【インタビュー】ZEPPET STORE & CUTT、hideに見い出された2組が語る、尊敬と感謝 「曲を作るたびに一番に聴かせたいと思っている」

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ジャンルと世代を超えたミュージシャンがhideの曲をカヴァーするトリビュートアルバム“SPIRITS”シリーズの完結編にして、盟友PATA、hide with Spread Beaverのメンバーである、INA、CHIROLYN、JOE、ボーカリスト Shameにより結成されたバンド、THE PINK SPIDERSはじめ、LUNA SEAのJやD’ERLANGER、BUCK-TICKの今井寿、hideソロ1stシングルである「EYES LOVE YOU」と「50% & 50%」を作詞した森雪之丞ほか、真に縁のあるアーティストが集結した『hide TRIBUTE Ⅶ-Rock SPIRITS-』。その発売を記念して、今回、BARKSでは、ZEPPET STOREの木村世治と赤羽根謙二、現在はソロで活動中のCUTTで対談を行った。hide自らがコレクターを務めていたレーベル、LEMONeDに所属していた3人だからこそ知る、彼の素顔とは?

「もしhideさんを知らない人がいたときに“まずこれ聴いて!!”って言いたいのが
僕にとっては「POSE」で。僕、実は“ポーザー”なんです」(CUTT)


――3人が顔を揃えるのは久し振り?

木村世治(以下 木村):いや、俺とCUTTはまったく久し振りではありません(笑)。

CUTT:1週間振りぐらい(笑)。

木村:しかも2日連続でライブして、大阪で。大阪のclub jungleっていうライブハウスの元店長がhideさん流れで俺とCUTTのこと好きでいてくれて、<Sayzee & CUTTでSHOW!!>っていうトータル3時間強ぐらいのイベントを主催してるんですよ。それを今回また大阪で久し振りにやって。

――2人で3時間強!?

木村:ほぼしゃべってるんですけどね(苦笑)。

CUTT:それでも足りないぐらいですから。“終電の加減もあるんでそろそろ……”っていう、“宴もたけなわですが……”みたいな終わり方を毎回させていただいてます(苦笑)。

赤羽根謙二(以下 赤羽根):あはははは(笑)。

CUTT:でも赤羽根さんとはほぼ1年振りぐらいですかね?

赤羽:そうだね。2012年のhideさんの誕生日イベント以来だね。

――そんな2組に、まずは今回の『hide TRIBUTE Ⅶ-Rock SPIRITS-』の選曲理由から聞かせてください。

木村:これがですね、もう悩みに悩んで。前回(1999年5月1日発売『hide TRIBUTE SPIRITS』)の「FLAME」は完璧な流れだったじゃないですか? “ZEPPET STOREに影響を受けて作りました”ってhideさんが言ってくれてた曲で、YANA(ZEPPET STORE・Dr)がドラムを叩いてるっていうのもあったので、もうこれしかないよねって即決だったんですけど、今回は意外性を狙ってポロッと「限界破裂」とか「LASSIE」とか出て来たりして(笑)。でもやっぱりZEPPET STOREらしさを全面に出せる曲の方がいいんではないかっていうのと、一番俺が歌いやすい曲を選んだ方がいいよっていうメンバーの意見もあって、ソロでもちょっとやったことがあった「GOOD BYE」を選ばせていただきました。

赤羽根:実は「GOOD BYE」のドラムもYANAが叩いてるんだよね?

木村:そう。その繋がりもあって。

――CUTTくんが「POSE」を選んだ理由は?

CUTT:最近僕はいわゆる歌モノというか歌を大事にした音楽をやることが多いので、それを活かせる曲を、とかいろいろ考えたんですけど、結局は一番好きな、もしhideさんを知らない人がいたときに“まずこれ聴いて!!”って言いたいのが僕にとっては「POSE」で。

木村:そうなの!?

CUTT:僕、実は“ポーザー”なんです。

木村 & 赤羽根:ポーザー!!(笑)

CUTT:僕がやってたバンドとか音楽性だともう少しバンド感のある曲を選ぶんじゃないかと思われがちなんですが、胸に秘めたサイボーグロックへの憧れっていうのはすごいものがありましてですね、最近は3年ぐらい前からCUTTソロをやっているんですけど、そこでは1人っていう弱味を強味にするためにコンピュータを駆使してるんですね。ていうところで「POSE」を自分風に出来るんじゃないかなと思ったのがきっかけです。

「俺が改めて思うのは、ZEPPET STOREを世に出そうと思った、まずそこがすごいなって。
だってね、俺、知らなかったんですよ、Xのこと」(木村)


――カヴァーして、あらためて発見したことって何かありました?

