【セルフライナーノーツ】三浦大知が最新作『The Entertainer』を語る 後編

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「Right Now」

 この曲はちょうどEDMって言葉が生まれて、ダンスミュージック、エレクトロ、4つ打ちとかハウスとかっていうものが混ざって、それをR&B的に解釈していった時にどういう風になるか? とかダンスミュージックとしてみたいな部分で色々なEDMが生まれてきたと思うんですよ。それがメインチャートを賑わしている、そういう流れを見ていた時に日本とか海外、邦楽、洋楽とかそういうのって昔よりインターネットとかも普及した事もあり今はかなりボーダーが無くなってきていると思っていて……。 メインチャートに賑わしているジャンルの中に思いっきり直球で玉を投げて勝負できる曲を1曲つくってみようという話をして、どストレートな曲を投げて勝負できる曲をというのを念頭に置きながらつくった楽曲です。この曲で初めてKeoneというサンディエゴのダンサーと一緒に振りづくりやミュージックビデオをLAで撮ったのもすごく刺激的でいい思い出です。


「interlude」
※ 試聴はありません。ぜひ、アルバムでチェックしてみて下さい。( http://shop.mu-mo.net/a/list1/?artist_id=MIURA )

 (前の曲の)「Right Now」が終わって、会場の声援みたいなところから、1人で歩いている足音に静かになっていって「Listen To My Heartbeat」に繋がっているんですけど……ステージに立っている時のエンターテイナーとしての三浦大知と、人生においてのエンターテイナー三浦大知という所のかけ橋みたいなものに(「interlude」が)なったらいいなと思っていて。わかりやすく言うとステージで声援を受けながら、その声援っていうのは期待もあったり、いろんな人の気持ちや思惑などもあったりして、そういうのを背中に受けながら、一人の男が決意の歌を歌うという。そういう独りになる孤独な瞬間も含めて、音楽とともに決意の歌をうたっていくみたいな事で、少しドラマというか、そういうシーンが作れたらアルバムとして、ひとつのエンターテイメント作品としてより深くなるんじゃないかと思って、ここに「interlude」を入れています。


「Listen To My Heartbeat」

 これはすごく大げさに聞こえるかもしれないんですけど、自分の歌手人生というのを考えた時に、歌手人生、音楽人生を振り返って、この曲は作れて良かったなと心から本当に思えるだろうなという曲に僕はなったと思っています。もちろん、これからもそういう曲は生まれてくると思うんですけど、自分の感覚としてこの曲を歌う時は「より音楽と一つになっている感覚」と言うんですか……自分が歌を歌っているという感覚というよりは、音楽と一個になっているという、すごい不思議な感覚になる曲で、本当にずっと歌っていきたい曲だなと思っています。

 歌詞は自分で書いているんですが、今回のアルバムは「振り切ろう」というのがテーマだったので、ダンスチューンだったら爆笑できるくらいかっこいいもの、バラードだったらいろんなものをそぎ落として、ピアノをメインで三浦大知の「歌」がより聞こえてくるものという風に作ったのがこの曲だったんです。 歌詞のテーマとしては「決意」をテーマに書けたらいいなと思って書いた楽曲になってます。テーマを決めて書いた楽曲(「Two Hearts」)とは真逆で、決意というキーワードだけをただ決めて、シチュエーションなどを決めずに自分の思いを書くという感じだったので、聞く人によって意味合いがどんどん変わってくる作品になっていると思います。歌詞に関しても、すごく強い言葉なんですけど、一つの「決意」という所にフォーカスしているからこそ、その一点をしっかり見せながら、そのまわりの要素(ニュアンスとか)をそれぞれ聞いてくれるみなさんが想像して、保管していく感じというか、そういう部分は何かこう“感じる”曲になっているんじゃないかと思います。これから、どんどん(この曲を)育てていけたらなと思っています。


「all converge on “the one”」

 今回は、アルバム的にはNao'ymtさんに始まりNao'ymtさんに終わるといった感じで、最後もNao'ymtさんの楽曲になっているですけど。 Nao'ymtさんにはいつもこんなテーマで……こんな感じで曲を作れないですかね? って作って頂く事が多い中で、この曲の時はいまNao'ymtさんが自然体で作りたい楽曲を作って欲しいみたいな話をさせて頂いて。(曲として)アップがくるのか、ミッドがくるのか、スローがくるのかあまり考えずにみたいな感じだったんですけど、そんな時にこの曲を投げて頂いて、僕がいままで提供して頂いている曲の中で一番Nao'ymtさん節が光っている1曲だなぁと。ちょっとオリエンタルなニュアンスと言うか、日本的な音も入っていて、でもその中で浮遊感もしっかりあって、期待感もあって。何かNao'ymtさんの歌詞とかメロディとかってすごいいい距離感だなといつも思ってます。聞く側の人と歌っている人の“間(あいだ)”の言葉っていうのが何かこう掴めそうでつかめない……けどちゃんとそばにいてくれる言葉っていうか、そういうのを書くのはすごくうまいなと思うので、すごくそういう部分をこの曲は表現しているなと思います。ちょっと抽象的な部分な所から最後、しっかり耳元にくるような具体的な言葉になっていく瞬間も含めて素晴らしいバランスだなぁと思うし。タイトルの通りアルバムをぐーっと聞いていって、最後すべてが一つに収束していきながら、これで一応最後の曲なんですけど、しっかりまた次の三浦大知の音楽の可能性、始まりを感じられる1曲だと思うので、そういう部分ですごくバッチリな曲になっていると思います。



アルバム『The Entartainer』について、三浦大知からのコメント

 The Entertainerというタイトルがついていて、タイトルの通り今の三浦大知のベストなエンターテイメントっていうのが十二分に収録されている作品になっていると思います。エンターテイメント作品っていうのは、誰でも楽しめるものだと思うので、理屈じゃないものだと思うので、ほんとに気軽に聞いてもらえるとすごく嬉しいなと思いますし、“今の”三浦大知のエンターテイメントは「このアルバムじゃないと聞けない!」と思います。これが、どんどんこれからいろんなライブだとか三浦大知の音楽につながっていくと思うので、ぜひ長く楽しんでもらえたら嬉しいなと思います。


edit by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

◆BARKSインタビュー
◆三浦大知 オフィシャルサイト
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