【ライヴレポート:詳細】VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY 2013>、幕張初日に「大きい声出さないと殺すわよ」

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神戸2DAYSを大成功に収めたVAMPS主宰の恒例イベント<HALLOWEEN PARTY 2013>が、その舞台を幕張メッセ国際展示場へ。初日となる10月25日(金)は、折しも台風が接近中という悪条件の幕開け。HYDEの花魁姿があまりにも美しく、平日の同会場を熱狂させたもはや伝説のステージをレポートしたい。

◆<HALLOWEEN PARTY 2013>幕張初日 画像

▲ベッキー♪♯
▲DAIGO
▲乃木坂46
▲HALLOWEEN COLLECTION
▲ねごと
▲VAMPS
▲HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA
モンスターに亡霊にと、こぞって集うダークなお祭り、ハロウィンには嵐が似つかわしい、ということだろうか。VAMPS主宰のイベント<HALLOWEEN PARTY 2013>も折り返し、神戸ワールド記念ホールから幕張メッセへと会場を移した3連続公演の初日は大型の台風27号が迫り来る中での開催と相成ったが、当然ながら会場に一歩、足を踏み入れれば荒天もなんのその。平日の、しかも台風の夜とは思えないほどの大盛況ぶり、右を向いても左を向いても仮装、仮装、仮装……な実に浮世離れした光景と、場内に賑々しく充満する濃厚な熱気に圧倒されてしまう。さすがは筋金入りの“ハロウィン・ジャンキー=ファン”たちだ。

これまでの幕張メッセ公演では展示場9-11、3ホールのうち2ホールがライヴ・エリア、1ホールが休憩エリアとされていたが、今年はさらにスケール・アップ。別棟のイベントホールを休憩エリアとし、3ホール分がぶち抜きでライヴ・エリアに使われることとなった。それに伴いステージも進化、メイン・ステージから伸びるランウェイも中央、上手側、下手側と3本に増え、それぞれの先端にも通路が渡されて、客席のスタンディングブロック前方をぐるりと囲い込むような形に拡張されている。この巨大な空間に果たしてどんなパフォーマンスが繰り広げられるのか。残念なことにAcid Black Halloweenはyasuの風邪による体調不良と喉の不調で急遽、出演キャンセルがアナウンスされたが、ベッキー♪♯に乃木坂46、ねごと、と過去を振り返ってもダントツに女子率の高い新鮮なラインナップには否が応でも期待が高まる。

待ち焦がれてさざめく空気の中、開演時間きっかりに静かに客電が落ちると、今日も今日とてジャック・O・ランターンの不気味な高笑いで開くパーティーの幕。「皆の衆、元気に死んじゃってますかぁ~?」と呼びかけるジャックのナレーションに“イェー!”“ウォー!”と凄まじい歓声が応えてハロウィン・ムードに弾みをつける。「さてさて、まずは最初にベッキー♪♯が襲いかかろうと手ぐすねを引いて待っているぞ。心の準備はよろしいかな?」、ドーンと轟く雷鳴が始まりの合図だ。

ドラマティックなSEとともに<HALLOWEEN PARTY>初参戦のベッキー♪♯を乗せた馬車が現われた。バットマンの仮装で身を乗り出すようにして客席を見渡す彼女の、口元に笑みをたたえた表情はキリリと凛々しく、あまりにもまぶしい。メイン・ステージにたどり着くとマイクを握りしめ、「ヤルキスイッチ」のほとばしるギター・リフをバックに「フゥ!」とキュートな第一声。「みなさん、盛り上がっていきましょう!」とオーディエンスのスイッチを瞬く間にONにする。キーボードにスーパーマン、ドラムにマイティ・ソー、キャプテン・アメリカのベースとスーパーマンなギター、とアメコミ・ヒーロー大集結のバンドを従え、広いステージを伸び伸びと歌い歩くバットマン(あくまでもバットマンであり、キャットウーマンではないところがまたいい)。

「ベッキー・バンドは“アメリカのヒーローたち”というテーマでやってまいりました! ちょっとクオリティが低くていい感じでしょ?」

そんなベッキー♪♯のMCに合わせてスクリーンにどことなく地味めなスーパーマンが大映しになるものだから、場内はもう大爆笑だ。和やかに温まりきったところで2曲目は新曲「ぎゅ。」。ミディアム・ポップな胸キュン・ナンバーを朗々と歌い上げるバットマンがうっかり恋する乙女に見えてしまうが、そもそも中身は乙女なのだから間違いではないだろう。こうした不思議な倒錯感を味わえるのもハロウィンならではだ。

