【インタビュー】ニール・ショーン「ギターというのは弾けば弾くほど、もっと弾きたくなるものでね」

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ジャーニーのギタリスト、ニール・ショーンが4月30日に日本先行発売する新作ソロ・アルバム『ソー・ユー』について語ってくれた。ジャーニーのドラマーでもあるディーン・カストロノヴォ、ホワイトスネイクやブルー・マーダー、最近ではブラックスター・ライダースで活動してきたマルコ・メンドーサとのトリオ編成によるベーシックなロック・サウンドに加え、全員が絶妙なリード・ボーカルを聞かせているのが本作の大きな特徴だ。ナイト・レンジャーのジャック・ブレイズがソングライターとして参加している。

◆ニール・ショーン画像

マルコ・メンドーサとニール・ショーンがダブル・リード・ボーカルをとる「ホワット・ユー・ウォント」のビデオは4月26日(土)26時からのBSフジ「伊藤政則のロックTV!」で公開される。

──『ソー・ユー』の音楽性は、どのようなものだと説明しますか?

ニール・ショーン:俺とディーン、マルコの3人によるロック・アルバムだよ。ジャズやブルース、ファンクの要素もあるけど、ロックの背骨が通っている。ディーンはジャーニーでも一緒にやっているし、マルコともソウル・サーカスというバンドでアルバム『ワールド・プレイ』(2005)を出した。どちらも長い友人だし、凄腕のミュージシャンだよ。

──アルバムはいつレコーディングしたものでしょうか?

ニール・ショーン:実はジャーニーの『エクリプス』(2011)直後にレコーディングしたんだ。ギターというのは弾けば弾くほど、もっと弾きたくなるものでね。『エクリプス』を完成させた後、同じスタジオの向かいの部屋を押さえて、ソロ・アルバム『ザ・コーリング』(2012)をレコーディングした。そうしたら、さらに弾きたくなってしまったんだ!それでディーンとマルコをスタジオに招いて、一気に作ったのが『ソー・ユー』だよ。

──どんなアルバムを作ろうとしましたか?

ニール・ショーン:一発録りの生のフィーリングを出したかった。正確さよりエモーションを重視して、ギター・ソロのほとんどがファースト・テイクなんだ。ファースト・テイクには最も感情が込められていることが多いからね。ちょっとしたミスがあっても、気にしなかった。音楽は完璧である必要はないんだ。

──グルーブ感のあるハード・ロック「テイク・ア・ライド」からジャーニー調の曲、そしてインストゥルメンタルまで、さまざまなタイプの曲が収録されていますね。

ニール・ショーン:この3人で出来ることを、いろいろやってみたかったんだ。「ラヴ・ファインズ・ア・ウェイ」はジャーニーの『フロンティアーズ』(1983)に収録されている「トラブルド・チャイルド」と同時期に書いたアイディアを基にした。だからコード進行も似通っているんだ。そのせいで当時『フロンティアーズ』に入らず、そのまま30年ぐらい忘れられていた。改めて引っ張り出して、こんな良い曲だったのかと驚いたよ。それにジャック・ブレイズが歌詞をつけて完成させたんだ。ディーンが素晴らしいボーカルを聴かせている。

──ジャック・ブレイズはアルバムの6曲(日本盤ボーナスを加えると7曲)でソングライティングに関わっていますが、彼とはいつから交流があるのですか?

ニール・ショーン:ジャックと知り合ったのは1980年代前半なんだ。ナイト・レンジャーがデビューしたとき、彼らのファーストの頃だよ。ジャーニーの前座をナイト・レンジャーがやったこともあったし、ジャックとは長い友達だ。ずっと一緒に曲を書いてきたし、ジャーニー『アライヴァル』(2000)やジャックの『ジャック・ブレイズ』(2004)でも共演している。まだ発表されていない音源も山ほどあるよ。ジャックはすべてにおいて単刀直入なんだ。面倒臭いことは言わず、スタジオに入って、曲を書く。『ソー・ユー』では曲を書いて、歌詞のラフなアイディアを彼に聴かせて、完成させていくプロセスだった。彼は「セレニティ」でバック・ボーカルも歌っている。

──「セレニティ」もキャッチーで、ジャーニーに通じるものがある曲ですね?

ニール・ショーン:確かにディーンのハスキーなボーカルはスティーヴ・ペリーっぽくもあるし、アルバムで最もコマーシャルな曲だけど、ジャーニーとはかなり異なったタイプの曲だと思う。ひと昔前だったらラジオ向けのシングルにしていただろうけど、昔と今ではラジオの役割が違うからね。今のラジオは、30年前のジャーニーのヒット曲、「クライング・ナウ」「セパレイト・ウェイズ」はオンエアするけど、新しい曲は流してくれない。自分たちの曲を多くの人々に聴いてもらうには、映画の主題歌にしてもらうしかないんだ。

──インストゥルメンタル「エキゾチカ」は、あなたがジャーニー結成前に在籍していたサンタナを思わせる曲ですが、この曲をカルロス・サンタナに捧げたのは何故でしょうか?

ニール・ショーン:この曲のギター・プレイには、俺がサンタナ時代に学んだすべてが込められている。それでカルロスに感謝しているんだ。キーボード・パッドでループを作っていたらラテンのリズムみたいになったんで、そのトラックに乗せてジャムをやったんだ。ティンバレスやコンガこそないけど、『サンタナIII』(1971)の頃の雰囲気がある曲だ。ソロはほとんどインプロヴィゼーションだけど、自分の中に当時の魂が生きていることを再確認したね。

──ジャーニーとしての新作の予定はありますか?

ニール・ショーン:ツアーのスケジュールが詰まっているし、ニュー・アルバムはまだ先だけど、新曲を1~2曲レコーディングする予定だ。映画のサントラか、ダウンロード・シングルにするつもりだよ。ジャーニーとしての活動はもちろん、そろそろソロ・アーティストとしてのライヴ活動もやってみたいね。ツアーが実現したら、必ず日本にも行くから、それまで『ソー・ユー』を聴いて楽しみに待っていて欲しい。

インタビュー:山崎智之


ニール・ショーン フィーチャリング・メンドーサ&カストロノヴォ『ソー・ユー』
4月30日 日本先行発売
1.テイク・ア・ライド
2.ソー・ユー
3.エキゾチカ(インストゥルメンタル)
4.ホワット・ユー・ウォント
5.ラヴ・ファインズ・ア・ウェイ
6.オン・マイ・ウェイ
7.セレニティ
8.シェルター
9.ビッグ・オーシャン(インストゥルメンタル)
10.イーヴル・エヴァ※日本限定ボーナストラック
【メンバー】
・ニール・ショーン
・マルコ・メンドーサ(ベース / ボーカル)[ブルー・マーダー / ホワイトスネイク/ブラックスター・ライダース]
・ディーン・カストロノヴォ(ドラムス / ボーカル)[ジャーニー / バッド・イングリッシュ]
・ゲスト:ジャック・ブレイズ(ボーカル)[ナイト・レンジャー]、マディソン・ケイン(ボーカル)


◆ワードレコーズ・ダイレクト・ニール・ショーン直筆サイン入り「ソー・ユー」サイト
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