【インタビュー】ViViD、新曲「THEATER」本日配信リリース「挑戦の曲です。聴いたらViViDの見方が変わるんじゃないかと思う」

ツイート

ViViDが主題歌を手がけた舞台『鬼切姫 第二章「来るべき日」』で初演技、初主役に挑戦したシン。彼らが新曲としては約8ヶ月ぶりとなる「THEATER」を配信リリースする。ライブで培ってきた実力、プレーヤーとしての各自のスキルが爆発した新曲は、これまでのバンドのカラーから突き抜けたドラマティックでプログレッシブなロック。今、自分がカッコいいと思うものを突き詰めたかったというKo-kiと、舞台を通しボーカリストとして自分が目指す理想像がクリアになったというシンに話を聞いた。

◆「モヤがかかっていた自分の将来像が、ちょっとクリアになったんですよ。
自分の歌い方も1つのスタイルに絞らなくていいんだなって思えたんです」(シン)


──シンくんは11月に初の舞台『鬼切姫 第二章「来るべき日」』に出演、しかも主演(前園志刃役)をつとめましたが、堂々としていて驚きました。あと、殺陣がうまいなと。

シン(Vo):ありがとうございます。僕、殺陣とか好きなんですよ。子供の頃から新聞紙で剣を作って、ひとりで家でふりまわしたり、友達と遊んだりしていたので。

──演技自体、初体験だし、最初は不安でしたか?

シン:不安でしたよ。学園アクションストーリーで世界観のある話だから噛んだら終りだし、しかも初の舞台で僕、座長だったんですよ。本番前の気合い入れも音頭をとって、「やることはやった!! がんばろう」みたいなことを毎回、言うんですけど、“そういうオマエが大丈夫なのか”って(笑)。でも、座長として“この人になら任せられる”って認めてもらわなきゃならないじゃないですか? 最終的には「シンくんが座長でよかった」って言ってもらえたんですけど、自分自身がすごく成長できた舞台でしたね。

Ko-ki(Dr):僕も台詞、覚えちゃいましたね(笑)。

シン:メンバーみんなマネするんですよ~。

Ko-ki:(声をはりあげて)「ゴウザン(鬼役の名前)、なぜ、オマエがそこに!?」とか(笑)。

シン:終わってみたら、モヤがかかっていた自分の将来像が、ちょっとクリアになったんですよ。僕が演じた役柄が“黒と白”っていうか、2面性のある役だったことが大きかったと思うんですけど、自分の歌い方も1つのスタイルに絞らなくていいんだなって思えたんです。それまでは“シンのボーカルはこうじゃなきゃいけない”って決めつけていたところがあったんですけど、舞台の役を演じて“これって自分の理想とするアーティスト像に近いんじゃないかな”って。

──演じることでボーカリストとして発見があったんですね。

シン:発見というか、やっと殻を破れたかなと。舞台は表現方法にしても目線の持っていき方にしても、バンドで歌うときとは全然、違うんですよ。この台詞は相手役に言うとか、この台詞は空間に投げるとか。でも、そういうこともステージに活かせると思ったし、千秋楽では僕、客席を煽ったんですよ。もちろん、ViViDのファンの方もたくさん見にきてくれてたんですけど、そうじゃない方も全員が立ってくれて、共演者の方も「長く舞台やってるけど、こんな景色、見たことない」って言ってくれて……、僕自身、すごく感動しましたね。

「曲を演奏するときはとにかく絶対にミスらないようにしようって。
“スティック落としたら終わるな”って思ってました(笑)」(Ko-ki)


──舞台の主題歌「天音」をViViDが手がけることは知っていたんですけど、最後にメンバーが出てきてエンディング的に演奏することは知らなかったので意表を突かれましたよ。

シン:ViViDがストックしている曲の中から、舞台に合った曲を選んで、歌詞は脚本がまだ出来てない状態のときに書いたんですよ。“僕が「鬼切姫」のストーリーを考えるとしたら、こんな感じだな”って。

Ko-ki:舞台ってみんなで作り上げるものだから、曲を演奏するときはとにかく絶対にミスらないようにしようって。“スティック落としたら終わるな”って思ってました(笑)。慣れない空間だったけど、演奏しちゃえば何てことなかった。

シン:Ko-kiのプレイ、めっちゃ評判よかったですよ。出演者も「あの人のドラムの叩き方、カッコいいね」ってみんな言ってて。ライヴだとドラムは後ろだけど、前のほうのポジションで叩くのも新鮮だったし、こういうのもアリだなって。

──「天音」はメロディアスでハードで、ViViDらしい曲だと思ったけど、いつか音源になるんですか?

