【ライブレポート】√5、1年ぶり全国ツアー福岡公演。5人が見つけた“秘宝”とは?

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2013年11月に発売された、“海賊”“宝物”をコンセプトにした最新シングル「Love Tresure」を引っさげた、1年ぶりとなる全国ツアー<√5 -ROOT FIVE-“Love Treasure”TOUR 2014 -STORY SIDE->。1月24日のZepp nagoyaを皮きりにスタートしたこのツアー、開始前から“STORYLIVE SIDE”というツアー・サブタイトルが非常に気になっていたのだが……ツアー2公演目。1月29日の福岡国際会議場公演を観て納得。なぜなら、2013年のアルバム『ROOT FIVE』を引っさげた歌とダンスを主軸にした、シンプルかつギミックなしのライブから一転。ステージセットから演目まで、細部まで考えぬかれた“壮大な歌劇”とでも言うべきコンセプチュアルなライブを見せつけてくれたからだ。

◆<√5 -ROOT FIVE-“Love Treasure”TOUR 2014 -STORY SIDE->画像

開演時刻。客席が暗転すると波の音と共に、ステージを覆う紗幕に古い映画の一片のように、編集された実写版「Love Tresure」のMVが──。

「愛の秘宝を見つけ出すのは」
「絶対僕だ」

歌詞のフレーズでもある文字がクローズアップされた後、蛇足、ぽこた、みーちゃん、けったろ、koma'nの順にメンバー紹介の映像が流れると、客席からは割れんばりの歓声が沸き起こる。そしてそのまま、1曲目のイントロが始まり、幕が開くと……目に飛び込んできたのは、ステージいっぱいの大きな海賊船! そして、その船の上で歌う5人の姿!!(しかも、新衣装) 日本武道館やアリーナクラスのアーティストのライブでも、ここまで作りこんだステージセットをお見かけすることが少なくなった近年。√5のライブツアーでこんなにすごいモノを観れるとは、正直、思ってもみなかった。マスト&帆もある。大砲口もある。甲板は階段付きで3段。さらには酒樽なんかも置いてあって、かなり本格的に海賊船を再現したステージセットだ。そんな豪華な舞台に負けず劣らず、koma'nの「来たぜ、福岡~!」のテンション高い叫び声から1曲目を駆け抜けた5人。ぽこたも「ぶちかましていこうかっ!」とのっけから熱い。当然、客席も、推しメンカラーの5色のサイリウム全開だった。

あっという間に2曲を終えて、最初のMC。リーダーのkoma'nから順に軽い挨拶をすませると、けったろがこのツアーのコンセプトを説明する。

けったろ「『Love Tresure』っていう曲をコンセプトにしたこのツアーなんですけどもね。大切なものは何かというのを、僕らもこのツアーのなかで探していきたいと思うんだけども、みなさんもね。何かをこう残して……」

ぽこた「残すのかいっ!?」

けったろ「えっと、見つけてね!(笑) 帰ってくれれば。」

koma'n「そんな感じで~す(笑)」

大事なセリフを噛んでしまうのも(笑)、“ツアー前半戦ならでは”な緊張ゆえのご愛嬌。しかし、メンバーの絶妙な突っ込みでステージと客席を和やかな空気で繋ぐことができたのは、デビューから3年目に突入したたくましさならではのワザ。

ライブ前半は、大航海のスタート、船がぐんぐんと大海原を進んで行くかのごとく、疾走感満点な楽曲や、アッパーチューンで観客を盛り上げる。中盤に差し掛かると、ラウドさや激しさが印象的なみーちゃんソロ曲やけったろソロ曲も。航海中に嵐に遭遇したか、はたまた敵船と戦闘になったのか── なんて想像をかきたてられるシーンだった。まだまだツアーは続くので、詳しいセットリスト(曲名)は書けないけれど、そのほかにも、長旅の途中、恋いに落ち、愛を告白。けれど愛しい人を亡くし、その想いにすがる……なんてストーリーを思わず妄想してしまうセットリストが続いた。

もしも、2013年のツアーを観ただけで「満足!」と思っている人がいたとしたら、どうしても伝えたい。まったくの別モノなので、今回のツアーも観るべき! 曲順が違うだけで、また、ステージセットや小道具と5人の歌があわさることで、こんなにも聴こえかたや見えかたが変わるものかと、興奮にも似た驚きを感じていただけるはずだ。

ライブ後半は、「Love Tresure」のアーティスト写真の衣装に着替えて、“未知なる秘宝”への期待や希望を感じさせる楽曲を、観客と手拍子のコール&レスポンスを交えながら笑顔いっぱいに繰り広げた。さらに、“秘宝目前の大宴”とばかりにステージも客席もジャンプと拳でひとつになってハジケると、いよいよ本編ラストの曲に。果たして、5人が見つけた“秘宝”とは──? 筆者の個人的な感想では、メンバーとファンの“温かで確かな絆”こそが、彼らが長い航海の末に見つけた“秘宝”なんじゃないかと思っているが……その答えは、ぜひとも残りの5公演で、アナタ自身の目で確かめてみてほしい。ちなみに、本編ラスト曲を歌う前に、ぽこた、けったろ、koma'nは、感慨深そうにこんなことを語っていた。

ぽこた「『Love Tresure』を出すときに、みんなでコンセプトの話し合いをしたわけですよ。それがまさかね。ここまで実現するとは思ってなかったよな?」

けったろ「うん。それくらい、思い入れが強くある曲だから、そういう想いがみんなとシンクロしてくれたらいいいなと。」

koma'n「この船に乗って、またどこかでみんなの“笑顔”という宝物に出会えたらいいなと思います!」

2月19日には、グループ結成前の秘蔵インタビューから2013年11月の台湾ライブの秘蔵映像など、ここでしか観られない未公開映像を多数収録したオフショットDVD『ギュッと、√5。 -ROOT FIVE OFFSHOT side-』をリリース。さらに、この夜、3月19日にミュージックビデオ集DVD『√5 -ROOT FIVE- Music Video Collection 2011~2013[SEASON I]』をリリースすることを発表し、会場を歓喜の悲鳴で沸せた5人。“ニコニコ動画”という動画投稿サイトから飛び出した、まったく新種のアーティストが開拓していく“音楽シーン”から、この先も当分、目が離せそうにない。

text by 松本典子


【√5 -ROOT FIVE- "Love Treasure" TOUR 2014 -STORYLIVE SIDE-】
1月24日(金)Zepp nagoya
1月29日(水)福岡国際会議場
2月 4日(火)なんばHatch
2月5日(水)なんばHatch ※追加公演
2月11日(火/祝)仙台イズミティ21
2月13日(木)品川ステラボール
2月14日(金)品川ステラボール ※ 追加公演


◆BARKSライブレポート
◆√5 オフィシャルサイト
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