【インタビュー】SCANDAL、『戦国BASARA4』エンディングテーマ「Runners high」完成「夢はどこまでも無限に」

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■何かを目指したときってゴール地点をイメージしてる
■でも、そこに辿り着いてからの未来のほうが実は長い

──さて、2014年はスプリットシングル「Runners high」で本格始動ですね。

RINA:はい。この曲はもともとアルバム『STANDARD』を作っていた頃にできた曲で、アルバムに入れようと思っていたんですよ。ちょうどその頃に、『戦国BASARA4』のお話をいただいたので、クールでカッコいい曲調がゲームにも合いそうだなと。で、聴いてもらったら「いいですね」って言ってもらえたんです。

HARUNA:歌詞を書いてたときはちょうど、大阪城ホール公演が目前に控えていて。“夢がもうすぐ叶うんだ”と思ったら、逆にいろんなことが不安に感じてきたころで。叶ったその先はどうなるんだろうって思ってしまったんですね。他にも自分の中に不安要素があったりして、1人でもがいていた時期でした。なんとか自分を奮い立たせたいと思って書いた歌詞です。

──“ゴールテープでスタートラインさ♪”という歌詞は、大阪城ホール公演をイメージしてた?

HARUNA:それもありますし、他にもいろいろ重なっています。何かを目指して物事を始めたときって、ゴール地点をイメージしてると思うんです。でも、そこに辿り着いてからの未来のほうが実は長かったりする。そうやってずっと夢が続いていったらいいなと思うし、走り続けていたいなと思いながら書きましたね。書き始めてからはすんなりいったんですけど、書こうと思えるまでが長くて、ちょっとそういう意味では苦労しました。そもそも、曲調がすごく気に入って歌詞を書きたいと思ったので、完成したものを『戦国BASARA』の方々にもいいと言ってもらえて嬉しかったです。

──『戦国BASARA』を意識せずとも、その世界観に近い歌詞に仕上がってますよね。

HARUNA:でも実は最初、ちょっと迷ったんですよ、ゲームの世界観に寄せた言葉を入れたほうがいいのかなって。けど、改めて聴き返してみたら、それは違うなって気がしたし、重なる部分はあるなと思ったので、「そのままでいきたいです」と伝えました。頂点だと思っていたところに立ってみるとまた新しい景色が見えて、実はすごくその景色が広くて大きかったりする。自分たちが夢を叶えたときに見えた景色は、本当に広くて、どこまでも無限に広がっているように感じました。まだまだいろんなところにいけると思ったし、充実感や達成感だけじゃないワクワク感がすごくあったので、いろんな人にそれを感じてもらえたらいいなと思いますね。

──では、サウンド面でのこだわりや工夫について教えてください。

RINA:今回は4人バラバラに録っていったんですけど、ドラムに関してはアレンジャーさんの意思がすごく明確にあって。それこそ1ミリ単位(笑)、1音単位まで詰めていたので、私もそこにこだわって叩きました。この曲が今のSCANDALにすごく似合ってると思うし、個人的にも好きだから、どんなフレーズであっても受けて立とうと(笑)。そんな気持ちで叩きましたね。

──フレーズが固まっている状態でレコーディングに臨んだと。

RINA:はい。いつもは自分なりにフレーズを考えることが多いので、今回みたいなパターンは珍しかったです。はっきりとゴールが見えてるなら、それを完璧に叩くこともカッコいい曲を作る一つの方法だなと思ってチャレンジしました。音色もフレーズもグルーヴも事細かに話し合いながら、マンツーマンで作っていった感じ。音作りには特に時間をかけましたね。いつもはライヴでの再現性を考えたり、自分の好きな音にしがちですけど、今回は「もうちょっと低く」とか「サスティーンは短めに」とか、本当に細かく、今までで一番細部まで決めていきました。

──細か過ぎて途中で放り出したくならなかった?

RINA:ははは。そうは思わなかったけど、アレンジャーの方がドラマーじゃなかったので、無茶なリクエストもあったりして(笑)、難しいなと思うことも。そこは「こっちのほうが自然だと思います」とかアイデアを出しながら、ベストを探っていきました。ドラマーじゃないからこそ、新しさも感じられたし、いい刺激になりましたね。

TOMOMI:実はベースに関しても、フレーズまできっちり作り込んだ状態でした。普段は手グセで弾いてる部分もあるんですけど、今回は細部に至るまでの指示に応えながら、音色もフレーズもデモ通りに弾いたんです。メロディアスなフレーズが多かったので、自分ではあまり弾かないような感じもあって、そこが楽しかったし、勉強になりましたね。

──TOMOMIさんのボーカルパートはいかがでした?

TOMOMI:私は歌詞カードでいうとカタカナのパートを歌ってるんですが、歌もカタカナっぽくというかロボットっぽい感じで歌おうと思って、顔の筋肉をできるだけ動かさずに歌いました(笑)。表情を付けて歌ってしまうと、歌に感情が乗ってしまうので、できるだけ無表情で硬直させたまま歌ったのがこだわりですね(笑)。

MAMI:ドラム→ベースときて、ご想像通りギターもかなりかっちり決め込んでありました(笑)。ただ、そのおかげでバンドサウンドがタイトになったのがすごく良かったなと。いつもは自由に弾いていることも多くて、荒々しいフレーズでもOKテイクになったりするんですね。でも、今回は3人のフレーズやグルーヴがかっちり合ってる心地よさがあるなと。

──ソリッドだなと。

MAMI:うん、そうなんです。一見ジャカジャカ弾いてるように聴こえたとしても、すごくカッティングを駆使して、あえてそう聴こえるようにしていたり。そういう細かいフレーズもあるので、耳を澄まして聴いてほしいなと思います。

HARUNA:そうだね。私も3人と同じようにきっちり、かっちりで(笑)。3人ともいつもより録るのに時間がかかってたので、“うわ、アレンジャーさん、めっちゃ厳しいんだな”って自分のレコーディング前は恐れてましたよ(笑)。で、やはり細かいところまで厳しかったですね。手グセがどうしても勝っちゃうから、録ってる途中で「HARUNAは性格がものすごくロックだね」って言われたり(苦笑)。そう言われて、全然言うこと聞いてなかったんだろうなって改めて思いました(笑)。

RINA:HARUNAのパートは4人の中でも、いつも一番荒々しく弾いてるパートだったりするから。でもそれはわざとなんですよ。

HARUNA:“性格”のお陰で“正確”に弾くのが難しかったですね(笑)。最終的には自分なりに着地点に持って行けたので、すごくいい学びになりました。

RINA:ライブではまた全然違ったものになると思うので、楽しみですね。一度タイトにしたから、そこから崩していっても面白いと思うし。

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