「楽しいですね。年に1回、こうやって衣装をチェンジすると違う自分になれる気がしてスカッとしていいですよね。今日は初めてお会いする方が多い中、こんなに盛り上げていただいてありがとうございます!」

ラストの「WBC」では客席を巻き込み、全員一緒になってバンザイの振り付けでハイテンションにはじける。曲中、「私の愛を受け取ってください!」とおもちゃのバットでカラー・ボールをノック、メンバー紹介に交えて「♪かわいいみなさん!」「♪カッコいいよね、HYDEさん!」とコール、アッパーに盛り上げるだけ盛り上げて、次のステージに熱狂のバトンを手渡した。

続くは神戸から再びの“DAIGOちゃん”。「じぇじぇじぇ~!」のコール&レスポンスから、「ありがとうございます! 今日はお返しにうんめぇウニ、たくさん持ってきたから、みんなに配るぞ!」とイガイガの物体をを投げ、「あれ? ちょっと待って。よく見たらウニじゃなくてタワシじゃねぇか。いつまで経っても、あまちゃんだなぁ!」と落とす小芝居のくだりまで、神戸2日目に「ネタバレしようが胸張って東京でもやるから。“ウニじゃなくてタワシだった”っていうくだりも1回目かのようにフレッシュにやるから」と宣言していた通り、完璧に再現。のっけから掴みはバッチリだ。1曲目「無限∞REBIRTH」の疾走感溢れるサウンドに背中を押されるようにメイン・ステージ、ランウェイと駆け回っては客席に隈なく視線を投げ手を振るDAIGO。

「うれしいっすね、幕張初日。いろいろ台風が来てるとかありますけど、僕は1ミクロンも心配してませんでしたよ。なぜなら僕たちには神がついているから」

確信に満ちたDAIGOの言葉にやんやの喝采が起こる。言うまでもないが“神”イコール“HYDE”だ。神戸でも白熱したDAIGO☆STARDUST時代の隠れた名曲「SUPER JOY」は幕張でも客席をグルーヴィに熱狂させた。「残念なことに僕のアニキが出演できなくなってしまって」とyasuの休演にも触れ、「でも、しょんぼりしていても仕方がないんで。僕たちの元気を届けられるように最後、思いっきり盛り上がっていきましょう!」と自ら大好きだと公言してはばからないDAIGOのバンド、BREAKERZの楽曲から「SUMMER PARTY」をでっかく打ち上げ、オーディエンスの心をひとつにする。

ステージ転換の合間に行なわれるオーディエンス参加型企画としてこの幕張からは恒例のカラオケ・コンテスト“From KARAOKE to the STAGE”も加わり、オーディションを通過した優秀者たちが魅せる個性的なパフォーマンスに場はいっそう温まったところへ登場したのが乃木坂46だ。「ハッピー・ハロウィン! 乃木坂46です。よろしくお願いします!」「<HALLOWEEN PARTY 2013>に乃木坂46がやってきました!」「もしよかったら一緒に楽しみましょうね」「みなさん、かわいい! カッコいい!」と馬車の中からメンバー同士でマイクをリレー、おどろおどろしいSEを吹き飛ばさん勢いで客席にアピール、大歓声を浴びる。衣装もいつもの制服とはテイストをがらりと変えたハロウィン仕様。生駒里奈、桜井玲香、白石麻衣らの馬車組8名は黒の、ステージで合流した能條愛未ら9名は赤、ピンク、紫の、それぞれにクラシカルなドレスをまとい、歌い踊る。1曲目はホラーなダンスを織り交ぜた「世界で一番 孤独なLover」。ゾンビを彷彿させながらも実に可憐、指先ひとつにまで神経の行き渡った切れ味鋭い動きでもって総勢17名が群舞する光景は、見ているだけで多幸感に溢れてしまう。

「VAMPSさん主宰の<HALLOWEEN PARTY>になんと乃木坂が参加させていただくことになりました! ありがとうございます! こういうグループなんだということを知って帰ってもらえたらうれしいです。ここからはいつもの乃木坂46のパフォーマンスを披露できたらなと思います」

