【ライヴレポート】<December's Calling>、TK(凛として時雨)、木下理樹(ART-SCHOOL/killing Boy)、小谷美紗子が奏でたアコースティックの調べ

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TK(凛として時雨)、木下理樹(ART-SCHOOL/killing Boy)、小谷美紗子の出演によるライヴイベント<December's Calling>が12月22日(日)、赤坂BLITZにて開催された。その模様をレポートしたい。

◆<December’s Calling> 画像

このイベントは、2012年12月27日に日本武道館で開催された<DECEMBER'S CHILDREN>から派生したもの。同年12月17日には<December's Calling>第一回目が川崎CLUB CITTA'で行われ、ライヴアクトとしてTK from 凛として時雨、ART-SCHOOL、THE NOVEMBERS、クロージングDJにyukihiroが出演した。そして2013年の今回が2度目の開催となる。

会場に入るとグランドピアノがステージ中央に大きく鎮座している。この日のライヴは事前に、“3組共にバンドスタイルの出演ではございません”との告知がなされており、通常とは異なるアコースティック・スタイルが予想できるものだった。

まずステージに登場したのは小谷美紗子だ。グランドピアノで披露された全6曲は、初期のシングル曲「The Stone」から最新アルバム『us』収録曲「正体」まで、新旧問わないナンバーが弾き語りアレンジで奏でられる。とりわけ中盤に披露された名曲「消えろ」は鮮烈な照明にてらされて、湧き上がるように切なく力強いボーカルが赤坂BLITSに響き渡った。

「自分より年上の方からお誘いいただくのも嬉しいですし、特に年下のアーティストからこういうカタチでイベントに声をかけていただけるのは、すごく光栄です。最後は「universe」という曲です。学校でいじめられてる人、ふるさとを追われて家がない人、会社で立場がない人、すべての弱っている人に……自分も含めて。今は元気ですけど。私も弱っているときにこんな歌が必要だな、こんな曲があったらいいなと思って作りました」

ピアノのイントロが悲しみも寂しさもすべてを浄化するように清らかで、優しく柔らかい小谷の歌声が会場の闇を包み込む。ピアノによる最後の一音の余韻が鳴り止む前に会場から拍手が沸き起こった光景は、実に感動的なものだった。

続いての登場はART-SCHOOL/killing Boyの木下理樹だ。「木下です。よろしくお願いします」という挨拶のあとに、アコースティックギターで弾き語られたナンバーは「14souls」。軽快に疾走するART-SCHOOLの原曲に対して、歌とギターのストロークのみで届けられたこのナンバーは楽曲が持つ痛みが剥き出しとなって刺さるようでもあった。

「今日、手伝ってくれるHINTOの伊東ちゃんを紹介します」という木下のMCに導かれて登場した伊東は、まずディレイの掛かったサウンドを愛用のストラトキャスターで響かせた。曲はkilling Boyの「Perfect Lovers」だ。伊東が弾いた数小節のアルペジオをサンプリングしてループさせ、その上に自らが別のフレーズを乗せていくというひとり二重奏によるイントロ。そこに木下のヴォーカルとアコースティックギターのストロークが絡み合うアレンジは6/8拍子の楽曲を幻想的に彩った。そして「Call 4 U」「Sweet Sixteen」といったkilling Boyのナンバーの後に披露された4曲は、カバーソングだった。

「カバーソングをやりたいと思います。……しかしすごいですね、この緊張感……というか(笑)」。1階フロアも含めて全席着席スタイルとなった赤坂BLITZは、通常のスタンディングフロアと異なる。いつものステージとの違いに木下自身若干の戸惑いがあったようだが、客席が座ったまま静かに聴き入って楽しむことができたのは、彼らの奏でる音楽の力によるものでもある。

カバーソングは、森田童子の「たとえばぼくが死んだら」、「伊東ちゃんは以前SPARTA LOCALSっていうバンドをやっていて、せっかくだから」とのMCに次いで「ロックとハニー」、そしてSyrup16gの「生活」を披露。ミディアムスローにアレンジされた同曲は、前述と同様、伊東によるひとり二重奏が楽曲の持つ感情をメランコリックになぞって心に染み入る。そしてラストナンバーはフジファブリックの「バウムクーヘン」だった。「俺と伊東ちゃんの共通の友達がいて……フジファブリックの志村くん。あいつが死ぬ2日前にも志村會にもいったんだよね」と演奏されたこのナンバーは、逝去した志村を偲びつつ彼の歌が生き続けていることを示すものとなった。

最後に登場したのはTK。このイベントには、彼のソロ名義である“TK from 凛として時雨”ではなく、“TK(凛として時雨)”としてクレジットされていた。加えて、2014年には弾き語りワンマンツアー開催を発表していることからも、アコースティックで凛として時雨のナンバーが披露されることも予想された。ステージ上には、6弦と12弦のアコースティックギターが1本ずつ、いつものテレキャスタータイプのエレキギター、ピアノがセットされている。ステージに登場したTKはまずピアノの前に座り、弾き語りによる新曲を奏でた。後のMCで語られたことだが、「子供の頃にちょっとだけピアノをやっていたんです」というミディアムナンバーが、場内をしっとりとしたムードに染め上げる。

