【ライブレポート】SKY-HI、「君の目の前にいる男の名前が、SKY-HI。君の人生を本気でひっくり返しにきた、TRICKSTERだ。」

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SKY-HI(AAA・日高光啓)の全国ツアー<SKY-HI TOUR 2014 -Trip of TRICKSTER- >ファイナル公演が、3月9日、Zepp DiverCity Tokyoにて開催された。

◆<SKY-HI TOUR 2014 -Trip of TRICKSTER- >ファイナル公演 画像

3月12日に、自身名義での1stアルバムとなる『TRICKSTER』をリリースしたSKY-HI。今回のツアーはこのアルバムに収録された新曲をいち早くライブで堪能できるもの。と、同時に、2013年に1stツアー<SKY-HI TOUR 2013 「The 1st FLIGHT」>を行なったSKY-HIが、1年経ってどのような進化を遂げたのか。今回はどんなテーマを掲げて、どんなメッセージを発するのかと、注目と話題を集めたものだった。そんなツアーの最終公演。開演前からZepp DiverCity Tokyoは、SKY-HIを待つオーディエンスの熱気に溢れかえっていた。

熱気に包まれたのは、会場だけではなかった。この公演は、MTV81とニコニコ生放送でも生配信を実施。PCの前で、スマホを手にしながらと、実に多くの人たちが、画面の向こう側に熱い視線を送りつつ、公演の幕開けの瞬間を待ち望んでいた。

そんな期待を高めるかのように、公演は5分程度押してのスタート。鳴り響くファンファーレがリズムと絡み合い、ステージのセンターにSKY-HIが登場する。歓声の中、「ふうっ」と、息をひとつ吐き、そして「よっ!」と笑顔。そのまま1曲目の「逆転ファンファーレ」へとなだれ込む。ライブは冒頭から「SKY-HIのスピードに振り落とされてないようについて来いよ」と言わんばかりの展開で魅せていく。

「愛を咲かせにやってきたぜ。会いたかったぜ東京!」と、2013年8月にリリースされたメジャーデビューシングルから「愛ブルーム」へ。ステージからはさぞや綺麗に見えたことであろう、フロアにはハンズアップの花が咲き乱れ、春風に誘われるように右に左に揺れる。さらに『FLOATIN' LAB』からの「CRITICAL POINT」では、言葉を放ちながらSKY-HI自身もステージを跳ねるように動きまわる。

「一番近くで観てる君たちに、まずは最高を手渡ししていこうと思ってますから。」

「たまたま(このライブに)誘われた人もいると思うんだ。でも、一切、何も心配しないでいいです。曲、知らないとかもあんま関係ないです。SKY-HIがこの先、君たちを完璧にエスコートするっつってんだから、ぜってーに問題ないって話ですよ。」

「やれ手を挙げろだの、やれ声を出せだの要求することが多々あると思いますが、最初に注意事項として言っておくと、君たちはそれに従う必要はまったくもってない! あのさ、違うんだよ。手を挙げなきゃいけない空気とかさ、ここ盛り上がっておくところでしょ? とか。見せかけの盛り上がりや一体感を作りに君たちは来たのか? って話だから。君たちは周りの視線を気にするためにわざわざお台場のZepp DiverCity Tokyoにきたのか? それはNoだよな。君たちはなんのために来たのか。それは俺が何のためにやってるかということとイコールなんだけど、みんながZepp DiverCity Tokyoを出る時に「あー、今日いい1日だった。」って想いが生まれる。それがゴールだから。そのためだったら、どんな楽しみ方しても。自分自身が一番楽しめる楽しみ方で楽しんでくれたら、それが一番だから。」

フリースタイルを挟んで、4人のダンサーもステージインして「ILLICIT LOVE」。SKY-HIのフロウが、会場を埋める音が一気に視覚化されていく感覚。そしてここからはダンスもできるラッパーとしての本領を少しずつ発揮していく。さらに「Ah,ah!」「Uh,uh!」のコールアンドレスポンスで客席を巻き込んでの「Blanket」。AILI × SPICY CHOCOLATE ft. SKY-HI(AAA)でリリースされた「そばにいるだけで…」では、ピアノの弾き語りで披露。さらに新曲の中でもリアルな言葉が並ぶ「Diary」へ。

「自分を受け入れれば、昨日までの敵だったもうひとりの自分が最高の味方になる。」という鬼気迫る「RULE」。SKY-HIの、いや、日高光啓の経験から生まれた言葉の数々が、これでもかというほどにオーディエンスひとりひとりの胸に突き刺さる。「なぁ、君の人生、誰が支配している? 学校か? 会社か? 自分自身だって胸張って言ってやろうぜ!」。そんな言葉に関係者席からもすすり泣くような音が聴こえてくる。会場の誰もが、汗も滴るままに喉を突き上げるSKY-HIのパフォーマンスに釘付けとなる。

