【インタビュー】DIV、結成2周年とその歩みのすべてを語る「ヴィジュアル系を元のサヤに戻したい」

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■ちゃんと演奏しているんだから、何か悪いところでもある?”って
■音源に近い演奏=良いライヴパフォーマンスということだけが色濃くあった

▲<1st Anniversary 1st Oneman「ONE BY ONE」>@TSUTAYA O-WEST
▲<1st Anniversary 1st Oneman「ONE BY ONE」>@TSUTAYA O-WEST
──その後、2012年は年内約40本と順調にライヴ活動をこなし、同年12月にはイベントながら渋谷公会堂のステージに立つわけですが、DIV初のホールライヴのことは覚えてます?

CHISA:僕はすでにホールを経験していたから、特別な意識はなかったんですね。ボーカルとしては当時、自分のパフォーマンスを真面目にやるだけだったというか。決まったことをきちっと。それがこのバンドの基本であり、“それぞれがそれをしっかりできているから大丈夫だ”という、まだそういう意識でした。

──良く言えば目的意識を持っていたということだと思うんだけど。

CHISA:はい。“DIVは完璧だ”とは思ってなかったにしても、現状できるMAXのパフォ─マンスは自分で把握しているつもりだった。だからこの時期に渋谷公会堂でやるとしたら、こういうライヴだろうなというイメージが自分の中にはあって。ただ、逆に、もっと深いところ……例えば“ライヴとはどうあるべきか”とかまで考える余裕がなかったのかも。言うなれば、“ちゃんとした機材で、ちゃんとチューニングが合っていて、ちゃんと演奏しているんだから、何か悪いところでもある?”って感じで。当時は“CD音源に近い演奏=良いライヴパフォーマンス”ということだけが色濃くあったのかな。

──年が明けて2013年3月に渋谷O-WESTで初ワンマンを迎えましたが?

CHISA:この頃は素直にバンド運営が楽しいと思えた時期で。結成時から考えていた流れがきれいにはまったんですよ。だから、“やっぱりな”とメンバー全員が思っていたというか。

──ワンマンを前に“やったぜ”という達成感ではなく、“やっぱりな”という確認に近いものだった?

CHISA:そう。“ほら、最初から考えてた流れ通り。絶対こうなるでしょ”って。例えば、まずライヴのセットリストが組めるように、多くの曲を収録できるミニアルバム(『無題のドキュメント』)を出す。その数ヶ月後に次のシングル(「夏の行方」)で機運に乗る。その次は「夏の行方」とは違ったバラード(「卒業」)で、という風に。1stワンマンまでその流れをずっと考えていて。全員、前のバンドまででたくさん失敗している人たちだから(苦笑)。その失敗例やデータがいっぱいあるんですよ。だからこそ、そうならないように詰めて考えて、話し合うことができたというか。

──超満員のお客さんがフロアで待っていて、幕が上がってパッとステージに出た時はどんな感覚でしたか?

将吾:これが本当のソールドアウトなのかと思った。

satoshi:うーん、俺は違って。“ああ、こういう感じね”と。

──なんすか、それ(笑)。

satoshi:初めてDIVのライヴ見る人も多かったと思うんです。だから自分が求めていたライヴではなかった。傍観している人が多かったというか。俺は、“大スターになれる、この瞬間”みたいな感じで期待を持ってステージに出たんですよ。そうしたら、あ、こういう感じねって。さて、真面目に演奏しようと(笑)。

──メンバーそれぞれが感じたことは違ったようだけど、このライヴで得たもの、掴んだものもあったんじゃないですか?

CHISA:気持ち的には、始動してからの一区切りというか、1stアニバーサリーという1周年がコンセプトだったので、またここから始まるんだなと感じました。でも逆に言うと、課題が浮き彫りになりましたね。

──その課題を具体的にいうと?

CHISA:機材面だったり、ステージに立ってるアーティストとしてのメンタルというか。

──でも、それまでは、ちゃんとした機材でちゃんと演奏しているんだから、何か悪いところでもある?っていう気持ちだったわけでしょ。

CHISA:ワンマンライヴの後で、事務所の社長から初めて課題を言われて。それまでは具体的な内容についての感想を直接言ってもらうことがなかったんですよ。もし仮に、ダメな部分があるとすれば、歌や演奏のクオリティだろうと思っていて。ところが、“機材面やメンタル”という指摘を受けて。落ち込むとかではなくて、びっくりしました。その後のDIVを左右する場面でしたね。

──その指摘というか、課題にメンバー全員が改めて気付かされたという?

CHISA:そう。11月の新宿BLAZEの2ndワンマンライヴに向けて、どう変われるのかなと。O-WESTとは違うライヴをしなきゃいけないという思いがはっきりあった。

──具体的にどんな話をバンドの中でしました?

将吾:ライヴのセットリストについては結構話しましたね。

satoshi:この時期からこだわりだした感じです。それまでは“流れ”しか考えてなかった。その流れというのはライヴの流れじゃなくて。前の曲との繋がりが良いか悪いかだけで曲を並べてたんです。その時期、事務所の社長からセットリストに対する話があって。「あのライヴはセットリストだけでみると最悪だよ」と。どう最悪だったのか、説明してもらったらよくわかったんです。このセットリストだと、感情的にライヴを理解できないでしょって。

CHISA:でも僕は、知ってる曲がどの順番にきても別に良いんじゃないの?って思ってたタイプで。だから、最初はあまりこの問題提起が理解できなかったんですよ。

将吾:僕もそう。知ってる曲が多ければ今日のセットリストは良かったなって思うから。

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