【ライヴレポート】FAKE?とMuddy Apesガチンコバトルツアーファイナル。「泥猿とニセモノとの熱いバトルを最後まで楽しんでください!」

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FAKE?とMuddy Apesが共演。ガチンコバトルが繰り広げられてきた東名阪ツアー<ROYAL INFECTIOUS TOUR>が11月15日(金)、SHIBUYA O-EASTで最終決戦を迎えた。

◆FAKE? vs Muddy Apes~拡大画像~

19時30分。シンプルながら、まるでBARのような雰囲気を醸し出すセットにMuddy Apesが手拍子の中、登場。

サポートの山口美代子(DETROITSEVEN)の超パワフルなドラミングから始まったアッパーチューン「Get Going」でのっけから炸裂。INORANのギターが超クールな「New Sunday」では黒と白の羽根の扇子を持った孔雀のようなダンサー2人が加わり、彼らのステージを華やかにエロティックに盛り上げる。

長身の体をときに折り曲げるようにしてマイクスタンドを操るMAESONの独特のライムと男っぽい色気を放つヴォーカル、INORANとDEANの間あいを活かしたスリリングなギターの絡み、フックのきいたTAKA(FEEDER)のベースのフレーズ。ダイナミックで自由でブルージーなロックに理屈抜きに揺らされる。

そう、Muddyの音楽は空気を揺らし、身体を揺らし、今を揺らせる。イントロの弦楽器陣のユニゾンからして持っていかれた「Space Monkey」ではシラフなのにテキーラをあおっているかのような酩酊感に襲われた。

最高にゴキゲンな曲が次々に演奏され、TAKAが「ここ(EAST)でやったのって1年近く前だよ。みなさんの1年、どうでした?幸せ?」と語りかけ、INORANが“もっとアゲていこうぜ”とジェスチャーで煽り、前に出てきてアグレッシブなギターを鳴らす。

MAESONが「まだまだ足りないぜ!!」と叫び、後半の「Rola Rola」ではボンデージファッションに身を包んだダンサーたちが再び現れ、メンバーたちにセクシーに絡みつくパフォーマンスにフロアーも大盛り上がり。不埒なカッコよさ、ここに究まれりだ。

ラストナンバーは「Generation 555」。興奮がピークに達したMAESONはフロアーに飛び込み、みんなの肩を借りてマイクを持って歌い続けた。

INORANは最後に「また必ずMuddy Apesに戻ってくるから」と宣言。TAKAと熱いハグをかわし、大歓声の中、笑顔でステージを去った。

20時40分。幕が開くと“ウォーッ”という怒濤の声援の中、FAKE?が登場。オープニングナンバーは「Hedfuc」。ガスマスクを装着して、ステージ狭しとばかりに動きまわるKEN LLOYD。いきなり爆弾投下のような熱いパフォーマンスにエキサイトしないわけはなく、「Utopia」で早くもコール&レスポンスの嵐。ギター陣にPABLO(PTP)、峰正典、ベースにu:zo、ドラムにMASUO、キーボード&マニュピレーターにd-kikuとメンバーも強力だが、ラウドでメロディックな楽曲とKENの熱情的かつ繊細なヴォーカルは初めて見た人も巻きこむ魅力にあふれている。

「ツアーファイナルへようこそです。泥猿(Muddy Apes)とニセモノ(FAKE?)との熱いバトルを最後までゆっくり楽しんでいってください」

そんな挨拶もFAKE?らしく、中盤では2012年のINORANのライヴにKENがゲストで登場し、久しぶりの共演にファンが狂喜した記憶もまだ新しい「Lemontune」を演奏。熱気は上昇する一方で、強靭かつファンクなナンバー「Disco」でEASTを一体にし、T.Rexのカバー「20th Century Boy」でさらに加速させ、いつのまにかフロアーはモッシュ状態にーー。

「限定E.P.(FAKE?が会場限定で発売しているCD)から、1曲やります。暴れようぜ!!」

「Radio’s Dead」ではじけ飛んだあと、いよいよラストナンバーというときに、みんながたぶん心のどこかで期待していただろう光景が目に飛びこんできた。INORANがステージに姿を表したのだ。持っていたペットボトルの飲み物をKENに渡し、一口飲んだKENは「何入ってるの?」と苦笑。INORANが何やら、耳もとでささやく場面も微笑ましかった。

KENが「お猿さん」と呼びかけると、笑いながら「お猿ですけど、何でしょう? めっちゃFAKE?も盛り上がってるから悔しくて出てきちゃいましたよ。みんなも呼んでいい?」とINORAN。KENが「のっとりですか?」と返したのも面白かったが、返事を待つまでもなく、Muddyのメンバーが次々にステージに乱入? KENが「Muddy Fake?です」と紹介し、大団円になってのラストナンバーはFAKE?のデビューシングル「Taste Maximum」。ダンサーたちも華を添える中、KENはギターを弾くINORANの肩に手をかけてマイクを向け、PABLOはドラムスティックでギターを弾き、u:zoはジャンプでモニターを飛び越え、なぜかMAESONがギターを弾き、TAKAはダンサーの黒い羽根の扇子を両手に持って踊っているという超ハッピーな光景が繰り広げられた。こんなファンキーなパーティがあったら毎週、参加したい気分だ。

21時40分。拍手喝采の中、終演。

このガチンコバトルは、まったくの互角。次の対決(未定だが)に勝負は持ち越しだ。

取材・文●山本弘子
Muddy apes photo by ANIBALTARO MICHIBATA

セットリスト<ROYAL INFECTIOUS TOUR>
11月15日(金)@SHIBUYA O-EAST
●Muddy Apes
1. Get Going
2. New Sunday
3. KIZUNA DRIVE
4. Zion,Zion, Desire
5. Space Monkey
6. Heavy and Tender
7. Tequila No.5
8. Stone Away
9. I See The Light
10. Peep Show
11. Feel Good Hit Of The Summer (Queens of the Stone Ageカヴァー)
12. Rola Rola
13. Generation 555

●FAKE?
1. Hedfuc
2. Utopia
3. Lucifer’s Cut
4. Buzz
5. Lemontune
6. Disco
7. 20th Century Boy
8. Someday
9. Radio’s Dead
10. Taste Maximum

◆FAKE?オフィシャルサイト
◆Muddy Apes キングレコード・アーティストページ
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