【ライヴレポート】Angelo、<Angelo Tour THE FAITH TO FOLLOW>ファイナルで「狂ってるか!?今日こそは首もらってくぞ!」

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Angeloが12月28日、新木場Studio Coastにて<Angelo Tour「THE FAITH TO FOLLOW」>のファイナル公演を開催した。同ツアーは11月28日の川崎CLUB CITTA’を皮切りに、全国12ヵ所を廻るもの。緻密に構築されたアルバム『FAITH』サウンドが初めて生身の姿をさらすステージとなる。結論から言えば、『FAITH』で表現した世界観がより深くダイレクトに伝わるステージには、彼らの強い意志や信条を感じずにはいられないものがあった。そのファイナルの模様をお届けしたい。

◆Angelo 拡大画像

Angeloらしい信念に貫かれた6枚目のオリジナルアルバム『FAITH』をひっさげて全国各地で行なわれてきたツアー<Angelo Tour「THE FAITH TO FOLLOW」>もいよいよ追加公演、1月4日の赤坂BLITZを残すのみ。

12月28日(土)、新木場Studio Coastで行なわれたライヴはAngeloが一点の曇りもないぐらいバンドとしてひとカタマリになっていることを物語っていた。

ピアノとストリングスが美しく切ない旋律を奏でるアルバム1曲目の「Ruthless reward―instrumental―」と共に、作品のメッセージを象徴する映像が映し出され、スクリーンが振り落とされる。すると大歓声の中、ハードなギターリフとダイナミックな展開に血が騒ぐ「FAITH」で幕開けだ。全員が、黒で統一した衣装。フードをかぶり、両腕を白く塗ったキリトは修道士のような佇まいだ。燃え上がる熱を内に秘めた緻密でヘヴィなバンドアンサンブルのバランスは、まぎれもない今のAngelo。

続いてTAKEOの戦車のごとく重厚なドラミングに弦楽器陣がアグレッシブに絡んでいく「OUTBREAK」が叩きつけられる。この曲は、現代の社会問題をテーマに、緊張の糸が張りつめるサウンドの中でキリトがシャウトし、一転、視界が開けるようなサビで、“君が抱える迷いの理由をこの手で全て引き受けよう”と歌うカタルシス……。どんなに激しく攻撃的な曲であろうと、メロディにフックがあるのが彼らの曲に中毒性がある所以だ。ステージに炎が上がる演出で魅せた「DOLL」はエスニックなギターがスパイスになったAngelo流ヘヴィなダンスロック。場内を高揚させ、疾走感たっぷりのビートと切ないメロディが初期Angeloを彷彿とさせる「評決」ではKaryuとギルのギター陣が前に出て煽り、はじけ飛ぶ展開。歌い終わったキリトがオーディエンスに拍手を送った。

「東京! 狂ってるか! 今日こそは首、もらってくぞ!!」

キリトが煽り、自由と正義、信仰と解放の名のもとに散っていく儚い命を浮き彫りにしたデジタルヘヴィチューン「HOLYWAR」へと移行し、場内はヘドバンの嵐となった。アルバム『FAITH』の楽曲が、その世界観を表現するためなのか、曲順通りに披露されていくセットリストも、彼らのみならず、集まったファンも望んでいたことではないだろうか。ツアーでさらにブラッシュアップされた曲たちがストーリーを追うように鳴らされていく。

Karyuのエモーショナルなギターとギルの繊細なアルペジオが情景を描くように響き、TAKEOとKOHTAの力強いビートに揺らされるパワーバラード「Voice of the cradle」は、別離を迎えるそのときの想いを切々と歌ったキリトのヴォーカルが圧巻だ。まさにライヴヴァージョンの生々しさで迫ってきた。そしてKOHTAのベースがキーになった「CONTRACT」もライヴならではの躍動感と独特の色彩感。ロックのダイレクトな魅力とAngeloが根本的に持つアクの強さ、無国籍感が混ざりあう。

