【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】第36回『新譜のアナログ盤考察 ~現代のオリジナル盤~』

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『Jack Johnson / From Here To Now To You』


▲左下:ジャケット見開きとブックレット。 / 右下:デザインも写真も雰囲気がある。この大きさは本当に嬉しい。

 
ジャック・ジョンソンの2013年最新作。原点回帰と言える内容の好盤。

リリース前に1曲目「I Got You」をラジオで聴いて、今度のアルバムは絶対アナログで聴きたいと思って、すぐに予約注文。
そして届いたレコードを手にした瞬間、飾りたくなるような大きくて素敵なジャケットを見て、それだけでもうアナログで買って良かったと思ってしまいました。さらに、これまた素敵な写真満載の24Pのブックレットがレコードサイズなのも嬉しくて、これもレコードの醍醐味だなとしみじみ。

ジャケットはダブルジャケットで、片方のポケットにそのブックレットが、もう片方に写真コラージュのインナースリーヴに入ったレコードが収められています。

盤は180g重量盤で、2枚組ではなく1枚。

CDやmp3のDLコードは無いけれど、このアルバムはそもそも外出先では聴かないと思うので問題無し。騒音の中イヤホンでではなく、家でじっくり、時にはBGMにして聴きたい作品なのです。レコードも1枚なので一度ひっくり返せばそれで済みます。

やっぱりレコードは1枚。これで良いと僕は思います。音だって十二分に良いのですから。


他にもささっとでも紹介したいレコードがたくさんあるのですが、さすがに長くなりすぎてしまうので今回はこの辺にしておきます。またこのシリーズやってもいいかもしれませんね。

そうそう、それとこの新譜のアナログ盤、実は見逃せない問題点があるんです。

それは、発売が遅かったり発売が遅れたりすることがよくある、ということ。例えば最後に紹介したジャックの新譜も、アナログの発売はCDの発売よりも遅れました。ジョン・メイヤーの今年リリースされた新譜なんかは、CDはとっくに発売されているのに、アナログは遅れに遅れていてまだ発売されていません。

ポール・マッカートニーの新譜もそう。11月半ばの来日公演を観に行くというのに、アナログのリリースはどんどん遅れて、結局11月末になるとのことで、来日に間に合わないという……。

ファン心理としては、新譜は早く聴きたいもの。アナログを予約するほどのアルバムなら尚更のこと。

これが一番の問題点かもしれません。

そしてやっぱり、なるべくならレコード1枚でいい。1枚に収められる長さなら1枚にして欲しい。

A/B面のひっくり返しくらいならその作業自体も楽しめるのだけれど、3、4曲ごとにひっくり返したり盤を乗せ換えたりするのはやっぱり面倒臭いと感じてしまうのです。

でもそれでも、これはアナログで聴きたい! と思うものや、特に好きなアーティストの新譜は、アナログがあればアナログで買い続けています。

僕がレコードに求めているものはアナログの音だけではありません。何にも代え難い“モノ”としての楽しさ、充実感がそこにはあります。

レコードが少しずつ見直されているのは嬉しいことです。どんどん広まれば良いな、と思います。

ただ、その影響で古いオリ盤の価格が高騰するなんてことになりませんように(笑)。


さて、次回は。
新品のレコードばかり集めている訳ではありません。
次回はしっかりと、 '60s~'70sの「これぞオリ盤!」というものを紹介しますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

オリ盤探求の旅はまだまだ続くのであります。


text by 鈴木健太(D.W.ニコルズ)

◆連載『だからオリ盤が好き!』まとめページ
◆鈴木健太 Twitter(D.W.ニコルズ)

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「イイ曲しか作らない」をモットーに、きちんと届く歌を奏で様々な「愛」が溢れる名曲を日々作成中のD.W.ニコルズ。
2005年9月に、わたなべだいすけ(Vo&Ag)、千葉真奈美(Ba&Cho)が中心となり結成。
その後、鈴木健太(Eg&Cho)、岡田梨沙(Drs&Cho)が加わり、2007年3月より現在の4人編成に。
一瞬聞き返してしまいそうな…聞いた事がある様な…バンド名は、「自然を愛する」という理由から、D.W. =だいすけわたなべが命名。(※ C.W.ニコル氏公認)

◆D.W.ニコルズ オフィシャルサイト
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