ステージ、ランウェイいっぱいに広がって圧巻の「会いたかったかもしれない」、メイン・ステージと並行に伸びた横一線のランウェイで隙のないフォーメーションをこなす「制服のマネキン」、こぼれんばかりの笑顔を振りまいてエンディングへと導いた「ガールズルール」。全5曲ながら鍛え上げたパフォーマンスを存分に発揮、アイドルにあまり免疫のないオーディエンスにその本領を見せつけた。

KISSの「I Was Made For Lovin' You」が鳴り渡り、堂々、ステージに姿を現わしたねごと。メイクも出で立ちももちろんKISSだ。それぞれ楽器の位置に着くや、軽やかに音を走らせる。唸りを上げる藤咲佑のベース音、「こんばんは、ねごとです! <HALLOWEEN PARTY>!」と蒼山幸子が高々と腕を上げると場内の空気がグワッと動いた。始まりの「ループ」から客席を大きく揺らすタフなアンサンブル、今日の仮装にぴったりとそぐうアグレッシヴなプレイに心が躍る。

「楽しんでますか? みんな、仮装がすご~い! 私たちがねごとです。ねごとを初めて見る方はわからないかもしれないんですけど、ふだんはまったくこんなバンドじゃありません。今日のために思いっきり仮装してきました!」

そう語る蒼山、そんな4人の心意気も頼もしい。「今日は短い間ですが、ねごとの音楽に浸っていってくれればと思います」と続いて演奏された「メルシールー」のキラキラと透明な疾走感、どこまでもポップに上昇する「カロン」。ロック・バンドとしての一体感を前面に押し出して放たれる音は、響きのひとつ一つに命を宿しながら、だだっ広い場内を朗々と駆け巡った。長い髪を振り乱してエモーショナルにギターを鳴らす沙田瑞紀の勇姿、ツノのカチューシャも飛ばさんほどの激しさで、けれど終始、笑みが絶えない。みぞおち直撃の硬派なビートを叩き出しながら、ひとたび口を開けば天然な澤村小夜子のキャラクターがオーディエンスを沸かせる。

「呼んでくださったHYDEさん、VAMPSさん、本当にありがとうございます! まさか今年、こんなふうにVAMPSさんと繋がれて、ハロウィンにも出させていただけて、こんな光景が見れて……まじポップです!」

ねごとらしい感謝の言葉を告げて、最後は新曲「シンクロマニカ」。会場いっぱいのクラップがラストを彩った。

ひらひらと舞う桜吹雪、オルガンの音色が「さくらさくら」の和のメロディを荘厳に奏で上げる。ステージに突如として現われた障子戸におもむろに映し出されるシルエット。血しぶきとともに“有松”と筆文字が浮かび、開いた戸の向こうから剣豪・宮本武蔵に扮したARIMATSUが進み出てきた。“仁”ことJINは歌舞伎の赤獅子姿で見得を切り、“獣犬”すなわちJu-kenは全身にお経を施した耳なし芳一となってその後に続く。思いもよらぬ和装縛りでの登場に嬌声もとめどなく、銀髪も麗しい忍者“華徒”=K.A.Zがギターを携えて現われるとオーディエンスの興奮は最初のピークに達した。そうしてランウェイの横一線にメンバーがスタンバイするのと同時に、障子戸に最後のシルエットが。左に番傘、右手に煙管、はんなりとしなを作ったその影が正体を見せた瞬間、客席の理性は跡形もなく吹き飛んだ。狐の行列を引き連れて、しゃなりしゃなりとランウェイを進む艶姿。花魁ゴースト・“破威怒”の一挙手一投足からもう目が離せない。抜いた衿から覗く首筋、斜に構えたあだっぽさと無垢なあどけなさが同居したこの色気は女性であってもそう出せるものではないのではないか。

「HALLOWEEN PARTY~JAZZ Ver.~」の気怠い雰囲気をHYDEの煙管に仕込まれたカズーが助長する。ランウェイに到着した人力車に乗り込むHYDE、メンバーはメイン・ステージへと戻り、そのまま演奏は怒濤の「TROUBLE」へと突入。HYDEを乗せた人力車はランウェイをぐるりと回ってメイン・ステージを横切り、またランウェイへとゆっくり走り、HYDEは場内を見渡しながら「みんな、大きい声出さないと殺すわよ」と語尾にハート・マーク付きで物騒に煽り、「いい感じじゃない? アンタたち。みんなでジャンプするわよ」と音頭をとる。「KYUKETSU-SATSUGAI VAMPS Ver.-」でついに客席フロアに降り立ち、今度は激しく通路を駆け抜ける人力車。それを狐たちに加えて祭りの衆が追いかけ、やりたい放題、狂騒をさらに引っ掻き回す。

