エディ・ジョブソン、40周年記念公演とUK完全再現公演が映像化

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UKの天才キーボーディスト/ヴァイオリニストして絶大な人気を誇るエディ・ジョブソンは、2007年にUKZを結成後、活動を再開して以降5年連続で来日公演を行っている。2013年はエディ・ジョブソンがカーヴド・エアに加入以来、ミュージシャンとして活動を開始して40年の節目でもある。

◆エディ・ジョブソン画像

2013年11月にCLUB CITTA'で開催された来日公演は“デビュー40周年記念 特別公演”と銘打たれ、ジョン・ウェットンとソーニャ・クリスティーナ(カーヴド・エア)をフィーチャーし、エディ・ジョブソンの40年間のキャリアを時系列で振り返るスペシャルな内容となった。

さらに急遽UKとしての追加公演を行うことも発表され、名盤『憂国の四士』『デンジャー・マネー』の2作の全曲を演奏するという、ファンにとって夢の様な一夜が繰り広げられた。11月8日の初日に行われたのがUKとしてのスペシャル・ライヴで、本編で2作のアルバムを曲順通りに演奏している。

ここで特筆すべきは『憂国の四士』のラストに収められていた「瞑想療法」が初演されたことだろう。エディ・ジョブソンが複数のパートをこなすこともあって1970年代はライブでの演奏が不可能とされていたこの曲や「ソーホーの夜」といった楽曲がステージで聴けるようになったのである。

ただでさえ複雑に作り込まれた楽曲を十全に再現するためにエディ・ジョブソンがステージ上でこなさなければならないタスクは、機材の数そのものが簡素化されたこともあいまってさらに増えており、1970年代以上にテクニカルなプレイが要求されているはずだ。それぞれ異なる編成/メンバーで制作された2作のアルバムを共通した4人のメンバーで演奏したわけだが、両作の特異な個性をうまく浮き彫りにしているのは、エディ・ジョブソン、ジョン・ウェットン、アレックス・マハーチェク、マルコ・ミネマンそれぞれのミュージシャンシップの高さによるところが大きいのは言うまでもない。

アンコールでは、ライブ・アルバム『ナイト・アフター・ナイト』にのみ収録された2曲(うち「アズ・ロング・アズ・ユー・ウォント・ミー・ヒア」はエディ・ジョブソンのピアノとウェットンのヴォーカルのみというアレンジで演奏された)のほか、『デンジャー・マネー』発表時のツアーのごく一部の公演でしか演奏されなかった「ウェイティング・フォー・ユー」まで取り上げられていたのには心底驚かされた。1970年代のUKとしての活動中に書かれたすべての楽曲を余すところなく演奏しようというエディ・ジョブソンの律義さには、感服以外の言葉が見つからない。

2013年11月9、10日はエディ・ジョブソンの40年に渡るキャリアにフォーカスした特別公演だった。オープニングはエディ・ジョブソン自らが制作したレアな映像集に続いてソーニヤ・クリスティーナが登場、カーヴド・エア時代の楽曲からライブがスタート。『エア・カット』から4曲取り上げられたほか、デビュー・アルバムに収録された「今日突然に」なども演奏された。

このセクションではなんといってもエディ・ジョブソンの強烈なピアノ・プレイをイントロに据えた大作「メタモルフォシス」が白眉と言えるだろう。続いてUKZのヴォーカリスト、アーロン・リッパートをフィーチャーしてロキシー・ミュージック時代の「アウト・オブ・ザ・ブルー」、そしてザッパ時代の「レザー(アイ・プロミス・ノット・トゥー・カム・イン・ユア・マウス)」が演奏された。「レザー」からシームレスに「プレスト・ヴィヴァーチェ」へとなだれ込み、ベースがリック・フィエラブラッチからウェットンにスイッチしてUKの「闇の住人」へ。このセクションでは続いて「光の住人」「闇と光」「ランデヴー6:02」「キャリング・ノー・クロス」といった楽曲がフィーチャーされた。

「アラスカ」をブリッジとして始まったのは、1980年代のソロ活動期の楽曲をフィーチャーしたセクション。エディ・ジョブソン&ズィンク名義による『ザ・グリーン・アルバム』、フェアライトを駆使して制作されたソロ・アルバム『テーマ・オブ・シークレッツ』の2作から6曲が取り上げられている。中でも『ザ・グリーン・アルバム』の楽曲が演奏されるのはこれが初めてで、非常にレアなパフォーマンスと言えるものだ。本編最後はUKZのEPから「ラディエーション」「ヒューストン」「Tu-95」を演奏、ラストに『ザ・グリーン・アルバム』の「スルー・ザ・グラス」のコーダで締めくくっている。

アンコールはクリスティーナのボーカルで「ヤング・マザー」、ジョン・ウェットンをフィーチャーして「シーザーズ・パレス・ブルース」、そしてブラッフォードの『ワン・オブ・ア・カインド』に収録されている「フォーエヴァー・アンティル・サンデー」(もともとは初期UKのレパートリーだった)といったナンバーが披露され、約3時間におよぶボリュームたっぷりのステージが終了した。

UKの2作品完全再現と40周年ライヴの模様は、映像収録が最新鋭の機材を大量に導入し行われた。2014年春にBSフジで放映されるほか、ワードレコーズよりブルーレイをはじめとする各種パッケージ化も決定しており現在制作中という。マルチ・カメラ/マルチ・トラックで収録されており、これまでのライヴ作品とは段違いに充実したクオリティになるのは間違いない。リリースが今から楽しみだ。

「“フォー・ディケイズ"は、私のデビュー40周年記念を飾る特別な日本公演となった。ソーニャ・クリスティーナ、ジョン・ウェットン、そしてUKZのメンバー達には心から感謝しているし、共演出来た事を光栄に思う。今回会場に足を運んでくれただけでなく、長年支え続けてくれた日本のみんなにも感謝の気持ちでいっぱいだ。君たちのおかげで、私の音楽を再びステージで披露する事が出来たんだよ。コンサートでのパフォーマンスには、そんな君たちへの感謝の気持ちが込められている。ワードレコーズとBSフジにより収録されたこの特別な日本公演が、世界中のファンの手元に届く日を楽しみにしているよ。40年の経験で培われた私の音楽を、是非多くの人に堪能してほしい。」──エディ・ジョブソン

撮影:有賀幹夫


◆ワードレコーズ・ダイレクト・エディ・ジョブソン特設サイト
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