【ライブレポート】ザーズ、自然体でチャーミングな七変化ライブ

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“21世紀のピアフ”と呼ばれるフランスの女性シンガー、ザーズが、11月21日、ロンドンのナイトクラブHeavenでパフォーマンスした。

◆ザーズ画像

3月に来英したときはロイヤル・アルバート・ホールでの公演だったが、ストリートで見出され、自然体で元気いっぱいの彼女には格式高いコンサート・ホールよりカジュアルなクラブのほうが合っているかもしれない。オーディエンスもダンスをしたり、ドリンク片手にリラックスしながらと思い思いに彼女のパフォーマンスを楽しめた。

青いスポットライトで照らされるステージに、ザーズはギター(2人)、ベース、ドラム、キーボード、アコーディオンのフル・バンドと一緒に登場。5月にリリースした2ndアルバム『Recto Verso』のオープニング・トラック「On Ira」でパフォーマンスをスタートした。

2010年にデビュー以来、フランスをはじめヨーロッパ全土で話題になった彼女だからそう多くはいなかっただろうが、もしこの夜、額面通り“ピアフ”を期待してきた人がいたとしたら、前半のパフォーマンスはちょっと驚きだったかもしれない。元気いっぱい飛び跳ねながら歌う彼女は、その姿も曲調もポップ・スター、ときにはロック・シンガーのようでさえあった。

彼女のパフォーマンスの魅力は、何が飛び出すかわからない玉手箱のようなところ。ポップに始まり、ロック、プログレ調、ジャズ、ブルース、シャンソンなどが次々と飛び出す。会場はその都度、元気でハッピーなヴァイヴに包まれたり、ジャジーでアンニュイな雰囲気を醸し出したり、ダンスホールになったりと七変化。そして、どの曲でも彼女のブルージーでソウルフルな歌声が光った。とくに「Welcome to our Jazz Club!」とスタートしたジャズのコーナーは、彼女の持ち味が一番活かされていた。

歌の合間にまずはフランス語、そしてその後、一生懸命、英語で話す姿が可愛らしく、オーディエンスは思わず笑顔に。「21世紀のピアフ」というより「裸足のディーバ」(彼女が実際、素足だったわけではないが)と呼びたい。歌の素晴らしさはもちろん、ザーズの明るく自然体でチャーミングな魅力が満喫でき、元気がもらえるショウだった。

この夜のセットリストは以下の通り。

「ON IRA」
「GAMINE」
「LE LONG DE LA ROUTE」
「SI JE PERDS」
「J’AI TANT ESCAMOTE」
「JE VEUX」

「LES PASSANTS」
「COMME CI COMME CA」
「LA REVOLUTION」
「LE CHAT」

「LAISSEZ MOI」
「LA LUNE」
「DANS MA RUE」
「CETTE JOURNEE」
「LA FEE」
「DETERRE」

アンコール
「LA VIE EN ROSE」
「LA LESSIVE」


Ako Suzuki, London
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