと思います。政治形態は違いますが、私たちの音楽を聴いてくれている若い人たちの心は一緒だと思います」――(モンスター)

新たにレコーデイングされた曲が3曲ある。「Belief~春を待つ君へ」、GLAYのTAKUROが彼らの書き下ろし新曲に詞をつけた日本語曲「Dancin’Dancin’feat. TERU(GLAY)」。Maydayのヒット曲でflumoolがカバーした時の日本語詞で歌っている「OAOA feat. Ryuta Yamamura(flumpool)」。中でも一曲目の「Dancin’Dancin’feat. TERU(GLAY)」は、彼らのポップなキャッチーさが凝縮されたヒット性に満ちた一曲だ。

「TAKUROさんが曲を聴いてから歌詞を書いてくれたんですけど、中国語の訳を見せてもらった時に素晴らしいと思いました。サビのところにDANCE DANCE DANCEという言葉も入っていて国際的ですし。この曲は、ダンスがベースになってるんですけど、台湾で詞を書くときも台湾の若い人に流行ってるキーワードを入れます。TAKUROさんが書いた詞に”ダンス”というワードがあったのでTAKUROさんはこの広い世界で私のことを分かってくれている数少ない一人だ(笑)、と思いました。」――(アシン)

2001年、彼らはGLAYと共演している。その時のインタビューでマサは「夢が叶った」と言った。
あれから12年、Maydayは世界を駆け巡るスーパーバンドになった。あの時の発言をどう感じているだろう。
今の彼らの夢は何なのだろう。

「正直に言うと、2001年のGLAYと共演したDREAMS COME TRUEのことを思うと、新しい夢は生まれてないですよ(笑)。今日になっても、ワールドツアーも含めて、今までの実績に関しても、こうして日本の皆さんにお会い出来るのも音楽を始めた時には予想もしてなかったですし。夢が膨らんだ末の予想外のハプニングだと思ってます。」――(マサ)

「皆、大人になって色んなことを考える時、理性的になりますよね。周りのことを考えて動いたり。私たちは子供のような心で夢を見たりしますし、その心があれば色んなことを変えられると思って、いろいろとやってたら、今になりました」――(ストーン/石頭)

Mayday本格上陸。遅すぎたくらいの本格始動。後に加わったミン(冠佑)(D)以外のアシン(V)、モンスター(G)、マサ(B)、ストーン(G)の四人が高校の音楽仲間という成り立ちやビートルズ好きという点はflumpoolやGLAYとも共通する。音楽に国境はいらない。

「今回、新人のような形でこうしてベスト盤という形でお会いしましたけど、デビューした頃、台北のストリートで歌っていたように渋谷のストリートでも歌ってみたいです。」――(ストーン)

「日本のみなさんがベストアルバムを聴いた感想が欲しいですね!お待ちしてます。」――(アシン)

「中国語の曲が多いですけど、伝えたいメッセージを込めていますので、歌詞も読んでもらえたら嬉しいです。」――(マサ)

「興味を持ってくれた人は是非、アルバムを聴いて欲しい。もし、すでに知っている人は私たちを知らない友達に勧めて欲しいです。大半の人がそうかもしれないですが、知らなかった人も、まずは聞いてみて下さい」――(モンスター)

今、アジアから新しい歴史が始まろうとしている。

文◎田家秀樹


Mayday日本版オリジナルベストアルバム
『Mayday×五月天 the Best of 1999‐2013』
2013年11月13日発売
AZCS-1025 ¥2,500(税込)
1.Dancin’ Dancin’ feat.TERU(GLAY) ( 「傷心的人別聽慢歌」日本語Ver.)
2.Belief ~春を待つ君へ~ feat.flumpool (映画『おしん』主題歌)
3.満ち足りた想い出 / 知足
4.出陣の歌 / 入陣曲 (新曲)
5.一歩一歩 / 歩歩 (新曲)
6.僕は僕に嘘をつかない / 倔強
7.愛の記憶は突然に / 突然好想你
8.恋愛ING /戀愛ING
9.乾杯 / 乾杯
10.孫悟空 / 孫悟空
11.瞬間少年ジャンプ / 離開地球表面
12.君は幸せじゃないのに / 你不是真正的快樂
13.ひとり上手にならないで /我不願讓你一個人
14.OAOA feat. Ryuta Yamamura (flumpool) 日本語Ver.
15.やさしすぎて /溫柔
■タワーレコード/TSUTAYA RECORDS/HMV 限定予約特典
Mayday Special Exclusive DVD
収録内容
「Belief ~春を待つ君へ~」(flumpool×Mayday) ミュージックビデオ
「OAOA」LIVE Ver.
『Mayday 3D LIVE MOVIE NOWHERE ノアの箱舟』予告編映像
※特典は数に限りがございます。無くなり次第の終了となりますのでご了承ください。
※一部、特典のお取り扱いがない店舗もございます。ご予約の際に店舗にご確認下さい。

『Mayday 3D LIVE MOVIE NOWHERE ノアの箱舟』試写会 応募方法
11月13日(水)リリース『Mayday×五月天the Best of 1999-2013」』初回プレス封入特典
抽選招待応募パスワード封入

『Mayday 3D LIVE MOVIE NOWHERE ノアの箱舟』プレミアム試写会 概要
11月17日(日) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
開場16:00/開演17:00(予定) 20:30終了予定
内容:映画上映、メンバーによる 舞台挨拶、等
※ライブパフォーマンスはありません
応募締切り:2013年11月12日(火)12:00~11月14日(木) 23:59
当選発表日:2013年11月15日(金)19時より順次案内予定
※本イベントに関しての会場への お問い合わせはお控えください。
イベントについてのお問い合わせ:info@mayday-movie.jp

<Mayday Special LIVE 2014>
2014年1月11日(土) 場所:なんばHatch
2014年1月12日(日) 場所:Zepp Tokyo
[問]:大阪公演  キョードーインフォメーション:06-7732-8888(全 日10:00~19:00)
[問]:東京公演  ディスクガレージ:050-5533-0888(平 日12:00~19:00)
■ベストアルバム購入者特別限定先行予約実施決定
受付期間11月13日(水)10:00~11月17日(日)23:59

◆Mayday 日本オフィシャルサイト
◆GLAY オフィシャルサイト
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