「狂っちゃおうぜ!!」と煽り、「MADMAN MAKE QUANTUM VARIATION」では派手にたかれたスモークの中、KOHTAが台から下に降りてギルと向かい合い、上手でキリトとKaryuが絡み、楽曲のメッセージとともにライヴは解放のベクトルへと。Karyuのカッティングで幕を明ける「想像の楽園」ではキリトが客席を指差しながら歌い、ギルが明度の高いソロを奏でる。“想像の楽園に君が焦がれた姿を いつの日も忘れないで♪”という突き抜けたメッセージが、異なるFAITH=信念の衝突が繰り返される世界からの抜け道のように響き、Angeloの意志を明確に伝えるアルバムのラストナンバー「Beginning」には、みんな、息をのむかのように静かに聴きいっていた。

アルバムの曲がすべて演奏された後は「飛べ、飛べ!!」とキリトが叫んだ「PROGRAM」に始まり、前作『RETINA』や、『METALIC BUTTERFLY』からの曲も披露され、場内の体感温度は上がる一方。

「今年の暴れおさめですよ! 最低でも肋骨頂戴!! 暴れようぜ!! 悔い残すなよ!」

TAKEOの凛々しいドラムにOiコールが上がった本能直撃の痛快ダークチューン「Prelude」。「RIP」ではキリトがマイクスタンドを何度も叩きつけ、本編ラストは手拍子で会場が異様な一体感に包まれたゴシックテイストとロックンロールの高揚感を合わせ持つ「Script error」だ。興奮を一瞬たりとも途切れさせない見事なエンディングだった。

切ないメロディが秀逸な「EVE」で始まったアンコールでは、メンバーが紹介され、ひとりひとりコメント。

「みんな気持ちよくなっちゃってますか? でも、まだイケるでしょ? もっと暴れていこうぜ!」とTAKEO。新木場のことを“ニュー木場”と言って苦笑されたKOHTAはギャグがすべってみんなに謝り、ギルは「このツアーを廻ってひと皮むけた」と発言。Karyuは「今日、映像を撮ってるんで、1年のいい締めにしましょう!」とKOHTAに続いて、すべらないように(?)慎重に挨拶した。

そして充実した今回のツアーを振り返ったキリトは、突然、KOHTAのほうを向いて「ニュー木場?」と寝た子を起こす発言をして、場内爆笑。MCになるとストイックで攻撃的な空気から一変、いわゆるギャップ萌えのメンバーが多いのもAngeloの奥深い魅力だということもつけ加えておこう。

アンコール後半は銀テープが放たれた「Manic State High Pressure」で始まり、完全に解き放たれたキリトはKaryuと肩を組んで客席に手を振り、ギルの頭を何度も撫で、ラストナンバーはまさに年納めにふさわしい「SCRAP」で爆発。2013年のイヤな思い出は全部、スクラップにしちゃおうぜ、と言わんばかりの勢いだ。Angeloもオーディエンスも暴れ倒したあとは、再び、全員が締めの挨拶。

「2014年はいろんな意味で攻めていくから! ニュー木場、最高! 東京最高! オマエら、最高!」

ステージから離れがたそうにピックやスティックを投げ入れていたメンバー。最後に残ったキリトはマイクを通さずに「どうもありがとう! よいお年を!」と挨拶。Angeloのさらなる快進撃に期待したい。

取材・文◎山本弘子

■<Angelo Tour「THE FAITH TO FOLLOW」>
2013年12月28日@新木場Studio Coastセットリスト
Ruthless reward - Instrumental -
1.FAITH
2.OUTBREAK
3.Doll
4.評決
5.HOLYWAR
6.ディスプレイ
7.Voice of the cradle
8.CONTRACT
9.MADMAN MAKE QUANTUM VARIATION
10.想像の楽園
11.Beginning
12.PROGRAM
13.CONVICTION
14.RETINA
15.Prelude
16.RIP
17.PLOSIVE
18.Script error
encore
19.EVE
20.Rebirth
21.Angry sheep
22.Manic State High Pressure
23.シナプス
24.SCRAP




■<Angelo Tour「THE FAITH TO FOLLOW」>追加公演
2014.01.04(土) 赤坂BLITZ  16:45/17:30
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888
スタンディング 5,800(税込) ※ドリンク代別


◆チケット詳細&購入ページ
◆Angelo オフィシャルサイト
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