【考察】PIERROT、開けてはならぬパンドラの匣は……メッセージの意図を読む

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PIERROTの特設サイトに突如出現した謎解きのようなメッセージにざわめいている人たちは多いだろう。

◆PIERROT特設サイト 画像

<PIERROT 2014.04.12 18:00 新宿アルタビジョン>
彼らのファンにとって、この日付や場所は忘れようとしても忘れられないものなはずだ。

なぜならば、4月12日は今から8年前の2006年にPIERROTが突然、Web上で解散を発表した日付だからだ。そのわずか10日前の4月2日、大雨に見舞われた日比谷野外音楽堂(FC限定ライヴ)に筆者も足を運んだが、いつも以上に興奮度の高い振り切れたステージからは何の予兆も見出すことができなかった。オフィシャルサイトにはPIERROTを続けていけなくなった理由が赤裸々な言葉で記され、メンバー全員のメッセージがアップされていた。まさに青天の霹靂の解散発表だった。

そして、新宿アルタ前という場所はPIERROTがメジャーデビュを果たした翌年の1999年12月、<THE GENOME CONTROL>と銘打たれたプロジェクトの一貫で、緊急発表という形でゲリラライヴを行なった場所である。この企画は当時としては画期的なインターネットによる映像配信ライヴ……場所が明かされない謎の会場でPIERROTがライヴを行ない、その様子が全国各地の街頭ヴィジョン(もちろんアルタビジョンも)に映し出され、WOWOWで生中継され、インターネットを通じて世界中に配信された。そして、その直後にキリトはモニター越しに1時間後に新宿西口の特設ステージでライヴを行なうと宣言。新宿へと殺到するファンの姿、熱狂という言葉では語り尽くせないライヴは今も脳裏に焼きついている。振り返ってみると、昔からPIERROTは、いつも何をしでかすかわからないバンドだったのである。

1998年にシングル「クリア・スカイ」でメジャーデビューを飾ったPIERROTは、そのわずか半年後の1999年4月には初の日本武道館ワンマン公演をソールドアウトさせ、翌年の2000年には西武ドームで約3万人を動員するライヴを決行。驚くほどのスピードでシーンを昇りつめた。カリスマと評されたキリトの独特のパフォーマンスと大人が眉をひそめそうな過激なMC、構築された複雑なアンサンブル、ヴォーカルとバンドサウンドそのものに抜き差しならない緊張感があるPIERROTのライヴは、触れた人たちを次々に虜にしていった。

終末感漂う時代の空気を見事に捉え、人間の心の奥底に潜むダークサイドを解放するキリトのメッセージ、ソングライターとしてもギタリストとしても全く異なるアクの強い個性を放っていたアイジと潤、超ストイックなアティテュードでバンドを支えるKOHTAとTAKEOのリズム隊。完璧な五角形がPIERROTというバンドでもあった。

そして、発表する作品には常に謎解きのようなトリックが隠されていた。メジャー1stアルバム『FINALE』は世界が終わると予言されていた1999年に発表されたことと切っても切り離せない作品だ。1stフルアルバムに“フィナーレ”というタイトルを付けたことも当時、リスナーの度肝を抜いたが、それは“終りは始まりでもある”というキリトの逆説的発想によるもので、この壮大なコンセプトを持つアルバムは、翌年にリリースされる2ndアルバム『PRIVATE ENEMY』へとストーリーが繋がっていく。

彼らの作品には伏線が散りばめられた続編小説を読み解くようなスリルと中毒性があり、<THE GENOME CONTROL>同様、その視点は画期的だった。煽動者の視点で歌われたシングル「AGITATOR」とサポーターの視点で歌われた「FOLLOWER」にも逆転の発想が隠されていたし、1作たりとも聴き逃せない構築度の高い楽曲を最後までリリースし続けてきたことも、彼らが今なお、若手のミュージシャンにリスペクトされ、フォロワーを生み続けている理由のひとつだと思う。

さて、<2014.04.12 18:00 新宿アルタビジョン>なるメッセージだ。一世を風靡して解散もしくは活動を凍結したバンドは、それぞれのストーリーを紡いでいる。“終幕”という結論を出したLUNA SEAは長い月日を経て“REBOOT”という形で復活をし、UNICORNやJUN SKY WALKER(S)のように再結成を果たしたバンドもいれば、PRINCESS PRINCESSやCOMPLEXのように期間限定で復活を遂げたバンドもいる。その一方で再結成が熱望されながらも、時間が止まったままのBOOWYやTHE YELLOW MONKEY、JUDY AND MARYのようなケースもあるだろう。

解散ライヴも行なわず、突然の幕切れとなったPIERROTは、ファンを悲しみに暮れさせたあの日から8年の月日が流れた4月12日に、新宿アルタビジョンでなにを発信するのだろうか。そのときは秒読みだ。

彼らが仕掛けた謎がもうすぐ明かされる。

文◎山本弘子


◆PIERROT 特設サイト
◆PIERROT オフィシャルTwitter
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