【ライブレポート】cune、豪華ゲストアーティストを招いたワンマンライブ<and>で2014年1月にツアーやります。ボーカリスト不在のまま」

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ワンマンライブ<DON’T STOP THE MUSIC>から1年7ヵ月。活動を休止していたcuneがついに再始動。10月16日にSHIBUYA O-WESTにてワンマンライブ<and>を開催した。

ボーカリストは、いまだ不在のまま。それでも生熊耕治(G)、中村泰造(B)、大北公登(Dr)の3人は“新生cune”として前に進むという強い決意のもと、再始動するにあたってcuneのカタチを考えた。

それは、cuneとゆかりのあるボーカリストやプレーヤーをゲストとして招いて、さらにはボーカルオーディションを開催し、そこでぴったりな人がいればその人にも参加してもらって、みんなで一緒にcuneのライブを作ろうというアイデアだった。

そうして迎えたワンマンライブ当日。総勢9組、ファンに負けず劣らずのcune愛をたっぷり持った豪華ゲストが次々とステージに登場。それだけでもスペシャル感が満載なのに、この日はそれ以上のあっと驚くサプライズがたくさんあった。

「いったいどんなcuneになるんだろう」

開演前、期待感が会場中を埋め尽くす。オリジナルのSE(「4D SPIRAL」)が流れるなか、メンバーが定位置につく。トップバッターとして現れたボーカリストは自身もバンド、Sound Scheduleを再始動させ、ソロ活動も行なっている大石昌良。アコギを持って歌いだしたのはcuneのデビュー曲「リフレイン」だった。大石ならではの少し色気を含んだ柔らかなタッチの歌声で、cuneを表現。MCでは、cune、Sound Scheduleとアマチュア時代、お互い関西で活動していた頃、散々、周りからライバル関係と煽られたというエピソードを大石が話すと、メンバーも懐かしそうな表情で笑う。トップバッターから終始アットホームなムードで会場を終始和ませた。

次に登場したゲストはuniverseのボーカリストであるharu。「cuneは僕がミュージシャンを志す上で欠かせない存在。本日一番の若手です」と言って、「街」「ほほえみ」を清々しく熱唱した。歌い終わった彼の表情には充実感が感じられ、ステージを去る際のメンバー3人にリスペクトを込めて向けた丁寧なお辞儀がなんとも印象的で微笑ましかった。

「彼らはもともと僕らと同じレーベルにいたんです」と生熊が紹介したのはDEPAPEPEの2人。“アコギ2本とcune”は一体どのようなものになるのかと思っていたら、これが驚きのマリアージュ!!「SUNDAY」とお客さんの手拍子もバッチリだった「LION SEVENTEEN」。選曲もよかったと思う。アコギのあたたかい音の響き、キラキラした音色のカッティングがcuneの楽曲を躍動感たっぷりな音にコーティングしていた。

次に「今日一番ステージ上がゴージャスになるよ」と生熊が呼び込んだのは、wyseのボーカリスト、月森。総勢6人編成でcuneの名曲「クローバー」、「カノン」をプレイすると、ここでしか見られない貴重なセッションに観客も大興奮。持ち前のハイトーンヴォイスをフルに使ってロックに歌い上げる月森の歌に、演奏も自然と熱くなっていった。

「次に出てくるのは僕の戦友」といって生熊が紹介したのは中島卓偉。スーツ姿にサングラス、オーラをたっぷりまとった姿でまずはお客さんを圧倒する。さらに歌が始まると、その抜群の歌唱力で観客をノックダウン。ダイナミックでキレのある歌につられて披露された「Hello.Mr.Pain」、「ローズ」は、聴き応え十分。とてもグルーヴィーな演奏が堪能できた。

会場内の興奮状態が高まったまま、生熊は「次は僕の盟友」と言ってTAKUMAを招き入れ、名曲「東京」でさらに場内を沸かせる。そして生熊が「僕が初めてcuneに書いた曲です」と言って「call for memories」をプレイした。cuneのライブでもレアな選曲に、ファンも驚いたことだろう。

「戦友、盟友ときたあとは悪友」と言って生熊が呼び込んだのは田澤孝介。“今日が何もないなんて嘘だ”という歌い出しから始まる「青空」では、この歌を完全に自分のものにし、歌い上げる。一人ひとりの目を見ながら届けた「BlueJeans」、cuneの大切なバラード曲「Butterfly」。彼のパワフルな歌いっぷりに、3人の演奏もどんどんエモーショナルに高まっていき、感動的なクライマックスを作り出した。

終盤には中村がサポートミュージシャンとして参加しているOLDCODEXからボーカル&ペインターのYORKE. が登場した。「イナズマ」では、キャンバスをバリバリ破いてイナズママークを作ったり、「Dramatic Exotic Automatic」ではメンバーと観客がコール&レスポンスで盛り上がるテンションの赴くままにキャンバスを赤くペイントする。最後にはその下からcuneの文字が浮かび上がるという、独特なペインとパフォーマンス歌で、視覚でも場内を沸かせた。

最後にcuneがゲストボーカルとして指名したのは、この日集まった観客だった。3人が演奏する「SAMURAI DRIVE」をみんなで精一杯声を張り上げて歌い、本編は終了した。

だが、まだまだ終わらない。アンコールもサプライズの連続だった。まずは、呼ばれてもなかなか姿を見せなかった中村がこの日、誕生日を迎えた生熊に突然ケーキを渡し、みんなでバースデーソングを歌って祝うサプライズ。そして、次に仕掛けられていたのは観客へのサプライズ。ボーカルオーディションで合格した歌い手の中から一人、CAGEを初お披露目した。

観客の熱い視線を浴びながら、CAGEが「クローバー」をきっちりと歌い上げると「素敵でしょ?」と生熊は観客に微笑み、こう続ける。

「今年で僕は39歳。僕の人生、いろいろありました。だけど(小林)亮三が残してくれた曲が僕らの人生をこんなに彩りあるものにしてくれています。いつかまたやるかもしれない。今はできなくても。良いことも悪いこともある。それが人生だと思ってます。ここからまた一歩を踏み出そう。cuneにとって大事な大事な大事な曲です」

そう言って最後は、観客の手拍子とコーラスをバックに生熊が「太陽は虹色」を歌いライブは終了した。

ステージを去る前に、「あ、いい忘れてたわ」と生熊。そしてうれしい発表が届けられる。

「今日オープニングのSEで流れてた曲をcuneとして配信します。それから2014年1月にツアーやります。ボーカリスト不在のまま」

大歓声が響き渡るフロアにとびきりの笑顔で手を振り、ステージを後にした3人。これまでcuneの音楽、ライブでつながった人々がいつでもまた戻ってこられるように、彼らはどんなカタチになろうが、ピースが揃うまでこの先もずっとcuneを動かし続けるだろう。

文◎東條祥恵

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