【ライヴレポート】ViViD、結成5周年アニバーサリーライヴで「一瞬一瞬に賭けていきたい」

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ViViDが4月19日(土)、<ViViD TOUR 2014「THE PENDULUM ~5th ANNIVERSARY~」>と銘打たれた結成5周年のアニバーサリーライヴをSHIBUYA-AXで開催した。ViViDのライヴには未来への不安を忘れさせてくれる光が降り注いでいる。それは彼らの存在から放たれるポジティブなエネルギーであり、音楽そのものが発している光だ。

◆ViViD 拡大画像

超満員の場内の歓声に迎えられ、それぞれの衣装でステージに登場したViViDが最初に演奏したのは2009年にリリースしたインディーズ時代の初アルバム『THE VIVID COLOR』に収録されている「波紋」だ。続いて最新アルバム『THE PENDULUM』から、スケール感と開放感に満ちあふれた「Winding Road」が届けられ、間奏でRENOが速弾きをキメ、イヴがステージ先端でひざまづきベースを弾きながら、フロアを見渡す。

最新曲のみならず、2ndシングル「BLUE」やインディーズ時代から演奏している「キミコイ」など、バンドのヒストリーが盛り込まれたセットリストも5周年の区切りにふさわしく、スペシャル感満載だったが、何よりも胸を打たれたのは、ViViDのロックバンド然としたアティチュードだった。

同じSHIBUYA-AXで2010年にメジャーデビューを発表したViViDは、翌年の1月に「「夢」~ムゲンノカナタ~」でメジャーデビュー。発表するシングルすべてオリコンウィークリーチャートのトップ10内に送りこみ、その1年後の2012年1月に日本武道館のステージに立った。が、異例のスピードでシーンを駆け上ったゆえの葛藤に苦しんだ時期もあり、壁を打破するべく、約2年をかけて全国47都道府県ライヴを敢行。その道のりは、まさにWinding Road、決して順風満帆ではなかったと思うが、ステージに立つ彼らから放たれる自信とヴィヴィッドな輝きはデビュー当時と何ひとつ変わっていなかった。

ライヴを重ねて、バンドに向き合い、スキルと表現力をさらに磨いてきたからこその経験に裏づけされた自信。全員がViViDに誇りを持っていて、自分たちの鳴らす音に確信を持っていることが、気持ちいいぐらいの潔さで伝わってきた。

バンドの大黒柱でありながら、華のあるプレイでオーディエンスの身体を揺らせるKo-kiとイヴのリズム隊、緻密でテクニカルなプレイでギターの魅力を存分に伝えてくれるRENO、彩り豊かでセンシティブなギターを鳴らすRYOGA、変則的でラウドなサウンドをモノともしない抜けた明度の高いヴォーカルを響かせるシンは、演劇の舞台を踏んだ経験も活かしたパフォーマンスで会場の空気を掴み、引っぱっていく。

「あらためて、この5年間、支えてくれてどうもありがとう」。感謝の意を述べたシンはツアー中、声が出なくなったことを話し、ステージに再び立てるようになったときの心情に触れた。

「そのときにホントにここで死んでもいいと思えた。俺はこうやって作っていく一瞬一瞬に賭けていきたい。みんなと作り上げていく未来を大事にしたい。枯れた声は戻るけど、この一瞬は戻らないし、後悔したくないから。そんな一瞬をつかみ取っていきたいと思います。今日、ここにいる全員のためだけにこの歌をうたいます」

真摯な言葉のあとに届けられたのは“愛とは何かと聞かれたら、君と応えるだろう”と歌う「message」。場内は感動の拍手に包まれた。本編ラストにデビューシングル「「夢」~ムゲンノカナタ~」の2014年バージョンと言ってもいい強靭な演奏が届けられたのも、今のViViDを象徴している気がした。“俺たちの描く夢や理想は何も変わっていない”。歌や奏でられる音のひとつひとつから、そんな想いが伝わってきた。

アンコールでは“君と描いた夢は消えない”、“つまづきながら歩いていく強さを見つけたから”と歌う最新シングル「光 -HIKARI-」を披露し、全員が挨拶。Ko-kiは4年前のAXを振り返り、「ここまで5人でViViDをやってこれて、すげえ嬉しいです」とコメント。イヴが「この前、結成したときにみんなで行ったファミレスに行ってウルッときちゃいました」と言うと、「あのときはRYOGAが目も合わせてくれなくて、この人とバンド組めるのかなと思った」とRENO。RYOGAは神妙な面持ちで「実は昨日の夜、眠れなくて……辛いことや悲しいことを乗り越えられたのもみんなのおかげです」とファンやメンバーひとりひとりにお礼を言って感無量。グッときたRENOは「俺らにとってはいろんなことが詰まった5年で、人生賭けてやってきたViViDがあったからここまで来れて、人としても成長できて、今思えば全てがいい経験です」と話し、大声で「僕らの音楽で元気になってほしいんですよ!!」と叫んだ。「コイツらと5年やれてホントに幸せです。僕は歌手なので、最後は歌で気持ちを伝えたい。大切なみんなに……」というシンの言葉のあとに贈られたラストナンバーは「Dear」。

ジャンルのボーダーラインを軽々と超えていくムゲンの可能性を秘めたViViDの未来に心から期待している。

取材・文◎山本弘子


■<ViViD TOUR 2014「THE PENDULUM~ALIVE~」>
5月23日(金) Zepp Fukuoka 18:00/18:30
[問]キョードー西日本:092-714-0159
5月27日(火) Zepp Namba 18:00/18:45
[問]キョードーインフォメーション:06-7732-8888
6月2日(月) Zepp Nagoya 18:00/18:30
[問]サンデーフォークプロモーション:052-320-9100
6月5日(木) Zepp Sapporo 18:00/18:30
[問]WESS:011-614-9999
6月11日(水) Zepp Tokyo 18:00/18:30
[問]DISK GARAGE:03-5436-9600
¥4,500(税込・DRINK代別)
※3歳以上チケット必要
[問]バックステージプロジェクト:03-5786-2400(平日12:00~19:00)


◆ViViD オフィシャルサイト
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