シン:もちろん! 楽しみにしていてください!

──そして12月18日には久々の新曲「THEATER」が配信リリースされますね。これが、今までのViViDとはアプローチが違う曲で、超プログレ(プログレッシブロック)ですよね。

Ko-ki:超プログレです。やっちゃった!(笑)。原型は1年ぐらい前からあったんですけど、本格的にデモを作り始めたのは今年のツアー(2013年4月~7月)前からですね。ツアー中もずっと作業してました。コンセプトは難しくすること。

──曲の展開を複雑にするっていう意味ですか?

Ko-ki:もともと僕、好きな音楽がハードロック、プログレ、メタル寄りだから、そういう曲をViViDでやりたいなと思ってたんですね。イントロからAメロに行くまではユニゾンしたいとか、間奏に変拍子入れたいとか、アウトロは変拍子の嵐にしちゃおうとか。この曲は俺としても挑戦ですね。“シングルにはこういう曲がいい”っていう定義みたいなのがあると思うんですけど、そこにすり寄らないというか。

「歌詞に関しては曲を聴いたら伝わると思ったので、シンにまかせましたね。
この曲でポップな内容になるわけないなって思ってたし」(Ko-ki)


──それは、たとえば、サビはキャッチーで覚えやすいメロディじゃなきゃいけないとか、こうあるべきっていうシングルの概念みたいなものですか?

Ko-ki:そう。そういうことは関係なく、自分がカッコいいと思うものを突き詰めて作った曲です。デモの段階から50トラックぐらい使って、音質もできるだけCDのクォリティに近づけたくてミックス、マスタリングも1人でやったんですよ。

──そこから、バンドで形にしていくわけだけど、そこでまたアレンジが変化したり、時間をかけたわけでしょう?

Ko-ki:もちろん。デモのあとにプリプロしてレコーディングして全部合わせたら100時間超えてると思います。

シン:ツアー中にKo-kiが作曲がんばってたから、僕も絶対、いい曲にしようと思って、ライヴが終わったあとにメロディを考えて“こういうのはどう?”って提示したり。

Ko-ki:オフの日とか移動日にも作業してましたね。

シン:疲れてるときは休みたいと思ったけど、Ko-kiの熱がスゴかったから、「じゃあ、やろう」って。中途半端だったら、「その作業、明日でよくね?」って言ったと思うんですけど、情熱に僕も突き動かされましたね。

──歌詞は初の全英詩ですよね。

シン:メロディが全部完成したときに英詩にしようって。僕自身、この1年ぐらい英語を勉強していたので、チャレンジしてみたかったんですよね。最初に話した将来の理想像に“英語ペラペラ”っていうのもあるので(笑)。

Ko-ki:歌詞に関しては曲を聴いたら伝わると思ったので、シンにまかせましたね。この曲でポップな内容になるわけないなって思ってたし。

──確かにスイートなラブソングとか、似合わないですもんね。

シン:そうですね。すごくディープな詞になった。

──落ちてる心境のときのことを歌った詞ですよね。

シン:落ちてるというか、かなりネガティブな状態のときに書いたんですよ。昔から、たまにそういうふうになるときがあって、よくない考えだなって思ってはいるんですけど。

──“なんで、この心の叫びが届かないんだ”っていうニュアンスのフレーズが出てきますよね。

シン:そうですね。自分の中の封印したい想いというか。

──シンくんの中にダークサイドを吐き出した歌詞ですか?

シン:ダークサイドですね。写真もみんな、そういう感じで。

──確かに。特に作曲者のKo-kiくんの表情がキテる(笑)。

Ko-ki:そういうコンセプトでしたからね。

シン:でも、みんなカッコいいよね。零乃さん、あんまり顔、見えてないけど(笑)。

Ko-ki:それがいいんだよ。写真は顔見せなきゃいけないとか、今回、そういう定義も壊してますね。

◆インタビュー(2)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報