阿久悠、子供向け未発表作品が新登場

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2013年で7回忌を迎えた作詞家・阿久悠の未発表の詞が楽曲となって発売される。阿久悠がかつて設立した子供向け作品の専門レーベル『ぱくぱくぽけっとレコード』用に書き残していたもので、「うちのニャンコは大先生」というタイトルが付いている。

◆『こどもへの阿久悠 ~かつてこどもだったあなたへ、そしてそのこどもたちへ~』画像

この作品は自宅の愛猫の性格と日常を詞にしたもので、今回新たにメロディが付けられ、追悼アルバムとして12月25日に発売される『こどもへの阿久悠 ~かつてこどもだったあなたへ、そしてそのこどもたちへ~』に収録されるものだ。

阿久悠がすでに多くのヒット曲を手掛けていた1977年、『ぱくぱくぽけっとレコード』は「子供の心の中の衝動を取り戻させたい」とコロムビアと共同で設立された。番組や企画のためでなく、純粋に子供向けの楽曲を制作する意図で立ち上がったもので、「子供のためにという思い上がりを捨てて」をコンセプトの基としていた。作曲陣には小林亜星や三木たかしなどが名を連ねており、このレーベルは1979年までにシングル7枚14曲を生み出していた。

尿管癌のため2007年8月1日に逝去してから7回忌を迎え、これを期に企画されたのが「阿久悠さんの手がけた“こどものうた”だけでまとめたアルバム」というコンセプトで作られた追悼アルバムだ。NHK「お母さんといっしょ」のテーマソングや、「宇宙戦艦ヤマト」や「ウルトラマンタロウ」などの人気アニメ・特撮主題歌を、「こどものうたDISC」・「アニメソングDISC」の2枚に集約した2枚組みベスト・アルバムとして12月25日に登場する。

発見された歌詞「うちのニャンコは大先生」は、1979年頃に書かれたものと見られ、没後、所属事務所のオフィス・トゥー・ワンにて作品などの整理をしている中で発見されていたもの。曲がつけられることなく眠っていたため、今回、NHKの幼児向け番組やフジテレビ系「ポンキッキーズ」などへの楽曲提供を務める作曲家・中川ひろたかに作曲を依頼し、ブリティッシュ・ロック/フォーク的なメロディがつけられた。歌唱は2007年以降「ドラえもん」主題歌「夢をかなえてドラえもん」を担当するシンガーmaoが担当することで、コミカルでありながらもふんわりと暖かい世界観が表現された。

「今回は、現在(いま)ならではの作家さん、歌手とコラボレーションしたい」という西澤プロデューサーの想いから、今までに阿久悠作品を担当したことのない作曲家とアーティストをあえて起用し、阿久悠が生前残した作品とはまた違ったイメージで“こどもへの阿久悠”作品を蘇らせたという。なお『こどもへの阿久悠 ~かつてこどもだったあなたへ、そしてそのこどもたちへ~』には「ぱくぱくぽけっとレコード」の立ち上げの際の阿久悠のコメントが掲載され、「うちのニャンコは大先生」の阿久悠のオリジナル原稿もそのまま転載されている。

「形になった楽曲を聴くたび、「作詞家・阿久悠は現役なり」を実感せざるを得ません。新しい命を吹き込まれた詩は「阿久悠の新作」としてまた、世に出てゆきます。まるで阿久先生がまだ生きているようだと錯覚してしまうのは、きっと私だけではないでしょう。」──日本コロムビア エデュケーショナル制作部長 熊田和生

「阿久悠は、「時代とキャッチボールし続けた」作詞家であり「時代を語り続けた」作詞家であります。その代表作品の数々から見られるように、音楽的ジャンルは多岐に渡り、その中で「君の唇に色あせぬことばを」という思いをもって「ことば」を送り続けて来た作詞家です。阿久悠作品集(CD全集)としては幾つか発売されておりますが、いわゆる子供向け作品の集大成的CDは、今回が初と言ってよいでしょう。このアルバムは、CDタイトルにもありますように、「かつてこどもだったあなた」と「そのこどもたち」に時代・世代を超えて語り・歌い継がれて行くことを願っております。」──株式会社カンパニーウエスト プロデューサー 西澤雅巳
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