ライブ終盤、ラブソング「キミサキ」歌唱前。「その曲の、今から歌うラブソングの対象となった人っていうのは、間違いなく、紛れもなく、今、俺の目の前に映っているすべての君です。」という言葉から、SKY-HIはこの曲に込めた想い、そしてSKY-HIとして抱いている感謝の気持ちを吐き出していく。

「音楽ってさ、作った時って俺サイズなんだよね。俺しかリスナーいないし。“俺行き俺着”みたいなさ。それがさ、スタッフに届いて、ダンサーとかDJ Jr.に届いて、みんなが『いいね、この曲。』ってなったら、その時、初めて、SKY-HIチームのサイズに俺の音楽が広がるんだよね。俺はさ、音楽って自分自身だと思って作ってるからさ、それが大きくなるのって自分の人生が倍になってるみたいに嬉しいんだ。その音楽が一番広がる瞬間ってのはさ、やっぱり君たちが聴いてくれている瞬間。この瞬間にさ、俺サイズだった、ちっちゃな音楽がすっげえ大きなサイズに広がっていってるっていう瞬間をさ、一回でも味わったら、俺はそれに対して心から感謝を覚えるわけだよ。覚えるわけだっていうか、それ以外ないよね。これ以上の気持ちはないし、これ以上にありがたいと思うことはないし、これ以上に感謝していることはないです。」

「断言しよう。俺が音楽家としていられる理由。俺が歌唄いとしていられる理由。俺が、SKY-HIがひとりの人間として存在している理由。そしてその証明はぜんぶ君が、すべての君がくれています。君にその自覚があろうがなかろうが関係ないよ。これはもう確かな事実だから。君によって生かされてるし、君によって、俺はステージに立つことができてるし。その君に対して、俺は100%の気持ちを込めてさ、歌を書いて、何度だって手渡すよ。それが俺にできる唯一にして最高の恩返しだと思っているから。だから、大げさでもなんでもなくて、自分の命ぜんぶかけて、君が聴いてくれるその一瞬のために、君に一番似合う音を探して、俺から出る一番の言葉を探して、何回だって、手渡させてもらいます。何回だって、最高を上書きさせてもらいます。よろしければ、もう少し、お付き合いください。」

そして、ファイナルの最後を飾ったのは、アルバムのタイトル曲となった「トリックスター」。オーディエンスはハンズ・アップしながらも、SKY-HIの熱量ほとばしるパフォーマンスに完全に飲まれてしまい、その心境を一言で言うなら「圧巻」。

「これで、このライブは終わる。TRICKSTERの旅はひとつ終わる。だけどさ、忘れないでくれよ。俺は、CDを通して、ネットを通して、もしくはライブで直接。なんだっていい。君の耳元に生き続ける。胸の中に生き続ける。頭の中に生き続ける。いつまでもステージに立ち続ける。歌を歌い続ける。なんのためだ? いろいろあんだろ、めんどくせーこととか、やっかいなこと。それに立ち向かう力を与え続けるために、俺はいつまでもステージにに立ち続ける。君に相対し続ける。なあ、負けんなよ! がんばれよ! 俺は、君の人生をひっくり返しにきたTRICKSTER。そして、ほかでもない君たち自身が、自分の力で君の人生をひっくり返せるTRICKSTERなんだ。なぁ、また最高にいい顔で会おう。俺はいつだって待ってるぜ。」

SKY-HIが去ったステージに向けて、「viva la TRICKSTER!」と拳を突き上げ続ける人、人、人。これは現実なのか、もしくは夢か、はたまたTRICKSTERによって目を醒まされた群衆が、人生を勝ち取るために蜂起する映画のワンシーンでも観ているのか。そんな錯覚を起こすようなエモーショナルな光景が広がる。これはもう、見事なエンターテインメント、見事なSKY-HIのショーだと言うほかない。

ところで、このファイナル公演。「トリックスター」直前、光に包まれたSKY-HIを目にしながら、きっと誰もが気づいたことだろう。もしくは画面を通してもその気配を感じたことだろう。実際、ニコニコ生放送では、“それ”を実際に感じとったようなコメントが、その瞬間、溢れかえっていた。

集団幻覚か何か、かもしれない。

いや、しかし確かにその瞬間、SKY-HIの後ろには、何かもっと大きな存在があったのである。
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