【インタビュー】ZEPPET STORE & CUTT、hideに見い出された2組が語る、尊敬と感謝 「曲を作るたびに一番に聴かせたいと思っている」

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◆「後からスタッフづてに聞いた話で、“ZEPPETはもうちょいエンターテイメント的にも
見せられるバンドになって行くといいね”っていうことを言ってたらしくて」(赤羽根)


CUTT:“TOSHIには伝えておきます”と、“バンドがんばってください”というメールが来まして、「ほんまにhideからメールが来たで!!」って自分のバンドのメンバーに触れ回るっていう(笑)。その話を直接hideさんにしたかったんですけど、お伝えすることは出来ず。でも送ったデモテープがhideさんの目に止まりっていう。

木村:下地作り感ハンパないな(笑)。

赤羽根:ポッと出の俺たちとは全然違う(笑)。

木村:1曲しか知らなかったからね、Xの曲(苦笑)。でも、hideさんがずっと生前やってたのがファンレターに返信用のハガキとかが入ってた場合は必ず返事を出すっていう。ああいうロックスター然とした人でもそういう人間味溢れるところがすごく大事なんだなと思って、そこはすごく影響を受けましたね。

赤羽根:俺はまだサポートだったんですけど初めてhideさんに紹介してもらったときに“いつも見ているよ、ビデオ送ってもらって”って言ってて、ZEPPETのライブは毎公演全部見てくれていたらしいんですよ。

木村:マジか!?

――知らなかったの?

木村:聞いてないっす!!

赤羽根:いたけどね、世ちゃん、その場に(笑)。

CUTT:あはははは(笑)。

赤羽根:で、“あんな忙しいのに全部見てくれてるんだ!?”って驚いたのと、後からスタッフづてに聞いた話で、“ZEPPETはもうちょいエンターテイメント的にも見せられるバンドになって行くといいね”っていうことを言ってたらしくて。

木村:で、徐々にそういうスタイルに変わって行きましたからね。

赤羽根:当時は内から出て来るものを自分達の中だけで解決してた部分があったんですけど、やっぱりお客さんと一緒になって楽しまなきゃ本当に楽しいライブは出来ないっていうことに気づいて、hideさんはすごいエンターテナーじゃないですか? あそこまでウチらは出来ないけど、そういうスタンスでやればいいのかなっていうところに影響を受けましたね。

CUTT:僕が影響を受けてるといえば、1991年に『Jealousy』っていうXのアルバムが出たときに、hideさん『Jealousy』のプロモーションをせずにJane’s Addictionていうバンドの宣伝ばっかしてたんですよ、“それはそうと、Jane’s Addictionていうバンドがあってね!!”みたいな。それを僕、雑誌とかで読んでですね、“自分のアルバムよりアメリカのバンドなの!?”と思いつつ(笑)、それで初めて洋楽を聴いたんですよ。洋楽のカッコ良さをJane’s Addictionを通して教えてくれたのがhideさんだったんですよね。

◆「一緒にやらなかったら絶対に解らないことですよね。
そのために海外の人とバンドを組むっていう、その行動力もすごいな」(赤羽根)


――そういうプロパガンダを言葉ではなく自身の楽曲でしようとしたのが最後のオリジナルアルバムとなった『Ja,Zoo』なんですよね。

“これカッコ良いから聴いてよ!!”とストレートに言ったところでヘヴィロックに興味のない人は聴かないだろうと。でもhideというネームバリューがあれば興味のない人も聴いてくれるだろう、っていうところから生まれた発想らしいんですけど。

木村:へぇ~!!

――“チャートの中から(日本の)チャートを変える”というのが当時の彼の口癖だったんですけど、それはそういう意味だったんですよね。

CUTT:僕も子供の頃というか1990年代中盤ぐらいって、なんだかんだ言って洋楽には勝てへんのかなって思ってたんですよ。それが今、アメリカやヨーロッパのものは盲目的にすごいっていう印象ってどんどん薄れてるじゃないですか? 当時はインターネットとかも今ほどなくて、hideさんの音楽を海外の人が聴く機会ってほぼなかったと思うんですけど、それがもし今の時代並に聴けてたらすごいことになってたんじゃないのかなって。その取っ掛かりとしてhideさんはzilchを始めたと思うんですけど。

――zilchに関しては、「あいつらと一緒にやって、俺はあいつらのやりたいことは全部解る。でもあいつらには日本の侘び寂びは解らない。だから俺達の方が絶対カッコ良いものが作れる!!」って言っていましたね。

赤羽根:一緒にやらなかったら絶対に解らないことですよね。そのために海外の人とバンドを組むっていう、その行動力もすごいな。

木村:あとhideさんのすごいところって、アドリブ性だと思うんですよ。海外のアーティストのライブって、確かにショーアップはされてるけど、MCの位置にしても最初から全部決まってたりするじゃないですか? だからどの会場に行っても同じものが見られるっていうメリットはあるんだけど、hideさんバラバラでしたもんね。

