【インタビュー<後編>】ギルガメッシュ、『LIVE BEST』から個々の岐路を明かす「音楽的な壁は感じないけど人の壁が。それを壊していく」

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ギルガメッシュが3月26日、『LIVE BEST』と冠したベストアルバムをリリースする。インタビュー<前編>では、10年にわたる彼らの音楽変遷やルックスを含むスタイルの変化について話を訊いたが、ここからはメンバー個々のサウンド&プレイやミュージシャンシップにスポットを当てつつ、ギルガメッシュというバンドの現在~今後に迫ってみたい。

◆ギルガメッシュ 拡大画像

■“殺す”って歌ってた人が、夢を後押しするような歌詞を書いてきた
■初期のころは客席にベースをぶん投げたりとか、凄く荒れてて

──今回の『LIVE BEST』収録曲で個人的に思い入れの強い曲はありますか?

Яyo:オレ個人としては「Break Down」ですね。それまでの印象から、ここで一気にガラッと変わった時期だったし……。実は、いろんな人に「曲としては凄くクオリティ高いけど、これを出しても大丈夫か?」って言われたんですよね。でも、それを振り払って「出す!」と決めたときのハラハラ感を今でも思い出します。

弐:俺は「volcano」です。これ、DVDだけで音源になってなかったんですよ。だから、ようやくこういった形で出せるなっていうのもあるし、時期としてもいちばん尖ってて。エグくてドロっとし過ぎっていう意見もあったけど、「これでいいんだ」という強い想いがあったんですよ。

左迅:やっぱり、「evolution」ですかね。ギルガメッシュのライヴの象徴というか。ジャンルとか国を超越できる曲で、どこでやっても同じ景色が見れるんですよ。

弐:うん。ライヴでの巻き込み力が半端じゃない曲だよね。

左迅:この曲が始まると、オーディエンスの表情が一気に変わるし。雰囲気で初めて観た人でも飲み込んじゃうっていうか。

愁:僕も「evolution」なんですよ。デモで聴いた段階で素直にドキドキしたのが印象深くて。ずっとミュージックビデオを撮りたいって言ってたのがこのタイミングで実現したので、それも嬉しいですね。

──今、それぞれに思い入れ深い曲をセレクトしてもらいましたけど、逆に、他のメンバーからみて“この曲がプレイヤーとしてコイツのターニングポイントだったんじゃないか?”と感じた曲があれば、今度は客観的に語っていただきたいんですよ。

左迅:あー、ターニングポイントか~。

──ではまず、左迅さんのターニングポイントについて、他の3人はどう感じてます?

愁:歌詞的にいったら、「Break Down」だと思います。あんなに“殺す”って歌ってたボーカリストが、夢を後押しするような歌詞を書いてきたから、凄く驚きましたね。そこから、外を向いた感じもあるし。

Яyo:『Girugamesh』から『MUSIC』って、ガラッと音楽的変化があったじゃないですか。その波長にハマってたから、凄いなとオレも思いましたね。

左迅:うん。バンドとして新たなサウンドへ挑戦しようとしてるのが凄く伝わってきたんで、これまでと同じような歌詞だったらつまらないなというのがあったんですよ。歌詞も同じテンションで挑戦したかったし、それが『MUSIC』に収録された曲には出てるんだと思います。

弐:「斬鉄拳」もターニングポイントだったんじゃない? この曲は日比谷野外音楽堂ライヴに向けて作った曲なんですけど、ヴォーカルの熱量がさらに強くなった印象がありますね。

愁:ベストアルバムには収録されてないんですけど、「INCOMPLETE」とか。メッセージ性がより明確になって、ライヴと曲がどんどんマッチングしてきたなと。

左迅:そこに関しては、バンド解散の危機もあったし、歌に対する気持ちが変わったところもあって。昔とは背負ってるものが違いますからね。

──歌詞にはバンドの音楽性や状態も大きく影響するというわけですね。続いてはベーシスト愁さんについて。

左迅:初期のころは客席にベースをぶん投げたりとか、凄く荒れてて。それが変わってきたのが、47都道府県ツアーをやったぐらいかな。

──昔はそんなバイオレンスなベーシストだったんですか(笑)?

Яyo:昔を考えると、今はほんと大人になったなと(一同笑)。

弐:オレがベーシストとしての変化を感じたのは「INCOMPLETE」や『MONSTER』あたりからなんですね。プレイヤーって“自分はこういうフレーズを弾きたい”っていう我があると思うんですけど、そこを踏まえつつも、求められたフレーズをきっちりと弾ききるんですよ。

──いちプレイヤーとしてのエゴよりも楽曲の全体像を最優先させるという。

弐:そうですね。そこに関してはオレも最近は同じで、Яyoから出てきたフレーズがよければ、それでOKっていうスタイル。これから先、これがスタンダードなスタイルになっていくのかなと思ったりもしてます。

愁:デモ自体のクオリティが高いっていうのもあるんですけど、その人が思い描く100%を再現したい。それは他のメンバーについてもそうなんです。

左迅:昔は暴走機関車だったのにな(一同笑)。

Яyo:ははは。愁さんはやっぱりリーダーですよ。メンバーの様子も常に見てるし、信頼できると思いますね。みんなが考えてることを吸い上げるのも上手だし、愁さんみたいな脳みそがないと、オレらは瞬間で崩壊するだろうし。

──それって、メロディーもリズムもつないでいるという意味で凄くベーシストらしい立ち位置ですね。

Яyo:そうそう。全部を繋いでくれる、縁の下の力持ちというか。その信頼は厚いですね。

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