名作『トミー』の誕生秘話、ついに明かされる

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ザ・フーの名を世界に知らしめた傑作ロック・オペラ『トミー』の誕生を追ったドキュメンタリー作品『ザ・フー:センセーション・ザ・ストーリー・オブ・トミー~“ロック・オペラ”誕生』がリリースされた。

◆ザ・フー画像

ピート・タウンゼント、ロジャー・ダルトリーをはじめ、ジョン・エントウィッスル、キース・ムーンといった今は亡きメンバーも含めた貴重な証言による制作秘話が当時の映像ともに明らかにされるもので、ボーナス映像には1969年の独TV「ビート・クラブ」で放映された“トミー・スペシャル”も追加収録されている。

1969年、初の本格的ロック・オペラ作品として世に姿を現したアルバム『トミー』だが、本作ではライブ・バンドとして世間に大きなインパクトを与えたザ・フーが壮大なコンセプト・アルバムへと向かい、大きな成功を掴む過程がメンバーや関係者によって語られている。

1968年、ピート・タウンゼントが出会ったインドの導師ミハー・ババから強い影響を受けピートにより書き下ろされた『トミー』は、当初スピリチュアルで荘厳な佇まいを見せる作品だったが、「ピンボール」というテーマが取り込まれることにより、よりポップでエモーショナルなアルバムへと昇華していく。紆余曲折を経ながらアルバムが完成に向かうさまはスリリングでかつ感動的だ。徹底したツアーにより、人気と評価を確固たるものにしていく『トミー』は巨大化を続け、1975年にはケン・ラッセルの手により映画化。そして、1992年にはブロードウェイでミュージカル版が上演、トニー賞を5部門受賞するなど、バンドを超えた作品へと発展しつづけていく。

貴重な記録映像を交え、楽曲誕生のエピソードや制作秘話が紐解かれる本作には新たな発見と視点が溢れており、「トミー」を深く理解するのに格好の映像作品となっている。監督は音楽ドキュメンタリー『クラシック・アルバムズ』シリーズなどを数多く手がけたマーティン・R・スミスだ。貴重な証言を行うのは『トミー』の作曲者であり、ザ・フーの音楽的支柱ピート・タウンゼント、ザ・フーのボーカリストであり『トミー』を体現し続けたロジャー・ダルトリーをはじめ、1960年代の英国音楽シーンを追い続けたジャーナリスト、クリス・ウェルチ、1960年代から現在まで一貫してザ・フーのエンジニアリングを担うボブ・プリデン、『トミー』のアートワークを手がけたマイク・マッキナニー、ローリング・ストーン誌の創設者ヤン・ウェナー、ブロードウェイ版『トミー』を手がけたデス・マッカナフなど、枚挙にいとまがない。既に故人となったザ・フーのベーシスト、ジョン・エントウィッスルやキース・ムーン、マネージャーのキット・ランバートとクリス・スタンプなどの証言もしっかりと押さえられている。

本編約80分に加え、1969年9月27日収録の独TV「ビート・クラブ」の“トミー・スペシャル”は、ピートへのインタビューを含め約32分全編収録されている。9曲もの『トミー』収録曲がプレイされたTVはこれが唯一のもので、見応えあるものだ。


『ザ・フー:センセーション・ザ・ストーリー・オブ・トミー~“ロック・オペラ”誕生』
2014年3月12日発売
【DVD/日本語字幕付】4200円+税
【Blu-ray/日本語字幕付】5200円+税
収録時間:本編約80分 ボーナス映像約32分
日本語字幕付き
監督:マーティン・R・スミス
出演:ピート・タウンゼント
ロジャー・ダルトリー
リチャード・バーンズ(友人・バイオグラファー)
ボブ・プリデン(エンジニア)
クリス・ウェルチ(音楽ジャーナリスト)
マイク・マッキナニー(画家・アーティスト)
ヤン・ウェナー(ローリング・ストーン誌創設者)
アンソニー・デクルティス(ローリング・ストーン誌)
デス・マッカナフ(映画監督・プロデューサー)
リチャード・スタンリー(友人・映画監督)
デヴィッド・ワイルド(音楽ジャーナリスト)
ジョン・エントウィッスル(故人)
キット・ランバート(マネージャー:故人)
クリス・スタンプ(マネージャー:故人)
【ボーナス映像】
■1969年9月27日収録のドイツのTV番組「ビート・クラブ」“トミー・スペシャル”
1.序曲
2.ピンボールの魔術師
3.ピート・タウンゼント インタビュー1
4.トミー、聞こえるかい
5.鏡をこわせ
6.ピート・タウンゼント インタビュー2
7.サリー・シンプソン
8.僕は自由だ
9.ピート・タウンゼント インタビュー3
10.トミーズ・ホリディ・キャンプ
11.俺達はしないよ
12.シー・ミー・フィール・ミー
※TV番組内で映像にあわせて使用された音源になります、実際のライブ映像ではありません。


◆ワードレコーズ・ダイレクト ザ・フー「トミー」サイト
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