【インタビュー】doa、8thアルバム『WANTED』にさりげなく10年分の感謝「人の世というものは必ず誰かが誰かを求めている」

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■自分がなにかを作ったというような充実感ではなくて、感謝の気持ちが強い
■『WANTED』はみなさんのものになってほしいという気持ちでいっぱいです

──話を『WANTED』に戻しますが、ベースやギターといった楽器のプレイ面についてはいかがでした?

徳永:ベースに関しては、今回はライブ映えする疾走感のある曲が多いので、シンプルなルート弾きも、よく聴くと単純に8ビートを刻んでるだけではないですね。たとえば、「GIMME FIVE」は、頭のほうはすごくタイトな8ビートを刻んでいるけど、タイミングを後ろに弾かないと、ああいう風には聴こえない。要はグルーヴですよね。今回はいつも以上にグルーヴに気を配りました。あとは、僕らは歌のバンドなので、歌の邪魔をしないベースに徹しつつ、ここぞというところにフィルを入れたり。「GIMME FIVE」では、サビ・パートで急にベース・ラインを少し変えたりとか。ちょっとしたことだけど、それで曲の印象や見えてくる景色が変わるんですよね。

──ベースは低い音域の楽器で目立たなく感じますけど、実は楽曲の中ですごく重要な役割を果たしていますよね。ギターも弾かれましたか?

徳永:弾きました。それに今回は「WANTED」と「Rock’n’Roll Life」でペダル・スティールも弾いています。すごく難しい楽器だけど、ペダル・スティールが鳴ると世界観が一気に太平洋を渡るから、どうしてもアルバムで使いたいなと。購入したペダル・スティールで楽しみながら練習を重ねて、自分でレコーディングできるクオリティまでもっていきました。

──マンドリンは?

徳永:「Something」と「Rock’n’Roll Life」「I’ll Take You Anywhere」で弾いています。最近の洋楽には、よくマンドリンが入っているんですよ。テイラー・スウィフトの来日公演を観に行ったら、マンドリン弾きがいて。しかも、それがちゃんとバンドの中で機能して、伴奏がマンドリンだけのパートがあったりするくらい重要な役割を果たしているんですよ。それをきっかけに、ブルーグラスのライブへ行ったときに弾き方だったり、バンド内での役割をチェックして。それを自分なりに置き換えて、doaに採り入れました。マンドリンも民族楽器ならではの力を持っていて、楽曲の中で鳴ると世界観が深まるんですよね。匂いというのは、すごく大事だから。

──ペダル・スティールもマンドリンもハッとさせられました。アルバムを作るにあたって10周年ということは意識されなかったようですが、『WANTED』は10周年イヤーの幕開けを飾るにふさわしい作品になりましたね。

徳永:ありがとうございます(笑)。『WANTED』に関しては、自分がなにかを作ったというような充実感ではなくて、感謝の気持ちが強いですね。メンバーもそうだけど、自分の周りにいる人や、それこそファンの人達が作らせてくれたものなので。僕らのものではなくなってみなさんのものになるというか、なってほしいという気持ちでいっぱいです。

──必ずそうなると思います。『WANTED』のジャケット写真に込めた想いなども話していただけますか。

徳永:写真のテーマとしては、いつもどおりです(笑)。僕らは自分達の音が匂うジャケットにしたいということを常々話していて、今回も広大さを感じさせる広い空や地平線をフィーチャーした写真にしました。撮影は台風が来ている日だったんですよ。スケジュール的にその日しかないということで、ピンポイントで千葉の牧場へ。

──えっ? 日本で撮ったんですか?

徳永:そう、千葉です(笑)。日本っぽくないですよね。僕らは毎回そうなんですよ。前回は富士山の麓でアメリカっぽく撮ったしね。話を戻しますけど、撮影日は台風が来ていて、もう大雨どころか、みんな帰れないかもしれないくらいの話になって。牧場も池みたいになってるような状況だったけど、奇跡的に3~4分だけピタッと雨が止んだんです。台風はまだ頭の上にいるという状況で、「今、今、今!!」って撮ったのがジャケットの写真(笑)。だから、雲とか色合いも合成じゃなくて、本当の空なんです。“WANTED”という言葉には“お尋ね者”というイメージもあるから、そういう強さも持ったジャケットになって良かったと思います。

──doaの運の強さを感じます。『WANTED』リリース後、2月から3月にかけて行なわれるツアーも楽しみです。

徳永:2013年は夏にアコースティック・ツアーをして、その後の僕のソロ・ツアーはアンプラグドだったので、アコースティック・スタイルが多かったんですね。今回はバンド形態でガッツリいくということで、アコースティックのときと違ってスタンディング・ライブになります。楽しみにしていてほしいし、僕ら自身もすごく楽しみにしています。

取材・文◎村上孝之

■アルバム『WANTED』
2014年1月22日発売
GZCA-5260 ¥2913+税
1. GIMME FIVE
2. Something
3. テキサスホールデム
4. 誰よりも近くにいるのに
5. Bring Me Back My Freedom
6. WANTED
7. TO BE FREE
8. Rock'n Roll Life
9. コンビニマドンナ
10. クライマー
11. I'll Take You Anywhere
12. 連絡はナッシング

■<doa LIVE Tour 2014 -WANTED->
2月8日(土) 愛知/ Electric Lady Land
OPEN 16:30/START 17:00
2月15日(土) 福岡/ DRUM Be-1
OPEN 16:30/START 17:00
2月22日(土) 大阪/ umeda AKASO
OPEN 16:30/START 17:00
2月28日(金) 宮城/ MACANA
OPEN 18:00/START 18:30
3月2日(日) 東京/日本橋三井ホール
OPEN 16:15/START 17:00


◆doa オフィシャルサイト

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