CUTT:ありました。それは最近公開された映画(『hide ALIVE THE MOVIE-hide Indian Summer Special Limited Edition-』)を観てもすごいなと思うことがたくさんあって。

赤羽根:俺はあの映画を観て、hideさんって幼少のときに影響を受けたものをそのまんま出してるなと思って。例えばhideさんがギターを始めたきっかけは『キカイダー』のギターだっていう話あるじゃないですか?

――はい。

赤羽根:hide with Spread Beaverの怪人カードも子供の頃に『仮面ライダー』カードを集める楽しさそのままだし、千葉マリンでも“こんなでっかいヴィジョンでTVゲーム出来たらいいな!!”ていう夢を実現してたりとか。

――その千葉マリン直前にhideにインタビューをしたとき、“お客さん全員にギターを持って来てもらって、一斉にチョーキングして千葉を揺らす!!”ってとんでもないこと言ってましたけどね(笑)。

木村:それはすごい(笑)。俺が改めて思うのは、ZEPPET STOREを世に出そうと思った、まずそこがすごいなって。だってね、CUTTは筋金入りのファンですけど、俺、知らなかったんですよ、Xのこと。

――なんと!!

木村:まったく別の世界の方々だと思ってたんで、テレビで見たことはあるけど「紅」ぐらいしか知らない状況で。そこのギタリストの方にね、ZEPPET STOREに興味があるとか言われてごらんないさいよ?

CUTT:あはははは(笑)。

木村:もう頭の中ハテナマークだらけですよ(笑)。きっかけはYANAが、“せっかくアルバム作ったんだからいろんな人に聴いてもらおうぜ!!”ていうところで、知り合いのスタイリストさんにお願いしていろいろ撒いてもらった1枚がhideさんのマネージメント事務所に行ったことなんですけど。そこからね、どこの馬の骨かもわからないバンドを“これはなんとかせねば!!”って会いに行くっていう、その行動力というか気持ちというか。しかもちょうど『PSYENCE』の制作に入る頃で、Xもあるし、すごい忙しい時期だったと思うんですけど、思いついたことをすべて行動に移せるっていうのはあらためてすごいなって。

◆「当時hideさんが公開されてたメールアドレスにメールを送ったんですよ。
そしたらその2日後か3日後ぐらいに返事が来たんです」(CUTT)


――その出会いがなければLEMONeDは生まれなかったわけで、当然ZEPPET STOREとCUTTくんが出会うこともなかったわけですからね。

赤羽根:そうなんですよね。

――CUTTくんはどういうきっかけでLEMONeDに所属することになったんでしたっけ?

CUTT:僕は生前hideさんに直接お会いしたことはないんですけど、高校生のときにXのTOSHIさんがやってたラジオにハガキを出して、3回出させていただいたことがあって。

赤羽根:そんなことしてたんだ!?

木村:本当に筋金入りだ(笑)。

CUTT:電話で出演するっていう企画なんですけど、それで歌ったら気に入っていただいたみたいで。

――歌う?

CUTT:はい。ウチの兄貴に受話器持っててもらって。

木村&赤羽根:あはははは(笑)。

CUTT:で、「お前なかなかいいね。また出てよ」みたいな感じになりまして、夏の公開放送みたいなやつにも電話で出させていただいて、最終回に「終わるからもう一度出てください」って言われたときに、「スタジオの方まで行かせていただけませんか?」って。「兄貴も受話器を持つ手が疲れたって言ってるんで」って(笑)。

木村:さすがだ!!(笑)

CUTT:そう言ったら「あ、いいよ」と。そのディレクターの方が。で、最終回に出演したんです。それから自分は高校を出てバンドを始めて、1996~1997年だと思うんですけど、パソコンを買って、当時hideさんが公開されてたメールアドレスにメールを送ったんですよ。でも“ファンです!!”だけじゃ目に止めてもらえないなと思って、“実は数年前TOSHIさんのラジオに出せていただいたことがありまして、今はバンドをやっております”と書いて。

木村:おぉっ!!(笑)

CUTT:ただ、若いときって悪気がなく失礼なことしちゃうことあるじゃないですか? 僕もそのメールに“というわけで、TOSHIさんによろしくお伝えください”ってあたかもhideさんを伝言役として使うようなことを書いてしまいまして(笑)。そしたらその2日後か3日後ぐらいに返事が来たんです。

木村:えぇっ!?

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