【ライブレポート】マイケル・モンロー、レイド・バックとは無縁の圧巻のロックンロールショウ

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11月16日、恵比寿リキッドルームにてマイケル・モンローの東京公演を観た。前夜には大阪公演を大盛況のうちに終え、この日に東京にやってきたマイケルだが、タイトな移動スケジュールでそれなりに体力も消耗していて当然のはずなのに、ステージに現れた彼はいつものように元気いっぱい。レイド・バックとは無縁のエネルギッシュなロックンロールで超満員のフロアを熱烈にもてなしてくれた。

◆マイケル・モンロー画像

詳しい演奏内容などについては今後、各音楽専門誌などでも報じられるはずだが、何よりも特筆しておくべきは、去る8月に発売された最新アルバム『ホーンズ・アンド・ヘイローズ』からのナンバーが実に8曲もセレクトされていた事実だろう。新作発表に伴うツアーなのだから当然と言えば当然だが、彼自身の歴史を熟知したファンがたくさんいる日本では、全時代をバランスよく網羅したセットリストを組むことが、最高のショウを求めるうえでいちばん容易な手段ともいえる。が、彼はむしろ“今”の充実ぶりを強調してみせるかのように、あくまで最新作を軸としながら、彼と現在の仲間たちとの間に生じるケミストリーの色濃さを示してみせた。そしてやはり、このアルバムにおける楽曲群が本当に粒ぞろいであることを、僕自身も改めて痛感させられた。

もちろん、こうして一夜明けた現在だからこそこんなことが冷静に書けるのだが、実際のライヴ中には、僕はときおり叫び声を発しながら、ずっと身体を揺らし続けているしかなかった。もちろん演奏メニューにはソロ名義のもののみならず、HANOI ROCKSやDEMOLITION 23.時代の代表曲のいくつかや、お馴染みの「アイ・ウォナ・ビー・ラヴド」(ジョニー・サンダースのカバー)なども含まれていた。が、場内の熱は、そこで炸裂するのが歴史のある定番チューンだろうと、生まれてから間もない“初めてライヴで聴く曲”だろうと、変わることがなかった。ちょうどソロ活動中ということで、ギタリストのドレゲンのツアー参加が叶わなかったのが残念ではあったが、彼の前任にあたるジンジャーとの活動歴を持つリッチ・ジョーンズも見事にバンドに溶け込んでいた。

実はこのライヴの開演に先駆け、当日の楽屋ではマイケルとD'ERLANGERのkyoの対談が行なわれていたのだが、kyoとの会話の中でマイケルは「正確にはまだ“交渉中”ということになるけども、また2014年には日本でツアーをやりたいと思っている。自分のなかではもう、やることに決まってるようなもんなんだ」と、笑顔で語っていた。今回のツアーはこの東京公演を経て、翌17日の横浜BAY HALLでのライヴをもって終了に至っている。「日本にやってくるたびに、まるで故郷に帰ってきたような気分になる」というマイケルが、次に日本上陸を果たす瞬間を今から楽しみにしていたい。そして、彼とkyoの対談記事は、1月に発売の『MASSIVE Vol.13』でお届けする予定。こちらにも是非、ご注目いただきたいところだ。

文:増田勇一
撮影:Yuki Kuroyanagi

<マイケル・モンロー来日公演 2013.11.16@東京・恵比寿リキッドルーム>
INTRO
・HORNS AND HALOS
・TRICK OF THE WRIST
・TNT DIET
・EIGHTEEN ANGELS
・BALLAD OF THE LOWER EAST SIDE
・'78
・STAINED GLASS HEART
・SOUL SURRENDER
・CHILDREN OF THE REVOLUTION
・GOT BLOOD?
・MODERN DAY MIRACLE
・MOTORVATIN'
・HAMMERSMITH PALAIS
・MALIBU BEACH NIGHTMARE
・DEAD,JAIL OR ROCK'N'ROLL
-encore-
・UNDERWATER WORLD
・NOTHING'S ALRIGHT
・DO ANYTHING YOU WANNA DO
・SATURDAY NIGHT SPECIAL
・I WANNA BE LOVED
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