【インタビュー】堀江貴文+茂木健一郎+金杉肇=ハッカーズ、パンクなおとなのメッセージ

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あの“ホリエモン”こと堀江貴文、脳科学者の茂木健一郎、そして、音楽/ゲーム/メディア等様々な分野で活躍するクリエイター金杉肇による音楽ユニット結成と聞いて、いったいどんなサウンドを想像するだろうか。この3人が、まさか、荒々しくて勢いたっぷりなパンクロックサウンドを放つとは…。しかも、記念すべき初作品「ゼロ~裸の俺たち~」を、CDを超越する96kHz/24bitのハイレゾ音源で配信するというデビューからして、このハッカーズはまさしく前代未聞な存在だ。の子(神聖かまってちゃん)がギターで参加していることも話題を呼んでいる“ハイレゾ・パンクバンド”とは、いったい何者なのか?現代社会を鋭く見つめるこの3人がスタジオに集結したところをキャッチ、話を聞いた。

◆ハッカーズ画像

──(取材場所のレコーディングスタジオで、「ゼロ~裸の俺たち~」を試聴)ハイレゾ音源を実際に聴いて、感触、感想はいかがですか?

金杉:たぶん、ここ(自分のいる位置)とここ(記者のいる前方の位置)で音が違うと思うんだよね、全然。

堀江:そんなに変わるんですね。

茂木:変わるんじゃない?“しっとり感”というか。ハイレゾって、2万ヘルツ以上のところも出るんですよね?2万ヘルツ以上のところって、“何か”を感じてるんですよ。それは、科学的にも証明されていて。ガムラン音楽なんかも、2万ヘルツ以上のところが意外と効いているっていう…そういう話をする時間じゃないね(笑)。

堀江:(笑)茂木さんっぽくて良いんじゃないですか?

茂木:(笑)ガムランもそうだけど、“可聴域”を超えてるんですよ。身体を通して、それが脳に伝わって。あと、まぁ、よく言うのは…。例えば、THE BOOMの「島唄」とか、ブルーハーツだったら「情熱の薔薇」とか、良い楽曲って、絶対的に良いじゃないですか。脳科学者としては、ああいう楽曲ってすごいなと思ってるんで、この「ゼロ~裸の俺たち~」もそういう楽曲になってくれたらいいなとは思いますけどね。良い楽曲って、“残る”んですよ、絶対。すごくないですか?

金杉:うん。繰り返されるしね。

茂木:そう。本の“残り方”とは全然違うし。音楽のすごいところって、脳科学的に言うと、繰り返し何回聴いても飽きないことっていうか。俺もこの「ゼロ~裸の俺たち~」は、レコーディングのために、仮歌を30回ぐらいは聴いたんだけど…。

堀江:そんなに聴いたんですか!?

茂木:聴いたよ!身体に染み込ませようと思って。

金杉:リズムは、繰り返し聴かないと、ね。

堀江:俺、たぶん、1回聴いて歌いましたよ。

金杉:(笑)こら!堀江さん、集中力すごいよね。

茂木:堀江、お前!「俺はすぐ音を拾える」とでも言うのか!

堀江:(笑)だって僕、曲覚えるのって、いつもカラオケで他人が歌ってるの聴いて覚えますから。

茂木:(笑)じゃあ、じつは、すごい音楽の才能があるってことじゃん。モーツァルト?1回聴いて覚えるって。

堀江:(笑)ないですないです!全っ然。

茂木:でも、上手い下手じゃないと思うんだよね。なんか、誰かが言ってたんだけど、セックス・ピストルズってすごい下手くそだって。

金杉:そうそう。スリーコードしか弾かないし。

茂木:だから、分かんないですけど…。“生き方”だと思うんですよね。このハッカーズにしても、それぞれ、堀江さんはもちろんですけど、金杉さんも、俺にしても、“生き方”が問われてるっていうか。“生き方”が出ちゃうじゃないですか、音楽って。

──茂木さんも以前、YouTubeに歌の動画を上げてすごい反響が巻き起こりましたよね。

金杉:あぁーっ。「日本の新聞」。

茂木:だって、楽曲、残したくないですか?また脳科学者としての話になりますけど、嫉妬しますよ。良い楽曲を作った人に。それだけ多くの人の中に“残る”ものを作れるって。一応、自分の人生の野心としては、ヒットさせる音楽をひとつ世の中に生み出すっていうのが野心の中に入ってるんで(笑)。だから俺は、良い曲を作りたい。世の中に音楽っていっぱいあるけど、音楽って、すごいのは…。1000とか2000とか曲を作っても、最終的には1曲しか残らない、みたいな。でも、作らないと残らない、みたいな。だから、俺は作ってみたいんですよ。堀江さんは、歌いたいの?

