【インタビュー】LM.C「この現実の世界こそがいちばんのファンタジーだと思う」

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メロディメーカーとしても高い評価を得ているLM.Cの移籍第1弾アルバム『PERFECT FANTASY』が完成した。結成7年というヒストリーの中でLM.Cブランドは確立したという彼らがこのめまぐるしい世界の中で生み出したのは、甘酸っぱくて切なくて最後には心の中に虹がかかるようなファンタジーワールド! 積み重ねてきた大切な日々を経てmayaとAijiが楽曲に落としこみたかったものとは? 制作エピソードをふくめてアルバムへの想いをじっくり語ってもらった。

◆LM.C『PERFECT FANTASY』拡大画像

■今までのLM.Cとは違う新しい匂いのアルバムを作りたかった(Aiji)

──LM.Cはニューアルバム『PERFECT FANTASY』で新たな章に突入したと感じました。心境の変化も反映されているのかもしれないと思ったんですが、そのあたりはどうでしょう?

maya:今回のアルバムの制作に入ったのって、1年半ぐらい前のことなんです。その流れの中で2012年にリリースした「DOUBLE DRAGON」や2013 年の最新シングル「My Favorite Monster」をレコーディングしていたので、じっくり時間をかけて自然に生まれてきた曲たちが収録されているんですね。ここ最近はリリースが決まった上で制作していたことが多かったけど、今回はLM.Cが活動を開始する前の準備期間に似た作り方でしたね。そういうスタイルにしたいと思ったのも心境の変化かもしれない。

──締め切りに追われて作った曲じゃないんですね?

Aiji:そうですね。そこは今までと大きく違う部分ですね。今回、今までのLM.Cとはまた違う新しい匂いの作品を作りたかったんですよ。なぜかというと、前回のアルバム『STRONG POP』を作ってLM.Cのブランディングはできたなと思ったんです。今までさまざまなジャンルの音楽にアプローチしてきたけど、もう何やってもLM.Cになるなって。

──LM.Cブランドは確立したから、次に行こうって?


▲初回限定盤

▲通常盤
Aiji:そこでさらに幅を広げていくのもアリですけど、もっとある部分に特化したというか、匂いが統一されているアルバムを作ってみてもいいんじゃないかと思ったんですよね。

──特化したというのはサウンドの部分ですか?

Aiji:例えば、今までのLM.Cはリズムが打ち込みの曲と生ドラムの曲が半々ぐらいのバランスだったけど、今回、ほとんどが打ち込みっていうのはひとつ大きな違いですね。基本的には歌って踊れたり、歌って暴れられたりする楽曲を作りたかったんですよ。「My Favorite Monster」や「Chameleon Dance」のようにEDM色の強い踊れるナンバーがあったり、「DOUBLE DRAGON」のようにストレートなロックなんだけど、歌えて騒げる曲があったりとか。頭のどこかでライヴを意識していたのかもしれないですけど“歌って○○できる”っていうベクトルに行きたかったのかもしれないですね。

──なるほど。ほかにアルバムを完成させていくに当たって、2人で話したことはありますか?

Aiji:今回、早い段階でmayaから『PERFECT FANTASY』っていうタイトルが出てきていたので、そこはサウンド面には影響を与えていると思いますね。1曲目のインスト「Neo Fantasia」はタイトルからインスパイアされて書いた曲だし。

maya:タイトルを発表したのが約1年前のことで……。

Aiji:発表って俺に言っただけでしょ?(笑)。デビュー前によく2人で会ってたカフェに久しぶりに行って。

maya:長時間にわたって曲の話をしてたんですよ。そのときに「次のタイトル、これですかね?」って。

Aiji:もっと勝手に決めてた感じでしたよ(笑)。俺も食いぎみで「それ、いいんじゃない?」って。

maya:なんか自分の中で“FANTASY”っていう言葉がひっかかってたんですよ。「DOUBLE DRAGON」にも“積み重ねる最高のFantasy”っていうフレーズが出てくるんだけど、最新のLM.Cを表しているキャッチーな言葉だなって。

■今回の歌詞は誰かに向けてじゃなく、自分に向けて歌っているものが多いかもしれない(maya)

──『PERFECT FANTASY』ってホントにいいタイトルですよね。最初はLM.Cの過去の曲でいうと「The Midnight Museum 4」とか「Bell the CAT」とか「Sentimental PIGgy Romance」みたいにおとぎ話的というかファンタジー感やホラー感がある曲が多いアルバムなのかなと思ったんですけど、空想的な部分がありつつ、現実に置き換えられる歌が多いですよね。いつもみたいに突き抜けたポジティブチューンだけでなく、切ない曲も印象に残るし。

Aiji:まさにそうですね。いつまでもライオンとブタさんの恋について歌っている場合じゃないんで(笑)。

──動物シリーズばかり歌ってる場合じゃないと。

Aiji:だから、いい意味で大人になったんじゃないですかね。洗練されたっていう言い方もできるし、より深化したっていうか……。前以上に登場人物の心の中にフォーカスした歌詞になってると思いますよ。特に「禁じられた宇宙。」という曲は新しいところに来たなって思ったし。

──確かに「禁じられた宇宙。」はタイトルからして気になりました。歌謡なテイストのメロディとデジタルなビートの組み合わせも今までにない温度感だったし。

maya:LM.Cって日本語のタイトルがほとんどないので、この曲は発表したときからファンの反応が高かったですね。歌詞は日本で実際に起こった2つの事件をモチーフにしてるんですけど、テーマ的には「My Favorite Monster」と通じるものがありますね。あの曲では自分の中に潜んでるモンスターのことを歌ってるんですけど、「禁じられた宇宙。」は自分でも把握できてないもう1人の自分みたいな……。だから、人間の多面性みたいな感じなんですかね。

──「Chameleon Dance」も“カメレオン”的な偽りの自分を匂わせる歌詞が出てくるし、多面性はテーマ?

maya:多面性というより、人間模様っていう感じですかね。今回のアルバムでは“対誰か”に歌っているというより“対自分”に歌っている曲が多いかもしれない。

Aiji:LM.Cを7年間やってきた上で自分の内面を掘り下げていったら、そういうところに行ったんですかね。

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