「おいでなんし、遠慮はいらないでありんす」、そう妖しく囁いては唐突に声色を変え「やっちまえ、ブラッドサッカーズ!」と野太く叫んで狂騒に追い打ちをかける「AHEAD」、「パーティーを抜け出しまへんか。ふたりきりどすえ」と郭言葉の決めゼリフでまた嬌声を誘う「ANGEL TRIP」と何もかもが強い。それにしても、なぜ女装はここまで人を狂喜させるのか。考えてみればDAIGOの“あまちゃん”も女装なわけで、だとすると今日のライヴ・アクトはほぼ100%女祭りと言ってもいいかもしれない。

HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAによるセッション・タイムもこのイベント史上、稀に見る女性率の高さで、ゆえにいつになく華やかだった。ねごとに乃木坂46の高校卒業メンバーをはじめ、チェロで参加の分島花音に、同じく『ジョジョの奇妙な冒険』ながら新たにブチャラティの仮装で挑む明希、DIR EN GREYのShinyaも神戸でHYDEに“スナックのママ”呼ばわりされた『ハリー・ポッター』のベラトリックスの仮装から『不思議の国のアリス』の白の女王にシフト・チェンジ。「Rhythm Game」から登場のAnisも赤ずきん様だ。そうした中で異彩を放っていたのは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のジャックに扮したROLLYだろうか。立て続けに2回、罰ゲームを課せられたROLLYの“みなさんを一瞬で凍らせる会話”“もう一度、みなさんを震え上がらせる声芸”は今までにない新たな罰ゲームの境地を開いた……かもしれない。ちなみに最初の罰ゲームとしてHYDEが「じゃあ、今日いない人のモノマネを」と神戸に引き続き披露したyasuのシャウト&「イエス」の歌マネはDAIGOをして「yasuさんが戻ってきたのかと思いましたよ」と言わしめるほどで、さりげなくも温かな気遣いと愛情を感じさせた。

その後のトークでは乃木坂46の能條愛未と分島のオタ芸コラボが飛び出し、またエンディングの「HALLOWEEN PARTY」の前に「Lucy In The Sky With Diamonds」をVAMPSメンバーとROLLYの演奏をバックに出演アーティストたちが次々に声を重ね、幕張初日を大団円で終えた。

取材・文◎本間夕子
撮影◎緒車寿一/田中和子

■<HALLOWEEN PARTY 2013>
2013.10.25 (Fri) 幕張メッセ国際展示場SET LIST
【ベッキー♪♯】
M1:ヤルキスイッチ
M2:ぎゅ。
M3:WBC
【DAIGO】
M1:無限∞REBIRTH
M2:SUPER JOY
M3:SUMMER PARTY
【乃木坂46】
M1:世界で一番 孤独なLover
M2:コウモリよ
M3:会いたかったかもしれない
M4:制服のマネキン
M5:ガールズルール
【ねごと】
M1:ループ
M2:メルシールー
M3:カロン
M4:シンクロマニカ
【VAMPS】
M1:HALLOWEEN PARTY ~JAZZ Ver.~
M2:TROUBLE
M3:KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver-
M4:AHEAD
M5:ANGEL TRIP
M6:RUMBLE ~HALLOWEEN Ver.~
M7:SEX BLOOD ROCK N’ ROLL
【HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA】
M1:Penalty Waltz
M2:Rhythm Game
M3:Lucy In The Sky With Diamonds
M4:HALLOWEEN PARTY
※HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA
VAMPS / DAIGO / ねごと / ROLLY / 明希(シド) / Shinya(DIR EN GREY)  / 分島花音 / Anis

◆<HALLOWEEN PARTY 2013>BARKS特設サイト
◆HALLOWEEN PARTY 2013 特設サイト
◆HALLOWEEN PARTY 2013 オフィシャルサイト
◆VAMPS オフィシャルサイト
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