「上を向いて歩こう」が生まれ変わって「Look At The Sky」に

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楽曲「上を向いて歩こう」が、米ビルボード・チャート1位を獲得した1963年の偉業達成から半世紀を経た2014年、オリー・マーズの歌声とオノ・ヨーコによる英語詞を得て「Look At The Sky(ルック・アット・ザ・スカイ)」という新たなスタンダード・ナンバーとして生まれ変わった。その世界初お披露目が、オリー・マーズのジャパン・ツアー初日公演で、オノ・ヨーコの誕生日でもある2月18日に、赤坂ブリッツにて行われた。

◆オリー・マーズ画像

「上を向いて歩こう」のオリジナルは、作詞:永六輔 / 作曲:中村八大により生み出され、坂本九の歌唱により世界中に届いた作品だが、海外では「SUKIYAKI」というタイトルを持ち、それぞれの国の言語による歌詞ではオリジナルとは全く異なる意味となって広く浸透している。しかしながら本来は「悲しみ/孤独」と「その先にある希望」を歌詞に乗せたもの。この本来の姿を世界へ伝えたいという思いから、中村八大の息子である中村力丸が、日本と欧米の文化に最も精通した表現者であるオノ・ヨーコへ英語詞を依頼したことで、「Look At The Sky」が誕生することとなった。

「『上を向いて歩こう』は素晴らしい曲です。この曲のスピリットが、再び世界の人々を励ますことになればと思い英語詞をお引き受けいたしました。私の81歳の誕生日に、初めて披露されると聞いてとてもうれしく思っています。」──オノ・ヨーコ

中村力丸は、この「Look At The Sky」を世界初披露するに相応しいアーティストを約2年にわたり探し続けた。そして2013年11月、渋谷VISIONにて行われたオリー・マーズの初来日公演を見て「“親しみやすさ”と“エンターテイメント性”」をオリーに感じたという。「Look At The Sky」を初めて歌うアーティストとしてオリー・マーズに白羽の矢があたったのだ。

「オリー・マーズのライブを観た時、『オリー・マーズは、国境や文化を超えることのできる“親しみやすさ”と、確固とした“エンターテイメント性”を兼ね備えている』、そして『オリー・マーズなら「上を向いて歩こう」が持つ本質、つまり“悲しみを歌い、孤独を歌い、その先に希望を見出すメッセージ”を表現してくれる』と、感じたのです。」──中村力丸

オリー・マーズは、英オーディションTV番組「Xファクター」出身の歴代アーティストの中で、レオナ・ルイスに次ぐ最多総合セールスを保持するUKポップスターで、本国イギリスではテレビのパーソナリティもこなし、彼の親しみやすいキャラクターも手伝って、「知らない人はいない」ほどの国民的スターでもある。

「今回、オノ・ヨーコさんが英語詞を手がけたこの「Look At The Sky」を、僕が最初に歌わせてもらうことになって、本当に嬉しいよ。オノ・ヨーコさんは僕の母国イギリスともゆかりのある人だから、そんな彼女とこんな風につながることができたなんて心から光栄に思います。日本の皆に愛されているこの曲は、人間が持つ強さだったり、誰もが人生の中で経験するであろう辛い出来事に対してもいつも明日には希望があるっていう、すごくポジティヴなメッセージが込められていて、本当に美しい曲だと思う。今回、オリジナルを反映したメッセージで歌えることをとても誇りに思うし、僕のヴァージョンで、この曲が持つ愛や情熱を皆さんに感じてもらえたら嬉しいです。」──オリー・マーズ

今回のジャパン・ツアーで初披露された「Look At The Sky」は、今後予定されているオリー・マーズのニュー・アルバムに収録される予定だという。

photo by Yoshika Horita

●「上を向いて歩こう」について
アメリカでは「SUKIYAKI」というタイトルで、日本人のみならずアジア圏の楽曲で唯一となる「ビルボードHOT100チャート1位」(1963年6/15付/その後3週連続1位)を記録。米ビルボード・チャートにおいて、英語以外の歌としては1958年のドメニコ・モドゥーニョ「ボラーレ」(イタリア語)以来史上2曲目の1位であり、アジア圏歌手による米ビルボード・チャート1位制覇は、現在においても「上を向いて歩こう」のみ。ちなみにアジア圏歌手としての第2位は、韓国出身のPSYによる「Gangnam Style」だ。また、同誌の1963年度年間ランキングで第10位にランクイン/シングルレコード年間チャートで4位にランクイン。このほか世界約70ヵ国で発売され、総売り上げは1000万枚以上と言われている。
坂本九のオリジナル以外にカバー・バージョンとしても2度、米ビルボード・チャートのトップテン内にランクインしている(1981年にA Taste Of Honeyによる「SUKIYAKI」が米ビルボードHOT100チャートにて最高3位/1994年に4P.M.による「SUKIYAKI」が米ビルボードHOT100チャート最高8位)。
その他「上を向いて歩こう」を今までカバーしたアーティスト(抜粋/順不同/敬称略):<日本>美空ひばり、RCサクセション、桑田佳祐、長渕剛、平井堅、徳永英明、宇多田ヒカル、など。<海外>ザ・ベンチャーズ、ビリー・ジョエル、ボブ・ディラン、KISS、メアリー・J.ブライジ、イ・ビョンホン、など。
1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災において、被災者の方々により自然発生的に歌われはじめ、多くの日本人にとって「希望の歌」として親しまれる。2011年に公開されたスタジオジブリ製作のアニメ映画「コクリコ坂から」の劇中にも、坂本九のオリジナルが流れた。
「上を向いて歩こう」が世界へ知られるきっかけとなったのは、イギリスのケニー・ボール楽団によるカバー(インスト/1963年に全英チャート10位にランクイン)。そして今回の「Look At The Sky」も、イギリス人であるオリー・マーズが世界へ向けて初披露を行った。2013年1月には、イギリスBBC電子版で「世界を変えた20曲」に選ばれている。

オリー・マーズ『ライト・プレイス・ライト・タイム』
通常盤EICP1597 \2,200+税
日本盤特典:日本オリジナル・ジャケット
※UKチャート1位に輝いた歴代ヒットナンバー3曲追加収録
来日記念スペシャル・エディション(CD+DVD)【完全生産限定盤】EICP1600-1601 \3,800+税
※通常盤に収録されているボーナス・トラック3曲に加え、海外デラックス・エディション/スペシャル・エディションに収録されていたオリジナル曲を6曲追加収録(計21曲)した、日本独自盤。2013年3月に行われたイギリスO2アリーナでのライヴ映像(約100分/字幕付き)DVD同梱


◆オリー・マーズ・オフィシャルサイト
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