続けて披露された2曲は、凛として時雨の「テレキャスターの真実」と「鮮やかな殺人」。12弦アコースティックギターの弾き語りによる前者は、ふくよかで奥行きのあるコードストロークにのせて優しいボーカルを聴かせる。一方の後者は6弦ギターに持ち替え、アルペジオと鋭利なカッティングのダイナミズムで弾き語られた。どちらの楽曲からも際立ったのはメロディの美しさ。当然ながら轟音のアンサンブルもなければ、音数の洪水のようなサウンドもない。弾き語りのシンプルなアレンジは良質なメロディそのものをクリアに浮かび上がらせたようだ。

「ここからはいつもソロのほうでピアノを弾いてくれている人を。(大古)晴菜 from TK from 凛として時雨です(笑)」と、サポートメンバーを迎えたステージ中盤。「初恋の嵐というバンドのカバーを1曲やります」とのMCに次いで、ピアノとアコースティックギターによる「涙の旅路」が披露された。続く凛として時雨のナンバー「Re:automation」は、やはりピアノとアコースティックギターの弾き語りであるものの、アコースティックギターのカッティングがより激しくパーカッシヴ、ヴォーカルもエモーショナルなシャウトが突き刺さるアレンジとなっていた。

ここでエレキギターに持ち替えたTKは弾き語りによる新曲を披露。旋律も演奏も、音の隙間が活かされたアレンジにTKの新境地を感じさせる。ライヴは晴菜とTKの2人が弾くピアノアレンジが施された「illusion is mine」で本編を終了した。

アンコールの最後にTKはこう話した。「次で最後の曲になります。バンドでもあまり最近はやらない曲で……聴き返してみると、いろいろわがまま放題、曲を作っていたなと(笑)。345と中野くんには申し訳ない限りです(笑)」といったMCの後に披露されたのは「Sergio Echigo」だった。楽曲アレンジはシンプルに構築されていたが、圧巻は後半のギターアルペジオ。その繊細な旋律は美しく、奏でられるサウンドはどこまでも深く優しい。“声”と“音色”で聴かせた全9曲の演奏を終え、深々をお辞儀をするTKに、そのサウンドを堪能した客席からは、割れんばかりの拍手が響いた。

TKは自分自身の声と向き合うべく、弾き語りワンマンツアー<TK Acoustic & Electric TOUR 2014 “Killing you softly”>を開催する。このツアーは、2月21日の愛知県芸術劇場公演を皮切りに東名阪の3ヵ所で行われるものだ。それに先がけてオフィシャルサイトではツアー名を冠したスペシャルトレイラーが公開されている。「テレキャスターの真実」のギター弾き語りによるセルフカバーの断片はここでも聴くことができるので、ぜひともご覧いただきたい。TKのアコースティックツアーはここから始まるのだ。

取材・文◎BARKS編集部 撮影◎河本悠貴

■<December's Calling>
2013年12月22日(日)@赤坂BLITZ セットリスト
【小谷美紗子】
01. The Stone
02. 雲のように
03. アイシテイルノニ
04. 消えろ
05. 正体
06. universe
【木下理樹(ART-SCHOOL / killing Boy)】
01. 14souls
02. Perfect Lovers
03. Call 4 U
04. Sweet Sixteen
05. たとえばぼくが死んだら(カヴァー曲)
06. ロックとハニー(カヴァー曲)
07. 生活(カヴァー曲)
08. バウムクーヘン(カヴァー曲)
【TK(凛として時雨)】
01. ピアノ弾き語り(新曲)
02. テレキャスターの真実
03. 鮮やかな殺人
04. 涙の旅路(カヴァー曲)
05. Re:automation
06. ギター弾き語り(新曲)
07. illusion is mine
encore
08. ピアノ弾き語り(新曲)
09. Sergio Echigo


■TK from 凛として時雨 1st EP『contrast』
2014年3月5日発売
【初回生産限定盤 [CD+DVD]】AICL 2644~2645  \2,100(税込)
【通常盤 [CD]】AICL 2646  \1,575(税込)
CD全5曲収録予定(新曲3曲+カバー2曲ボーナス収録)
<DVD>※初回生産限定盤のみ
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013"より flower/ haze/ film A moment
+ベルリンで制作された未発表音源MUSIC VIDEOをボーナス収録

■<TK Acoustic & Electric TOUR 2014 “Killing you softly”>
2014年2月21日(金)  愛知県芸術劇場 小ホール
OPEN18:30/START19:00
[問]JAIL HOUSE 052-936-6041  http://www.jailhouse.jp
2014年2月27日(木) 大阪市中央公会堂 中集会室
OPEN18:00/START18:30
[問]清水音泉 06-6357-3666  http://www.shimizuonsen.com
2014年3月13日(木) 浜離宮朝日ホール 音楽ホール
OPEN18:15/START18:45
[問]HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999     http://www.red-hot.ne.jp
[一般席] 指定席:\4,500
[特別席]
1F最前列指定席 \10,000
2F最前列指定席 \5,000 ※浜離宮朝日ホール公演のみ取扱い
学生割引指定席(1F最後列) \3,500
□特別席に関しては、ご本人様確認をさせて頂く事がございますので、必ず写真付き身分証明書をご持参のうえご来場下さい。
□学割指定席について:大学生、専門学生、18歳以上社会人の方は対象外となります。
対象外の方のご入場は固くお断り致します。尚、誤ってご購入された方への払戻等はお受け致しません。十分ご注意くださいませ。 
□特別席の販売はOFFICIAL HP先行のみでの取扱を予定しております。
一般発売日:2014年1月18日(土) 10:00 


◆チケット詳細&購入ページ
◆凛として時雨 オフィシャルサイト
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