THE KIDDIE、バンドとしての新境地を詰め込んだ“和”ダンス・ロックチューン「141487356」

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THE KIDDIEが、4月16日にシングル「141487356」をリリースした。

◆THE KIDDIE~拡大画像~

バンドの成長には、時に、今まで持っていた武器をいったん置いてみることも必要なときがある。4月16日にリリースとなるTHE KIDDIEのシングル「141487356」(読み:ヒトヨヒトヨニハナミゴロ)は、まさに、そんな一曲といえるだろう。「141487356」のサウンドは、リズム隊は基本的に打ち込みだ。5人組のバンドにも関わらず思い切った編成でのアレンジ。しかし、デジタルを元にしつつも、耳に残るのは打ち込みっぽさよりも、ギターのアンサンブルと揺紗の唄う主旋律。曲全体が醸し出す「和」の風情は、THE KIDDIEが日本のロックバンドであるという確固たるアイデンティティの象徴でもある。2月にリリースされた「emit.」は、彼らの持ち味であるキャッチーなメロディとバンドサウンドを踏襲したものだっただけに、今作は、余計に強烈なインパクトを与えてくれた。こんな変化を遂げた理由はこうだ。

「去年一年は新曲のリリースがなくて、バンド自体が生きるか死ぬかに関わる一年だったんですよ。その中で、『emit.』のリリースが決まって、この曲は僕らの真骨頂的な作品になったんですよね。じゃあ、次に何を出すのか……そんな中で作品を作るなら、より生きているもの、もがいて作ったもの、THE KIDDIEにしか出来ない音をもっと追求して作ったほうが自分たちの中にも残って、世間にも発信できるのではないかという気持ちがあったので」(ユウダイ)

「最初は、今作のカップリング曲でもある『全てはこの掌の中に』をシングルにしようってことで進んでたんです。でも、それじゃあ『emit.』からの進化は感じられないし、いつもの僕らっぽいものになってしまうと思ったんです。J-POPの世界って、ものすごい猛者の集まりだと思うんですよ。THE KIDDIEはその猛者たちと同じ舞台で戦い続けようっていう意識で今回は挑みたかったんですよね。THE KIDDIEはずっと新しいことをやり続けるって決めたバンドだし、きっと、自分たちの中に染み付いたものを出せば、もう自然とTHE KIDDIEっぽくなるんですよ。だから、こういう挑戦もアリなんじゃないかと」(揺紗)

世の中的にカントリーとEDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)の全盛期という分析を元に、この曲のアイデアとして出て来たのは、日本のカントリーである「演歌」とEDMの融合。「演歌」と言っても、THE KIDDIEの中に潜在意識として眠る「演歌」である。

「ちょうど発売日は4月だし、桜の曲なら頭に残るよねって話になって。サビは桜に対しての“咲け”でもあり、花見で飲む“酒”っていう遊び心的なダブルミーニングにしたりして。でも、僕らは別に和バンドになるつもりもないから、和の要素は、どれくらい入れて、どれくらい抜くかっていうさじ加減は非常に難しかった。曲だけじゃなく、ジャケットのデザインや衣装も」(揺紗)

試行錯誤を重ねた甲斐もあって、独特な和モダン・ダンス・ロックチューンに仕上がった。イントロから流れる淳の弾く軽快なアコギと、昭和と平成を行き来するような佑聖のオブリガードとの相性も絶妙だ。

「元々、“和”は好きなんですけど、バンドサウンドの中に入れるものならすぐ浮かぶんですけど、この曲のデモはバンドサウンドでもなかったし、最初はこの曲にギターって必要かなって思ったんです。そこまで“和”っていう感じのデモじゃないのに、ここに和を足すのなら、その役目はギターなのかなって。演歌でも、あの“泣き”を表現しているのはエレキだったりするし、だからこそ、やりすぎないようにするのが大変で。バンドサウンド的な部分を足すのも、和を足すのもこの曲ではギターが大事なポジションなんですよね」(佑聖)

「僕自身は、“和”は意識せずにフラットな感じで出来たかなぁと。この曲ではそんなに佑聖くんとの話し合いはあまりしなかったんですよ。僕の得意なところと、佑聖くんの得意なところをユウダイくんがうまく振り分けてくれて」(淳)

プリプロをはじめたころは「手探り感はハンパなかった」(佑聖)と作業を振り返るが、パーツパーツが出来上がるごとに、パズルが一枚の絵を生み出すような達成感があったという。今回はこの様子を一番客観的に見ていたベースのそらおが付け加える。

「最初は、“ベースが打ち込みなら、ライヴはどうするの?”っていう感覚だったんですよ。デモの時は完成形でもなかったから、まったくピンと来なくて。でも、佑聖くんと淳くんのギターが加わって、今までのTHE KIDDIEからも外れてないし、ちゃんとバンドサウンド感も伝わっているし、新しいことに挑戦出来ているなっていう印象になって。これからツアーもありますけど、ライヴではちゃんと僕がベースを弾きますよ。構成もだいぶ考えているので、それはライヴを見てのお楽しみです(笑)」(そらお)

「141487356」のほか、このシングルには、「emit.」からの流れを感じる「全てはこの掌の中に」、そらお作曲の「蝕」、CDオンリーのBタイプには揺紗の本音が赤裸々に綴られる「イデオロギー」等、ライヴで聴きたい楽曲が並ぶ。間違いなく、THE KIDDIEの新機軸となるであろう今作。必聴のシングルだ。

「1414287356」 4月16日発売
【A type】CD+DVD AVCD-48975/B ¥1,800+税
[CD]
1.1414287356
2.全てはこの掌の中に
3.蝕
[DVD]
1.1414287356 (Music Clip)
【B type】CD only
AVCD-48976 ¥1,500+税
1.1414287356
2.全てはこの掌の中に
3.蝕
4._イデオロギー

<THE KIDDIE SPRING TOUR 2014>
4月27日(日) 仙台HooK
5月02日(金) 名古屋ell FITS ALL
5月03日(土) 大阪RUIDO
5月09日(金) TSUTAYA O-WEST


◆THE KIDDIEオフィシャル・サイト
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