【インタビュー】藤田麻衣子「心の叫びみたいなものを吐き出して分かち合う歌を書きたいなと思って」

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■「私なんてもういいよ」ってあきらめていたら何も変わらなかったけど
■「見返してやる!」っていう気持ちで少しずつ自分は変わって来た


 ▲「涙が止まらないのは」初回限定盤
 ▲「涙が止まらないのは」通常盤
──「女の子あるある」を描くのが上手と言えば、3曲目の「可愛くなりたいと思った日」もそうですよね。

藤田:これも最近書いた曲なんです。今でこそ爪にマニキュア塗るのが好きだったり、オシャレや髪の毛をいじるのが好きだったり、人並みに可愛く見えたらいいなとか、こうやって思ったのってなんでだったかな?って、昔の自分を振り返ってみると、人のことがうらやましくなったり、傷つくことがあったり、辛い思いをしたりした時なんですよね。そこで「私なんてもういいよ」ってあきらめていたら何も変わらなかったけど、「見返してやる!」っていう気持ちで少しずつ自分は変わって来たなって思って。可愛くなれるかなれないかって、自分の心次第なんだなって思いがあったんですよ。

──そのメッセージはすごく感じました。

藤田:例えば、今、シュンって落ち込んでる女の子がいたとして、その横で「頑張れ!立ち上がれ!」って言われたらウザいじゃないですか(笑)。だから、めっちゃ応援するってことじゃなく、ただ物語を描いて、その中にちょっと顔を上げてメイクしてみようかなとか、お買い物に行ってみようかなって、さりげなく前向きになってくれたら良いなっていう思いを込めて。暑苦しくはしたくなかったので、唄い方も良い意味で力を抜いて、七割くらいを目指して唄ったんです。だから、ライトに聞きやすい感じに仕上がってると思います。

──シングルのタイトル曲になるかもしれなかった「つぼみ」は、最後に武道館ライヴで録音したお客さんのだ合唱も入っているんですね。武道館で初披露の新曲なんですよね。

藤田:はい。この曲、武道館の前日に完成したんですけど、自分も覚えたてで8千人の前で初お披露目だったんです。唄う前に、「最後のほうはこうやってみんなで唄って!」って説明をして、本番では途中で私はピアノを弾くのもやめて、私の指揮だけで唄ってもらったんです。よくこんなに揃ったなって。二階の一番後ろの人なんて、私の指揮してる手なんて、きっと豆みたいで見えないと思う。それでもこんなに合ってるなんて、お客さんがみんなで一緒に唄おうって思ってくれてたからだから、この日の映像を見ても、そこに感動するんです。すごく良い合唱だった。

──ファンの人も含めて、記念の一曲になりましたね。メジャーデビューに向けての決意の歌のようにもなっていますし。

藤田:そうなんですよ。今の自分と重なりすぎててびっくりする。7年間で、東京に来て9年、10年で私は気付いたこと、みんなに伝えたいことって何かなって考えたんですよ。最初に「自分を信じて一歩踏み出して」っていう歌詞が出て来たので、そこから広げていった曲なんですね。私自身、これまでいろんな人に助けてもらったけど、最初の一歩は自分で勇気を出してやってきたから扉が開いて来たんだと思うんですよね。これはこれからも伝えて行きたいし、自分にも言い続けたいですね。

──「手紙 ~愛するあなたへ~」は去年の6月にもリリースされていますが、今回新たに録り直したんですね。

藤田:はい。弾き語りは私の原点でもあるので。そもそも最初に歌を作ったときって、友達に手紙を書くような感覚で歌詞を描いて、それにメロディをつけていたんです。この曲はまさにそんな感じで出来ましたね。お父さんお母さんに宛てた手紙にメロディをつけて、すごくシンプルに自分自身を表現している歌なんです。

──この歌詞を書くためにわざわざ実家に帰ったんですよね。

藤田:そうなんです(笑)。最初のヒントは友達の結婚式なんですが、たいてい最後に両親に手紙を読むじゃないですか。だいたい感謝が決まり文句になってますけど、それって素晴らしいことだから、それをまずサビにしようと。じゃあ、Aメロ、Bメロで実際に自分のお父さん、お母さんに手紙を書こうと思って書いたんですけど、書きたいことが溢れすぎちゃったんです。エピソードならいくらでも思い出せるから。逆に絞る作業に苦戦して。都内でインストアライヴが終わったその足で新幹線に乗って実家に帰って、忙しくて家にいなかったお母さんに変わって、お父さんと一緒にアルバムを見ながら思い出話を聞いたんですよ。

──結果、シンプルに「ありがとう」が伝わる曲になったという。

藤田:はい。エピソードがたくさんあるから、どうやって絞ろうって思った時に、もし私じゃなくて、違う家の誰かだったり、道を歩いていてすれ違った人だったりしても、自分と同じように感じてることって何だろう?ってことでエピソードを絞っていったんです。私がこの曲を歌ったときに、藤田家のエピソードじゃなく、聞いた人の家族のことを思い出せるような曲にしたかったんです。

──大事な曲が詰まったシングルになりましたね。切なくて泣きたくなる曲もあるし、感動の涙もあって、笑顔にもなって、いろんな感情がわき起こる曲ばかりです。ライヴもありますね。

藤田:アコースティックライヴなので、アコギとピアノとパーカッションという編成で。歌がより丁寧に聞こえる編成でやるので、今回のシングルでデビューしましたっていうライヴではあるんですけど、過去の曲もたくさんやろうと思っています。初めて知ってくださる方も安心して楽しめるライヴ内容になると思います。

取材・文●大橋美貴子



「涙が止まらないのは」
2014.03.26発売
初回限定盤(CD+DVD):VIZL-656 \2,000+税
通常盤(CD):VICL-36887 \1,200+税
CD
01.涙が止まらないのは
02.つぼみ
03.可愛くなりたいと思った日
04.手紙 ~愛するあなたへ~(弾き語りVer.)
05.涙が止まらないのは(Instrumental)
06.つぼみ(Instrumental)
07.可愛くなりたいと思った日(Instrumental)
DVD
涙が止まらないのは
つぼみ
泣いても 泣いても
サクラ

<藤田麻衣子 Acoustic Live Tour 2014>
5/13(火)大阪:心斎橋BIGCAT
5/14(水)名古屋:ダイアモンドホール
5/21(水)仙台:Rensa
5/31(土)東京:AiiA Theater Tokyo
6/ 1(日)東京:AiiA Theater Tokyo

<『涙が止まらないのは』 発売記念フリーライブツアー ~フジタマのナミトマ!!~>
3/25(火)19:00~ 東京ドームシティ ラクーア(ガーデンステージ)
3/26(水)19:00~ 東京・お台場ヴィーナスフォート(2階教会広場)
3/28(金)14:00&18:00~ 名古屋・アスナル金山(明日なる!広場)
3/29(土)18:00~ 大阪:あべのキューズモール(3Fスカイコート)
3/30(日)13:00&15:30~ ATi郡山1F店頭イベントスペース


◆藤田麻衣子オフィシャルサイト
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