【インタビュー】Cyntia「今までの古き良きCyntiaに新しい要素を取り入れて化学反応で良くなればいいな」

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テレビ朝日系アニメ『聖闘士星矢Ω』(毎週日曜朝6:30)の新主題歌「閃光ストリングス」がスマッシュヒットのガールズバンドCyntia。12月28日にはライヴ音源「レリゴ!レリゴ!レリゴ!」が配信リリースされたばかりだが、早くも3枚目のフルアルバム『Limit Break』が完成した。ギターのYUIとヴォーカルのSAKIがアルバムの全曲を解説する。

◆Cyntia『Limit Break』拡大画像

■自分たちの歌モノロックっていう基軸を守りつつも
■色んなものを取り入れたいと思った


──『Limit Break』は、Cyntia的に新境地のアルバムになりましたね。

SAKI:はい。今までの古き良きCyntia+新しい要素を取り入れたいっていうのは思ってたから、曲を作るときにも新しい要素を組み込むようにして作りました。自分たちは常に新しいものが好きだし、今までの自分たちの歌モノロックっていう基軸を守りつつも、色んなものを取り入れたいと思ったんですね。みんな好きな音楽も違ったりしますし、もっと色んなジャンルとコラボしていきたいじゃないですか。だから例えば、ジャズっぽい要素を取り入れたらどうだろう? とか、色んな物と混ぜて、それが化学反応で良くなればいいなって。自分たちのこれからの布石の一つとして、広げるための一歩だったし、バンドの引き出しを増やすためにも必要な一歩かなって。これからのことを考えたというところが大きいですね。

──「閃光ストリングス」がアルバムの先行シングルとしてリリースされていますが、アニメの主題歌ということで、新境地だったんじゃないですか?

SAKI:この曲は『聖闘士星矢Ω』のために歌詞も曲も書いたんです。星矢のことだけを考えて。自分たちの曲だけど、「聖闘士星矢」の曲っていう感じですね。

──作曲はYUIさんですね。


▲初回限定盤A

▲初回限定盤B

▲通常盤
YUI:はい。もともとメンバーみんな「聖闘士星矢」が大好きなんです。私なら星矢の主題歌といえばMAKE-UPさんの「ペガサス幻想(ファンタジー)」が思い浮かぶんですが、私が思う21世紀版の曲を作りたいと思って、リフ感とかメロディの展開だったりっていうのを考えて。サクサクっとできました。

──この曲から始まるから、アルバムの雰囲気が余計に新境地って感じるんですよね。歌モノ感とかキャッチーさも強いです。あと不思議と恋愛の曲が少ないというか、ほとんどない。

SAKI:なんでですかね(笑)。今回、みんなが持って来てくれた曲が、今までよりもサビメロがキャッチーだったりとかして、恋愛系の歌詞を書いても良かったんですが、もっと前向きにさせられる楽曲がいいなぁって。そもそもライヴ曲って恋愛系の歌詞は似合わないし、書くときにも比率を考えるんです。11曲あって、前向きなものも欲しい、いつもみたいなダークな世界観も欲しい、意味わからない系、コール&レスポンス系っていろいろ分布させていったら、いろいろやりたいから、ちりばめようと思って。そうしたら自然とこうなっていった。

──前作『Lady Made』に収録されていた「睡蓮と蝶」がものすごく記憶に残っていたから、今回もああいうドロドロの恋愛ソングがあるのかなぁと少し期待していたんですよ。でも、聴いたあとスカッと前向きになるアルバムなんですよね。

SAKI:2月リリースですから、冬が終わって、これから春になるって時にドロッとしてもなぁ、入学式、卒業式あるし、いろんな人に聴いてほしいって思ったので、その気持ちがそうさせたのかも(笑)。

──「Ride on time」なんて、まさに卒業、入学式にピッタリ。

SAKI:この曲の私の中でのテーマは「新学期」です。

──わかる!「GeAr.」も「新学期」の続きにはピッタリだし。

YUI:この曲は私が作曲してるんですが、今までにないリフの感じとか、歌モノのメタルでみんなが唄えるメタルって言うからには、リフも唄えたりキャッチーさが大事だと思ったんです。かつ、今までのCyntiaにはないようなシンプルなアレンジをしたかったんです。今まで音数が多かったけど、そこから取って取って、新しい挑戦みたいな意味合いで作りました。

