【インタビュー】エイジア「古典からの伝統を受け継ぐロック・バンドだ」

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新生エイジアの最新アルバム『グラヴィタス~荘厳なる刻』が3月19日に発売となる。初のジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズ(ジェフリー・ダウンズ)によるプロデュース作品だ。新鋭ギタリスト、サム・コールソンを迎えての再スタートとなる作品で、6月には待望の日本公演も控えている。

◆エイジア画像

新生エイジアを象徴するリーダー・トラック「ワルキューレ」を筆頭に、ドラマチックでメロディアスな美学を貫く『グラヴィタス~荘厳なる刻』について、ジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズが新作について語ってくれた。

ジョン・ウェットン:このアルバムの特徴は、エイジア史上、初めて外部の干渉を受けずに作ったことなんだ。レコード会社からの注文もなかったし、プロデューサーも起用しなかった。すべての曲を私とジェフが書いて、2人でプロデュースして。世界最高のドラマーであるカール(・パーマー)と若く才能あふれるギタリストのサムがプレイした、最もピュアなエイジアの音楽を聴くことが出来るよ。

ジェフ・ダウンズ:アルバム作りの作業は基本的にエイジアの結成からほとんど同じだ。ジョンと私が集まって、曲を仕上げていくというものだった。ただ今回はサムがギターを弾くことを念頭に置いていたし、ソングライティングのベクトルが異なったものになっていたと思う。エイジアがロック・バンドであるという原点に立ち返ることになったよ。

サムのギターは、アルバム全体に新鮮な刺激をもたらすものだ。エイジアに新加入した彼のプレイについて、ジェフはこう分析している。

ジェフ・ダウンズ:サムの強力な武器は、凄まじい速弾きリード・ギターだ。スティーヴ・ハウと較べて、彼はよりヘヴィ・ロックに近いスタイルのギタリストだ。ある意味、『アストラ』でプレイしたマンディ・メイヤーと通じるものがあるかも知れない。ただ、エイジアにはメロディやソングライティングの独自のアイデンティティがあるし、サムが参加したからといってそれが突然一変してしまうことはない。サムは30年におよぶエイジア・サウンドを壊すことなく、自分なりの個性も取り入れるバランスを考えているよ。

『グラヴィタス~荘厳なる刻』のもうひとつの特徴は、クラシック音楽の要素を感じさせる起伏に富んだ曲の展開だ。セルフ・プロデュースでより自由な表現が得られたことで、クラシカルな手法がより顕著になったと二人は語る。

ジェフ・ダウンズ:そうだね。特に「グラヴィタス」のイントロ「レント」はクラシック的だ。元々、このフレーズはライブ前のサウンドチェックで、手ぐせで弾いたものだった。それをジョンが耳にして「今のフレーズ、すごく良いね。忘れないでおいてくれ」と言ってきた。私は音楽大学でマーラーやドビュッシーの作品について学んできたし、影響も受けてきた。それであのフレーズが浮かんだのだと思う。

ジョン・ウェットン:ロック音楽はしばしば規律から外れた、一種のアナーキーさを武器としてきた。それが功を奏してきたことは、私も認めるよ。だがエイジアはそういう音楽ではなく、古典からの伝統を受け継ぐロック・バンドだと考えている。あらゆる曲展開やコード進行、コーラス、ギター・パートなどすべてが正統派なんだ。だからクラシックからの要素を踏襲している部分があるのは、自然の成り行きだと思う。ジェフも私も、教会音楽を通過しているし、クラシックの素養があるしね。

「短い曲の中にエイジアのすべてがある」とジョンが語る「ワルキューレ」、バンド全員一致でアルバム・タイトルに決めたという“尊厳、重み”を意味する「グラヴィタス」、ロシア・ツアーの旅路を描いたロマンチックな「ロシアン・ドールズ」などに代表される、新鮮でありながら正統派のエイジア・サウンドを引っ提げて、彼らは2014年6月に来日公演を行うことが決定している。

さまざまなバンドで何度となく日本を訪れてきたジョンとジェフだが、「エイジアというバンドの伝統を継承しながら、新しい次元へと向かっていく」(ジョン)今回のツアーは、ひときわスリルを伴うものだと語ってくれた。

ジョン・ウェットン:1980年代のヒット曲にもフレッシュな風が吹き込んで、さらにエキサイティングなものに変化したよ。もう長年プレイしてこなかった曲も久々に演奏しているし、日本では『グラヴィタス』からの曲も初めてプレイする。サムは素晴らしいギタリストで、若くてグッド・ルッキングだ。プロフェッショナルで、それに加えて最高にナイス・ガイだ。彼は日本でビッグ・ヒットになるだろうね。

ジェフ・ダウンズ:グレイテスト・ヒッツと『グラヴィタス』からの曲をたっぷりとプレイする、楽しいショーになるよ。去年のライブでは「ゴー」のように、長い間プレイしなかった曲も演ったんだ。日本でもぜひプレイしたいと考えている。その他にもいくつかサプライズがあるから、楽しみにして欲しい」

来日公演会場に『グラヴィタス』日本国内盤を持参して入場したファン“全員”に3Dオリジナル・パスがプレゼントされる。さらにその中から抽選で各会場5名がメンバーとのミート・アンド・グリートに招待されるという来日記念キャンペーンも行われる。

通販100個限定の『グラヴィタス』直筆サイン入りスリーブケースセットは、発表からわずか数時間に完売している。

インタビュー:山崎智之


エイジア『グラヴィタス~荘厳なる刻』
2014年3月19日発売
初回限定盤CD+DVD 4,200円+税
通常盤CD 2,800円+税
1.ワルキューレ
2.グラヴィタス
3.ザ・クローサー・アイ・ゲット・トゥ・ユー
4.ニクトフォビア
5.ロシアン・ドールズ
6.へヴン・ヘルプ・ミー・ナウ
7.アイ・ウッド・ダイ・フォー・ユー
8.ジョー・ディマジオズ・グローブ
9.ティル・ウィ・ミート・アゲイン
10.ザ・クローサー・アイ・ゲット・トゥ・ユー(アコースティック ヴァージョン)*初回限定盤のみ収録
11.ジョー・ディマジオズ・グローブ(アコースティック ヴァージョン)*初回限定盤のみ収録
12.ロシアン・ドールズ(アコースティック ヴァージョン)*日本盤のみ収録
初回限定盤DVD
・2013年9月ブルガリア/プロヴディフ公演ライブ映像「アン・エクストラオーディナリー・ライフ」「時へのロマン」「ヒート・オブ・ザ・モーメント」
・「ワルキューレ」ミュージック・ビデオ
・「メイキング・オブ・グラヴィタス」(メンバー・インタビュー)
初回盤限定スペシャルブックレット
・ジョン・ウェットン&ジェフ・ダウンズ最新インタビュー掲載
・ジョン・ウェットン全曲英文解説
・日本語解説/歌詞・対訳付き

<エイジア 2014 ジャパン・ツアー>
6月17日(火)名古屋 Zeep Nagoya
6月18日(水)大阪 サンケイホールブリーゼ
6月19日(木)東京 渋谷公会堂
6月20日(金)東京 渋谷公会堂
S席 \9,000(税込)A席\8,000(税込)
*大阪・名古屋公演は\9,000(税込)均一
[問]ウドー音楽事務所 03-3402-5999  udo.jp


◆チケット詳細&購入ページ
◆ワードレコーズ・ダイレクト・新生エイジア来日記念サイト
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