【ライヴレポート】geek sleep sheep、初ツアーファイナルに「続くという気持ち」で新曲披露

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2013年12月に発表された1stアルバム『nightporter』を携え、MO'SOME TONEBENDERのkazuhiro momo(Vo & Gu)、凛として時雨の345(Vo & Ba)、L'Arc~en~Cielのyukihiro(Dr)からなるgeek sleep sheepが、初の東名阪ツアー<tour confusion bedroom>を開催した。盛況だった大阪、名古屋を経て、ファイナルは1月29日、EX THEATER ROPPONGIの東京公演となる。

■geek sleep sheep 拡大画像

2013年11月にオープンしたばかりのまだ真っさらなライヴハウスには、大勢のオーディエンスが詰めかけた。定刻通り19時30分に場内が暗転すると、フロアの興奮は最初のピークに達する。大歓声を浴びて登場したyukihiro、momo、345の3人は“Good Dream”(シングル「hitsuji」収録)をアグレッシヴに掻き鳴らして、徐々に、しかし鮮やかな上昇曲線を描いて場内のバイオリズムを高めていく。アウトロでは激しく明滅するフラッシュライトとともに3人が火花を散らすようなセッションを展開。最高潮にまでヴォルテ―ジが高まったところでmomoがシャウトした。

「Welcome! We are geek sleep sheep!」

そのまま『nightporter』のオープニングを飾る「Weekend Parade」へなだれ込めば、瞬く間に幻想的かつドリーミーな世界が広がる。躍動的なバンド・アンサンブル、活き活きとしたmomoと345のハーモニーに誰もが酔いしれるなか、再びmomoの「Everybody、Twist and Shout!」というシャウトに続けて、「SANPO」へ。サビでは盛大なハンドクラップも沸き起こってパーティの熱がさらに上昇した。ストラップが取れてしまうほど激しいギタープレイを見せる実に鮮やかなスタートダッシュだ。

「今夜はツアーファイナルでございます。思う存分、踊って帰ってください!」

最初のMCでは、momoがフランクに呼びかけ、続く「frame」、「Teardrop」、「magica」のフェーズではアッパーに畳み掛けた序盤から一転、BPMを抑えた三位一体のアンサンブルで、水彩画のように淡くアンニュイな情景をバンドサウンドが描き出す。そこから喚起される濃密なイメージにオーディエンスはじっくりと耽溺した。ここにきて演奏の芯というべきものが明らかに太くタイトになっていて、バンドとしての画力が格段に高まっていることを感じさせる。とりわけ345のヴォーカルがぐっと逞しく、伸びやかに響いていたことが印象的だった。

「そろそろ345ちゃん、しゃべる?」とmomoに水を向けられ、中盤には345もMC。「こんばんは……。みなさん、今日は忙しいなかありがとうございます」と、か細くも精一杯の言葉に温かい拍手が送られた。

「洋楽のカバーをここからやりたいと思います!」とmomoが続け、もはやワンマンの恒例となったカバータイムに突入。激しいドラミングとディストーション・ギターが渦巻き、最初に鳴らされたのは3人が敬愛するThe Smashing Pumpkinsの「ZERO」だ。そうすることが最大限のリスペクトであるように原曲に忠実なアレンジで畳み掛け、続けて2013年12月24日の<confusion bedroom vol.2>@LIQUIDROOM ebisuでも初披露されたDaizy chainsawの「LOVE YOUR MONEY」でフロアを波打たせる。さらにgeek sleep sheep始動初期からのレパートリーであるMy Bloody Valentineの「When you sleep」もプレイした。聴く者を酩酊させるような心地よい轟音とハーモニーが共鳴し、高揚感に満ちた甘美なクライマックスを立ち上げた。

「じゃあ次は……新曲をやります。まだまだこれからもこのバンドは続くぞ、という気持ちを込めて」──momo

この夜、いちばんのハイライトと言えるのが後半戦に差し掛かった頃の、このワンシーンだった。待望のニューソングが本邦初披露されたのだ。鳴らされた新曲「Kakurenbo」は、yukihiroが作曲、momoが作詞、メインヴォーカルを345がとるという、これまでになかったプロダクションだ。曲調も晴れやかなミドルテンポの新感触ナンバーは、“何度も~♪”と即座に合唱できるくらい、とにかくサビのメロディがキャッチーかつ印象的だった。この前日の夕方に歌詞を書き上げ、この日のリハーサルで初めて歌ったという、文字どおり出来たてほやほやのナンバーは、MCで345が「プレッシャーで胃に穴が開きかけた」と語ったほど(笑)。しかし、ファンにとっては何よりプレシャスなプレゼントとなったことだろう。

「ここからは、みんなが大好きな“ジャパネット345”のコーナーです!」──momo

自身が監修したキュートな羊のウォールステッカー、イヤーマフなど、グッズの数々を345がアピールした後、「終盤になってきたので、こっからまた気合い入れていきたいと思います!」とmomoが呼びかけ、「IMAGINATION」、「Jesus wa gokigen naname」と再び意気軒昂にスパートした。後者のダイナミズム溢れるyukihiroのドラミングを筆頭に、3人が目も眩むような爆音を掻き鳴らしたアウトロは圧巻だった。

「詳細はまだ言えないんですけど、5月にまた東京でライヴをやります!」──momo

この嬉しいアナウンスを挟んで、いよいよライヴも終盤戦へ。オーディエンスとの再会を誓うように「Daydream」を力強く響かせ、続く「hitsuji」ではステージバックにいくつものネオンが瞬いて、満天の星空が出現した。このバンドの真骨頂といえるうっとりするほど切なくも眩いロマンチシズムを描いて、記念すべき初ツアーは大団円を迎えた。3人は割れんばかりの歓声に手を振って、満面の笑みでステージを後にした。

2012年の始動から1stアルバム『nightporter』の発表、そしてこのツアーまでをバンド第一期として、その成果と集大成を存分に響かせ、またこの先のネクストも垣間見せたgeek sleep sheep。バンドとしての強度と結束を増した3人の今後に注目したい。

撮影◎岡田貴之

■東名阪ツアー<tour confusion bedroom>
2014年1月29日@EX THEATER ROPPONGIセットリスト
01. Good Dream
02. Weekend Parade
03. SANPO
04. SINCE YESTERDAY(Strawberry Switchbladeカバー)
05. Last Scene
06. frame
07. Teardrop
08. magica09. ZERO(The Smashing Pumpkinsカバー)
10. LOVE YOUR MONEY(Daisy Chainsawカバー)
11. WHEN YOU SLEEP(My Bloody Valentineカバー)
12. kakurenbo(新曲)
13. GOHAN
14. IMAGINATION
15. Jesus wa gokigen naname
16. Strange Circus
17. Daydream
18. hitsuji


■メジャーデビューアルバム『nightporter』
2013年12月11日(水)発売
TYCT-60022 ¥3,059(税込)
1.Weekend Parade
2.hitsuji
3.GOHAN
4.Jesus wa gokigen naname
5.SANPO
6.Teardrop
7.frame
8.Last Scene
9.Strange Circus
10.IMAGINATION
11.magica
12.Daydream


◆geek sleep sheepオフィシャルサイト
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