cakewalk presents What's SONAR? Vol.6 一歩進んだコンプレッサー・テクニック!

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Cakewalk SONAR X2 PRODUCERを使いこなすために、各回ごとに1つのテーマにフォーカスしてSONAR X2ならではの使いこなし術を紹介していく「What’s SONAR?」。今回はコンプレッサーの応用的な使い方をピックアップしてみました。

ご存じの通り、コンプレッサーは音量を均一化することのできるダイナミクス系エフェクトですが、ただ音量を揃えるといった補正用途だけでなく、ちょっとした工夫で積極的なサウンド・メイクにも活用することができます。コンプレッサーには色々なテクニックがあるのですが、中でも定番の「サイドチェイン」と「パラレル・コンプレッション」という2つの活用法を見ていきましょう。どちらも非常に効果的なサウンドを作り出すことができるので、ぜひ試してみてくださいね!

●サイドチェインを使ってみよう!

まず1つ目のテクニックは「サイドチェイン」。通常、エフェクトの掛かり具合はそのエフェクトがインサートされたトラックの信号で決まります。それに対し、サイドチェインを使うことで、“他のトラックの音でエフェクトのかかり具合を決める”ことができるのです。

と…言葉で書くと難しいですが、ダンス・ミュージックなどで、“シンセ・ベースの音がキックを避けるように裏拍で鳴っている”というような効果を聞いたことはありませんか? 独特のうねりのあるベース・サウンド、その秘密こそがサイドチェインなのです。

効果としてはキックが鳴っているところだけ、ボリュームをオートメーションで下げているのと同じなのですが、これを手動でやろうと思うと大変。 そこで、ベースにかけるコンプレッサーをキックの音量でコントロールすることで、自動的に音量変化を付けられるのがサイドチェインという機能なのです。そして、このようにして作られたサウンドや手法は「ダッキング」と呼ばれています。言葉で理解しようと思うと大変だと思いますので、実際にやってみましょう。


▲サイドチェインを使ったダッキングは、ダンス・ミュージックの常套テクニックになっています。


<サイドチェインを使ったダッキングの手順>

STEP.1:基本となるベースの音を打ち込みます。2分音符~全音符程度の長めのデュレーションで打ち込みましょう。


▲ベースの音は全音符でOKです。

STEP.2:ベースのトラックに、サイドチェインに対応したコンプレッサーをインサートします。SONAR X2に付属するプラグイン・エフェクトでは、ProChannelの“PC4K S-Type Compressor”、“VC-64”、“Sonitus:fx Compressor”がサイドチェインに対応しています。


▲サイドチェインに対応したコンプレッサーを使っている場合、チャンネルのSENDSのリストにプラグイン名が表示されます。
STEP.3:キックのトラックの“SEND”に、STEP.2でインサートしたコンプレッサーを設定します。数値はデフォルトのままでOKです。Session Drummer 3などを使っている場合は、パラ出ししてキックだけ独立したオーディオ・トラックにルーティングしておく必要があります。

STEP.4:ベースのトラックにインサートした、コンプレッサーのパラメーターを調整します。レシオを高めにし、スレッショルドを下げていくとベースにうねりが出てきます。気持ちいいノリになるように、スレッショルドやリリースを調整して完成です。


▲コンプレッサーのパラメーターによって、ノリが変わってきます。

作業の流れを動画でチェックしてみましょう。動画の中では、ベースとシンセサイザーをダッキングしています。


このテクニックは、ダンス・ミュージックだけのものではありません。 バンド系の音楽でもキックとベースは同じタイミングで鳴らすことが多いですから、どうしても低音が強くなって詰まって聞こえたり、分離が悪くなりがちです。そのときにサイドチェインでキックとベースのピークをズラしてやることで、明瞭感があり、かつ低域のバランスを保ったまま音圧を稼ぐことができます。もちろん、バンド系の音楽の場合はダンス・ミュージックほど音量差をつけると違和感が出てしまいますから、かけすぎには注意してくださいね!

●コンプレッサーをさらに使いこなそう!

コンプレッサーはトラックに直接インサートして使うのが一般的ですが、 コンプレッサーはかけすぎるとダイナミクスが失われ、かえって平坦な音になりがちです。それでもコンプレッサーを深くかけたときの質感や音圧感も活かしたい! そんなときに便利なのが「パラレル・コンプレッション」というテクニックです。

簡単に言うと、リバーブやディレイで使うセンド/リターンと同じく、バスでコンプレッサーをかける手法です。つまり原音に、コンプがかかった音を足していくというイメージ。元の音をブレンドすることで、元のトラックが持つニュアンスやダイナミクス感と、コンプレッサーを掛けた音圧感を共存させた、いいとこ取りのサウンドを得ることができます。


▲ProChannelのコンプレッサーには、Dry/Wetの調整が可能!
同じトラックをコピーして片方だけにコンプをかける、SENDでコンプレッサーを使う…などやり方はいろいろあるのですが、SONAR X2の魅力であるProChannelのコンプレッサーには「Dry/Wet」というツマミが用意され、簡単にパラレル・コンプレッションを試すことができます。デフォルトだとWet100%…つまりコンプを通した音だけを出す設定ですが、Dry方向に回していくだけでトラックのダイナミクスが蘇ってくる! そんな素敵で便利な機能です。

こちらも動画を用意しました。ProChannelを使う場合と、Dry/Wetのパラメーターがない一般的なコンプレッサーを使う2つの方法を紹介しています。


動画ではドラムのバス・チャンネルでの使用例を紹介していますが、ボーカルからマスタリングまで、あらゆるシーンで効果的です! もちろんトラックにインサートする従来の使い方の方がよい/合う場合もあるので、シーンに応じて使い分けて下さいね。


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