堀江:なんでもやりたいっす(笑)。

──堀江さんが今回はメインボーカルを取られていますが、そもそもこのハッカーズはどんな経緯で結成されたんですか?

堀江:そもそもは、僕が「ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく」っていう本を出していて、その本を販促するのに何か歌を、っていう…。歌って、歌でしか伝わらないものってあると思うんですよ。で、僕はブルーハーツとかが好きで、よく歌うん…。これ(「ゼロ~裸の俺たち~」)って、感じはほとんどブルーハーツじゃないですか(笑)。

金杉:(笑)言っちゃった!

堀江:“ブルーハーツインスパイア系”ですよね。

金杉:(笑)そう。その本の出版記念パーティーっていうのに僕も参加させてもらって、そのときに、神聖かまってちゃんがその場で2曲演奏して。で、2次会に顔を出したら、堀江さんとかまってちゃんのの子がブルーハーツとかを大熱唱してて、「これ、面白いなー!」って思って。堀江さんの“ゼロ”は僕も読ませてもらって、堀江さんっていう人物の奥行きとか、ロックな生き様とか、背負ってるものとかを感じて。じゃあこれをそのままブルーハーツみたいなパンクに、ストレートなロックにしたら、今の若い人達とか中年のおっさんどもにもすごく伝わるんじゃないのかなと思って、堀江さんと茂木さんに「バンドやろうよ!」と。“ゼロ”をテーマにして詞を書いて歌にしようよってお誘いしたところ、すぐ堀江さんが「じゃあ詞を書く」っていうことで、LINEで送られてきまして(笑)。

堀江:僕達、そもそも、きっかけになるfuturelabっていう会社に誘われたのも…。

金杉:LINEでした。

堀江:そもそもが、LINEのトークグループにいきなり茂木さんに入れられてて、「あれっ?これ、何なんですか?」ってずっと聞けなくて(笑)。そこから1か月ぐらい経ってやっと何なのか分かって、みたいな感じでハッカーズは始まってるんですよ。

──堀江さんはLINEでいきなり誘われたということですが(笑)、「ゼロ~裸の俺たち~」の作詞クレジットは、<堀江貴文、ハッカーズ>となっていますね。記念すべき最初の作品の作詞ということで、全面にフィーチャーされていて。

金杉:はい。堀江さんが歌詞を…。詩?

堀江:はい。詩、ポエムですね。

金杉:なので、ほとんどが「ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく」から引っ張ってきたものなので、この曲はほとんどが堀江さんのメッセージだと思ってるんですけれど。それを歌詞にするうえで、曲にするうえで、メロディへの乗りとか、譜割りとか、音にしたときに“残る”かどうかとかっていうのは考えさせてもらったんですけど、基本的には堀江さんのメッセージだと思います。

──茂木さんは、その堀江さんのメッセージをどう受け取られましたか?

金杉:なんか、LINEで超反応してた(笑)。

茂木:(笑)今の時代に必要なメッセージだとは思いますけどね。ふたりが言ってる詞、メッセージがズドン!とくるような楽曲で。今日もレコーディングをしてるんですけど、その曲も…。

金杉:今日の曲は「卒業」っていう、茂木さんが詞を書かれた曲で。

茂木:“偏差値”とか、“リクルートスーツ”とか、“同化圧力”とか、“学歴社会”とか。そういう、日本の若者を不自由にしているものをなんか、ね…。この人(堀江)は最初からそういうのを気にしないで生きてますけど(笑)、たいていの人はそういうのを気にして生きてると思うんで、「もっと自由になれよ!」っていうメッセージソングではあるんですけどね。

堀江:でも、「ゼロ~裸の俺たち~」もそうなんですけどね。
茂木・
金杉:そう!

茂木:そういうテーマがあるんじゃないですか?「もっと自由に生きよう!」みたいなテーマが、根底に。

──今の社会とか色んなものに対して、皆さんもやっぱり不自由さを感じますか?

茂木:我々はそんなに感じてないんですけど(笑)。

金杉:(笑)勝手にやってますからね。

茂木:でも、たいていの人はそうなんじゃないですか?

金杉:そういうメッセージを伝えたいからこそ、上手に歌うことよりも、気持ちを入れちゃうほうがガツン!と伝わるっていう。さっき、その脳科学者の方も言ってましたけど(笑)、音って耳から身体に入るので。だから、きれいにするよりも、いかに耳から入って身体の中に引っかけるかが大事だと思っているので。

茂木:YOUTUBEにUPした「日本の新聞」も、あれだけ多くの人が聴いてくれたんで。あれは忌野清志郎さんの、タイマーズの替え歌ですけど(笑)、やっぱり金杉さんの言うように、関係ないんじゃないですかね。メッセージが届くかどうかは、上手さじゃないっていう。………(しばし沈黙&熟考)。ああいうことがいつ起こるか分からないから、我々はメジャーデビューできないんですかね?

