スクエアプッシャーの未知領域、78本のフィンガリングと22個のドラム

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鬼才スクエアプッシャーの最新作『Music for Robots』が4月5日(土)にリリースされる。

◆スクエアプッシャー 画像、PV映像

『MUSIC FOR ROBOTS』は、ロボット・バンドZ-MACHINEとのコラボレーションによって生み出された作品だ。

2013年夏、人間の身体能力の限界を超えた高度な音楽パフォーマンスの実現を目指し、3体のロボットで構成されたバンドとしてZ-MACHINESは生を受けた。そして、Z-MACHINESプロジェクトの音楽プロデューサーを務める松尾謙二郎からプロジェクトへの参加を要請されたスクエアプッシャーことトム・ジェンキンソンは、78本の指でギターを弾くギタリストと22個のドラムを叩くドラマーの生演奏が持つ未開の可能性に強く惹かれ、参加を快諾。“エモーショナルなマシーンミュージック”という未知の領域を切り開く楽曲として、スクエアプッシャーが作曲し、Z-MACHINESによって演奏されるという形で「Sad Robot Goes Funny」が発表された。

その衝撃的なパフォーマンスは、2013年7月の<FREEDOMMUNE 0「ZERO」ONE THOUSAND 2013>で披露され、アジア最大の広告祭<Spikes Asia>ではDIRECT部門金賞を受賞、<第17回文化庁メディア芸術祭>では審査委員会推薦作品のエンターテイメント部門に選出されるなど各方面から絶賛が巻き起こった。しかし、スクエアプッシャーと日本の開発チームはさらなる可能性を追求し続け、今度はスクエアプッシャーからの働きかけでコラボレーションの継続が決定、その後1か月の間に新たに4曲が書き下ろされデータのやり取りやレコーディングなどを経て今作『Music for Robots』が完成したというものだ。

「このプロジェクトを通して、私が追い求めたのは“ロボットは感情に訴える音楽を奏でることができるのか”という疑問に対する答えだ。私は以前から、コンロン・ナンカロウやリゲティ・ジェルジュの自動ピアノ作品を敬愛してきた。馴染み深い楽器が、馴染みのない方法で“操作”される状況に大きな魅力を感じる。未知と既知の遭遇は、常に魅惑的だ。かねてより私は、既存の器楽編成に対して、新鮮なアプローチを取ることの必要性を提唱してきた。同時に、新しい楽器の開発も支持している。例えば、エレクトリック・ギターが使い方によって刺激的な存在になるように、楽器や楽器法を見直すことができるからだ。この音楽で演奏に関与しているロボット型装置は、個々の仕様により、特定の能力を発揮するが、欠落する機能もある。例えば、ギターを演奏するロボットは、どんな人間よりも早いスピードでギターを弾くことが可能だが、振幅の制御ができない。したがって、人間の演奏者向けに音楽を作曲する場合と同様、このような特性を配慮しなければならない。音楽における可能性の範囲とは、それぞれの特性に相応するものである。その結果、今回のプロジェクトでは、馴染み深い楽器が、これまで不可能だった方法で演奏されているのだ」――スクエアプッシャー

Z-MACHINESという“超人的パフォーマー”と、ジャズ/フュージョンに影響された実験的なドラムンベースのスタイルを含め、あらゆる音楽ジャンルを網羅する革新的な作品群を生み出し続けるスクエアプッシャーの共演は、まさしく音楽における可能性と言える新たなる芸術作品だ。アラン・ホールズワースもびっくりのパフォーマンスの応酬だ。


SQUAREPUSHER × Z-MACHINES『Music for Robots』
2014年4月5日(土)発売
国内盤(1CD):BRE-49 \1,500(税抜)
輸入盤(2LP):open価格
1. Remote Amber
2. Sad Robot Goes Funny
3. World Three
4. Dissolver
5. You Endless

◆スクエアプッシャー オフィシャルサイト(海外)
◆スクエアプッシャー 日本レーベルサイト
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