【インタビュー】Hachi/Hatch,、1stミニアルバム『嘘つきは大嫌い』完成「嘘をついたことがない人は絶対にいない」

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2013年4月結成という活動歴1年に満たないニューフェイスながら、その独特のサウンドで注目を集めている2人組がHachi/Hatch,だ。ボーカル&ギターとドラムからなる自由度の高いユニット形態を活かした楽曲群は表情豊かであり、個性的かつ瑞々しい歌声が印象的な中村勝也と、フレキシブルなドラミングが光るゆっきとのサウンド的ケミストリーも実に魅力的。初音源となるミニ・アルバム『嘘つきは大嫌い』のリリースを12月11日に控えた2人に、バンド結成から現在に至るまでの道のりと、収録全5曲の聴きどころ、そして2人の素顔について聞いた。

◆「嘘つきは大嫌い」ミュージックビデオ

■2人のほうがやれることの幅は確実に拡がります
■バンド編成のライブもあればストリートは2人だけでできる

──BARKSインタビュー初登場ということで、まずはプロフィールなどをお聞きしたいです。Hachi/Hatch,は、どんな風に結成されたのでしょう?

ゆっき:僕はずっとインディーズでバンドをやりつつ、ドラマーとしてサポート活動もたくさんしていたんですね。そのサポートバンドのひとつが大阪でライブをしたときに、たまたま(中村)勝也のバンドと対バンになって。初めて彼がステージで歌っているのを見たときに、“すごいボーカルやな”と思ったんです。それで、ライブが終わった後に挨拶をして、連絡先の交換をさせてもらいました。その後も別々に活動していたんですけど、自分の音楽活動を本気で取り組めるバンドをひとつに絞ろうと決心したときに、勝也のことを思い出して。「もし良かったら、一緒にバンドせぇへん?」と誘ったところ、「やる」と言ってくれて。それで、今年の4月にHachi/Hatch,を結成しました。

勝也:ゆっきさんと最初に会ったときは、すごく華のあるドラムやなと思いました。すごく楽しそうにドラムを叩くんですよ(笑)。そういうところがいいなと思って、たしか僕のほうから連絡先を聞いたんですよね。それから、ライブがあると観に行ったりするようになって。ゆっきさんから一緒にやらないかと言われたときは、ちょうど僕がやっていたバンドが解散していた時期だったこともあって、「ぜひ、お願いします」と。

──初めて会ったときから、お互いに惹かれていたんですね。それぞれの音楽的なバックボーンなども話してもらえますか。

中村:僕は、BUMP OF CHICKENを聴いたことをきっかけに音楽に目覚めて。そこからいろんなJ-ROCKやJ-POPを聴くようになりました。幅広く音楽を聴くタイプですけど、フォークの血が濃く入っていると思います、かなりガッツリ聴いたので。井上陽水さんとか岡林信康さん、イルカさんとか。それにチューリップとかも好きですね。今も路上ライブをするときは、イルカさんの「なごり雪」を必ず歌っているし。フォークが好きなことは自分の特徴のひとつになっている気がします。

ゆっき:僕が音楽やドラムに目覚めたきっかけは、T-SQUAREです。則竹(裕之)さんのドラムを見て、“すごいな!”とメチャメチャ感動して。“こんなドラマーになりたい”とドラムを叩くようになりました。そこからカシオペアとかのフュージョン系を聴きつつ邦楽のいろんなバンドも聴くようになって。特に気持ち良い16ビートをフィーチャーした歌ものが好きで、よく聴いていましたね。それに僕はドラマーですけど、歌が大好きなので。歌がしっかりしているものが好きだし、そこは勝也と共通しています。

──歌が好きなことは強みと言えますね。Hachi/Hatch,を組んだときは最初から2人だけでいこうと決めていたのでしょうか?

ゆっき:はい。2人とも作詞も作曲もするし、2人だけのほうがやりたいことが明確に伝わるんじゃないかなと思って。ただ、2人の音だけで成立する音楽を目指しているわけではなくて。ライブやレコーディングではギターとベース、キーボードを加えたオーソドックスな編成でやっています。

中村:最初に、ゆっきさんから2人だけでやりたいという話をされたときは、正直怖さもありました。でも、ゆっきさんとなら問題ないと思えたし、今はメリットのほうが多いと感じています。一番いいのは、それぞれの楽曲を一番いい形に仕上げられることですね。固定メンバーが揃ってて、その中に自分がやりたいことやプレイ・スタイルにこだわる人がいたりすると、足かせになってしまうじゃないですか。僕たちはそういうことに悩まされることはないから。

ゆっき:2人のほうがやれることの幅は確実に拡がりますね。それに僕たちは大阪でよくストリート・ライブをしているんですけど、2人だとすごく楽です。自分たちに興味を持ってもらうには、勝也の歌を押し出すのがベストだという気持ちがあって。ストリートに関しては僕がカホーンを叩いて、彼がギターを弾きながら歌うのが一番いいみたいなんですよ。そういうことも含めて、すごくやりやすい状態で活動できています。

──固定観念に捉われていないんですね。2人でバンドを組もうと決めたときは、やりたい音楽性なども見えていましたか?

ゆっき:いろんな音楽をやっていきたいという思いがあったので、“絶対にこの路線!”とか“このジャンル!”みたいなことは一切なく。いろんな曲を2人で作っていこうという話をしました。それに、どんな曲でも勝也の特徴ある声が乗れば、Hachi/Hatch,の曲としてきれいに仕上がるので。これからも音楽的な制限は作らずに、いろんな曲を作っていきたいと思っています。

──音楽性の広さは、12月11日にリリースされる1stミニ・アルバム『嘘つきは大嫌い』からも伺えます。

ゆっき:『嘘つきは大嫌い』は、Hachi/Hatch,が初めて作る作品だったので、自分たちが狭いジャンルにこだわっていないことを伝えたいという思いがあって。だから、いろんな系統の曲を入れることにしました。僕たちのライブにはいろんな年齢層の人が来てくれるし、ストリートから入って違う系統の曲も好きになってくれたり、アッパーな曲から入って、静かな曲も好きになってくれたりする人が多いんですね。Hachi/Hatch,のそういう面を活かして、いろんな人に楽しんでもらえるアルバムにしたいと思って作りました。

中村:名刺代わりの1枚を作るというところは、完全にゆっきさんと一致していましたね。それに2人とも作詞も作曲もすることを分かってほしいというのがあって。アルバムクレジットを見ていただけると分かるとおり、きれいに半々ずつの作詞作曲になりました(笑)。そこも含めて、“こういうバンドです”という自己紹介にふさわしい作品になったと思います。ただ、僕らはすごくいろんな曲をやっているので『嘘つきは大嫌い』は本当にHachi/Hatch,の一部分なんですね。今後の音源にも期待しててほしいです。

ゆっき:それは声を大にして言いたいですね。僕が作った曲で今回のミニ・アルバムに入っているのは「嘘つきは大嫌い」と「ai」なんですけど、両方パンキッシュな曲じゃないですか。でも、これ以外にもいろんなタイプの曲を作っているので、『嘘つきは大嫌い』を聴いて僕がパンクだけが好きな人だとは思わないでほしい(笑)。

◆インタビュー(2)へ
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