金杉:(笑)別にコントロールしようとも思ってないですけど、コントロールしようとしてもコントロールできないじゃないですか。

堀江:歌でメッセージを伝えるっていうことは、誰もしてこなかったと思うんですよ。でも、歌ってすごく伝わりやすいじゃないですか。なんでそういう人達がいなかったのかなって気はしてるんですけどね、僕は。

──茂木さんの「日本の新聞」じゃないですが、メッセージを歌っていう形で社会に放つ人達が、ミュージシャンだけじゃなくてもっといたりしても良いんじゃないかっていう?

堀江:そうですね。そういう問題を、紋切型っていうんですかね。例えば今だと、音楽業界だととりあえず「脱原発!」って言っとけみたいな、そういうファッションもあるじゃないですか。ファッションで言ってる人達は、たぶんそれを何も考えずに言ってると思うんですけど。で、「私は難しい技術の話は分からない」みたいな感じで放棄しちゃったりっていう状況もあったり。そういうメッセージを文字通り受け取っちゃって、社会全体が良くなるかどうかっていうのは、ちょっと疑問な部分があったりするので。

──そのリアルなメッセージを、ハイレゾ音源にのせてリリースしようと思ったのはどんな理由からだったんですか?

金杉:新しいほうがいいなと思って。今、盛り上がってきてるじゃないですか。PCオーディオとか、ハイレゾとか。しかも、この音で、パンクでハイレゾとかってたぶん誰も発想がなかったと思うんで、それがまた“パンク”で良いんじゃないかなと。

──ハイレゾも、最近は色々なジャンルの音楽が増えてきましたね。

金杉:ええ。しかも、e-onkyoさんのサイトはクラシックとかと一緒に並ぶので、それも面白いかなと思って(笑)。クラシックとかアニソンとかと一緒に並べてもらえるので、それによっても、僕らのキャラクターがしっかり浮き彫りになるし、メッセージも伝わりやすくなってくるのかな、と思ってます。

──で、そのメッセージは、話を戻すと、堀江さんが「ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく」で書かれていたことを元にしているっていう。

茂木:そうですね。そういう、人生の色んなことが出てるんじゃないかなって。“ゼロ”っていうのはそういうことだもんね。(堀江に)本当、“ゼロ”になったもんね。

堀江:(苦笑)そうですね…。だから、メッセージを伝えるには、音楽って本当に良いんじゃないかなって僕は思ってます。

金杉:音楽、バンドって、ね。だから今後は、メッセージが過激になっていくんじゃないですか?だから、“無修整レコード”っていう。それは僕らが立ち上げたレーベルなんですけど、歌詞は修正しない。メッセージを大切にするハッカーズとしては貫いていきたいなと思っています。
今、3か月連続リリースを目標に動いています。

茂木:おぉっ!じゃあ、3曲目は、あれですね。

──3曲目も“パンク”な感じのサウンドなんですか?

堀江:どうなんでしょう!? どうなっていくか分かんないですからね、今後は。

制作スタッフ:3曲目は、ちょっと新しいことに挑戦したいな、と思ってまして。

金杉:じゃあ、なんか…。僕も2年くらい引きこもってた時期があるんで、引きこもりの応援歌みたいなのも作ってみたいなと思ってて。今の大人達は、全然、社会の作り方が間違ってるっていうか、ね…。引きこもりに「引きこもるんじゃねぇよ!」って言っても、しょうがないんで。逆に、「引きこもって仕事しろよ!」って言うほうが、メッセージとして刺さるんじゃないかなって。そういうことをもっと肯定して明るい社会にしたらいいんじゃないかなって思っているんで、それを歌にしたいと思ってます。そういうことも含めて、メッセージが“パンク”かなと。僕らは歌も上手じゃないし。だから、歌の技術を高めていくっていうよりも、いかに自分達の思いを、ストレートに、たくさんの人に聴いてもらうかっていうことのほうを僕らは選んでいるので。逆にテクニックに走ったら、メッセージが伝わらなくなるんじゃないかなって。さっき茂木さんもレコーディングしたんですけど、上手さよりも、なんか、インパクトあるんですよ。

茂木:な、な、なんすか、師匠…(照笑)。まぁ、だから、今後に関しては…。12月31日はスケジュール空けとくってことだけは、はっきり言っとこうかなと!
それだけは記事に書いといてもらおうと思って。堀江さん、空けといてね!

堀江:(笑)はぁ…。

茂木:はぁ…じゃなくて!一応、リハもあるから、29日くらいからね(笑)。


「ゼロ ~裸の俺たち~」
2014年2月28日(金)配信開始
96kHz/24bit(WAV、flac/単曲 \500)


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