──なるほど。それで、イントロに出て来たリフが全体通して続いていたりするわけですね。

YUI:そうです。シーケンスフレーズみたいに鳴ってますよね。

──「カルマ」は、私のCyntiaのイメージが曲になってる感じでした。

SAKI:あ、そうなんですね(笑)。この曲は「閃光ストリングス」と並行して作っていたんです。実は「聖闘士星矢」の主題歌の候補曲でもあり。みんな自分の中の珠玉の一曲を出してきたので、AYANOとAZUが出してきたものも両方シングルのリードにできる完成度で。だからこのAYANOが作った「カルマ」もストックしておこうか迷ったんです。だけど、アルバムの中でもパンチのある曲として、こんなに曲順最初のほうに収録されていたらビックリするんじゃないかと思って。良い曲だからこそあえてアルバムに入れようと思ったんです。

──「plant」はピアノだけのイントロではじまるシンプルなバラードですけど、これは本当に新境地。

SAKI:ここまでシンプルなのは初めてです。Cyntiaは音数が多かったり、一個の音の発音が短くて言葉が詰まってる曲が多いんですが、この曲は1音が長いのでどう唄えばいいのか悩みました。歌入れも時間がかかったんですよ。このアルバムではそういうことも挑戦できたので。

──ピアノ曲だけど、作ってるのはAZUさんですよね。

SAKI:AZUはピアノも弾けるから、こういう曲も作れるんです。レコーディングの時、AYANOはグランドピアノを弾いたんです。もう一曲のバラード曲「シオン」はいかにキーボードで生ピアノの音に徹した曲らしいんですけど、「plant」はグランドピアノの本当の生のピアノの音の質感を出すことにこだわってました。

──「Night Flight」はライヴ曲っぽいですね。

SAKI:この曲は曲順を考えるときにメンバー間で意見が分かれたんです。前半に入れるかどうかで。この曲もリード曲に成りうると思ったから、3曲目までの間に入れたほうが良いんじゃないかと。ただ、アルバムを聴き始めて落ち着き始めた6曲目とかにボンッていう起爆剤にした方が良いねってことになって、あえて折り返し地点に織り込むことになりました。

──ここから濃くなっていくから爆発できる曲は重要ですもんね。メタル感も増しますし。「エレウテリア」は小惑星のことですか?

SAKI:いえ、古代ギリシャ語で「自由」っていう意味なんです。Cyntiaっていうバンド名も、アルテミスの別名キュンティアの英語読みの「シンシア」からとってるので、ギリシャ方面の勉強をしていて(笑)。いろいろ読んでたら「エレウテリア」という言葉が出て来たんですよ。きっと、このタイトルはみんな噛むなと(笑)。自分も曲振りで噛みそうですけど。ライヴ曲想定で作ってもらったんですけど、ライヴって非日常の自由な空間だと思うから、自由という意味の単語にしたんです。

YUI:私の勝手なイメージなんですが、リズムインしてからのああいう形のリフって、ライヴとかで盛り上がったり、弾いててもウキウキするんです。ちょっと南国チックな感じがしない?

SAKI:桃源郷的なね(笑)。

──歌詞にもユートピアって出てくるしね。

SAKI:YUIさんは、基本的に私に任せてくれるんですけど、「どんな歌詞付けて欲しい?」って聞いたら、「この曲は桃源郷みたいなイメージだよ」って返事が来たから、じゃあ、ユートピアって入れちゃおう!と。

YUI:「睡蓮と蝶」のときに「昼ドラみたいなイメージ」って言われて歌詞を見たら、「なんかあったのかな?」って思ったんですよ。で、今回は「ドM」とか「メス猫」とか出て来て、やっぱりお任せして良かったって思いましたね。

SAKI:私も振り切って書いちゃったから、レコーディングの前に、YUIさんに「大丈夫?」って見せたら、「ウン!大好き!」って。

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