――その日のセットリストも当日楽屋に入ってから決めてて。

木村:そう。I.N.Aさん大変だったでしょうけど(笑)。でも、それこそ失敗を失敗としてエンターテイメントにしちゃうあの発想って海外のアーティストにはないと思いますからね。

――“hide with Spread Beaverでツアーに出るときはとりあえず使えそうなものは何でも持って行く”って言ってましたけどね、“とりあえずお盆に乗せておいて、それを使うか使わないかは現場でメンバーが決めればいいことだから”って。

赤羽根:全部自分発信、メンバー発信だったってことですよね。

◆「毎年hideさんの誕生日にライブをやってるんですけど、若い層がどんどん増えていて、
生前のhideさんを知らない人にも受け継がれて行ってるっていうのがすごいうれしくて」(木村)


――そう考えると、サイボーグロックと言いつつものすごく人力だったんだなって、あの人のエンターテイメントって。

木村:だからあそこまで刺激的だったんでしょうね。それを、毎年hideさんの誕生日にライブをやってるんですけど、若い層がどんどん増えていて、生前のhideさんを知らない人にも受け継がれて行ってるっていうのがすごいうれしくて。そうやって世代を超えてずっと色褪せずに残って行くズルい人なんですよ、あの人は(笑)。

――“俺は死ぬまで髪の毛立てる!!”って言ってて、ハゲたらどうするんだろうって思ってたんですけど(笑)、見せてほしかったですよね。

一同 爆笑

――そんなhideに改めて言いたいことって何かあります?

木村:そこはもう音で表現しましたからね。それがすべてですよ。

CUTT:僕は生前お会いしてないっていうこともあって他愛もない話を、“最近のNine inch Nailsどない思わはります?”ていう、“いや、良いんですよ? 良いんですけど……”っていう話をしたい(笑)。

木村&赤羽根:あはははは(笑)。

CUTT:今回の“SPIRITS”に関しては世治さんと同様、自分の中でこれしかないという形が作れたので。

木村:ソロもそうですしZEPPETでもそうなんですけど、曲を作るたびにhideさんに聴かせたいなってまず思うんですよね。ずっとそれが続いてることだから、何か特別これがっていうのはないんですよ。常に一番に聴かせたいと思ってるし、常に感謝してるし、作業部屋には写真が絶対貼ってあるしっていう、それだけで十分なんです。

赤羽根:全部聴いてくれてると思いますしね、空の上から。

インタビュー&文◎加藤祐介


『hide TRIBUTE VII –Rock SPIRITS-』
2013年12月18日発売
TKCA-7401 ¥3,000(tax in)
参加アーティスト/ 収録曲
1.氣志團 「ROCKET DIVE」
2.D'ERLANGER 「限界破裂」
3.J 「FLAME」
4.筋肉少女帯 「DICE」
5.GLAY 「MISERY」Remixed by INA
6.CUTT 「POSE」
7.THE CHERRY COKE$ 「D.O.D.[DRINK OR DIE]」
8.THE NOVEMBERS 「DOUBT」
9.ZEPPET STORE 「GOOD BYE」
10.森雪之丞 with 今井寿(BUCK-TICK) 「EYES LOVE YOU~Ver.2013」
11.THE PINK SPIDERS [Shame,PATA,CHIROLYN,JOE,INA] 「ピンク スパイダー」
(※GLAY 「MISERY」は既発音源をINAが新たにリミックスした音源を収録)

【ZEPPE STORE INFORMATION】
New Album
『SPICE』
2014年1月15日発売
DRSCD-1001 POS:4580300423083
¥2,800円(税込)
発売元:DELIGHTS RECORDS
販売元:JAPAN MUSIC SYSTEM

<ZEPPET STORE Tour 2014 “GREAT DELIGHT”>
2014年3月7日(金) 東京 SHIBUYA CLUB QUATTRO
2014年3月15日(土) いわき club SONIC iwaki
2014年3月16日(日) 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
2014年3月21日(金) 大阪 FANJtwice
2014年3月22日(土)名古屋 CLUB UPSET
チケット一般発売日 2014年2月8日(土)10:00~

【CUTT INFORMATION】
<The Last Show Of 2013>
2013年12月28日(土) 東京倶楽部 千駄ヶ谷店
出演:CUTT ※ワンマンライブ
OPEN/START : 18:30/19:00
ミュージックチャージ ¥2,500(1D別)
ご予約:こちらのフォームからご予約ください
http://www.tokyo-club.com/sendagaya/reservation/


◆hide ROCKET DIVE 2013-14" オフィシャルサイト
◆ZEPPET STORE オフィシャルサイト
◆CUTT オフィシャルサイト
◆hide ROCKET DIVE 2013-14" オフィシャルサイト
◆hide TRIBUTE SPIRITS official Facebook
◆BARKS <hide ROCKET DIVE 2013-14”>特集チャンネル
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