【ライブレポート】SHOW-YAプロデュース<NAONのYAON 2014>、ガールズアーティストによる全5時間全42曲のロックな祭典

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SHOW-YAプロデュース<NAONのYAON 2014>が4月29日、東京・日比谷野外大音楽堂にて開催された。2013年、5年ぶりに復活し大盛況を収めたこのイベントは2014年、さらなるパワーアップを遂げた。その詳細レポートに全91点の貴重なライブ写真をそえてお届けしたい。

◆<NAONのYAON 2014>出演者 拡大画像

▲中川翔子(with 寺田恵子&杏子)画像集
▲Gacharic Spin 画像集
▲Drop’s 画像集
▲Cyntia(with 中ノ森文子、黒木渚、矢沢洋子)画像集
▲LoVendoЯ 画像集
▲Zwei 画像集
▲稚菜 画像集
▲FLiP 画像集
▲森高千里(with 寺田恵子&杏子)画像集
▲シシド・カフカ 画像集
▲加藤ミリヤ 画像集
▲杏子 画像
▲星屑スキャット 画像集
▲八代亜紀(with 寺田恵子&星屑スキャット)画像集
▲土屋アンナ 画像集
▲相川七瀬 画像集
▲SHOW-YA(with 相川七瀬&中川翔子)画像集
▲<NAONのYAON 2014>all cast 画像
この日のトップバッターを務めたのは、2013年に引き続き二度目の出演となる中川翔子だ。そのオープニングナンバーから、<NAONのYAON>ならではの豪華コラボが実現した。イベント全体のMCを務めるSHOW-YAの寺田恵子、杏子とともにニューアルバム『9lives』のタイトル曲を熱唱。普段テレビ等でみせる姿とは違うエネルギッシュなパフォーマンスで、イベント会場が一気に熱を帯びるステージを繰り広げてくれた。

続いて登場したGacharic Spinは「ダンガンビート」「Lock On!!」といったアップテンポなナンバーを立て続けに披露。キュートなルックスとは裏腹に、圧倒的な演奏技術を持つバンドにガチャガチャダンサーズ2人を加えた華やかなステージングが客席を魅了した。

新曲「コール・ミー」を聴かせてくれたのはDrop'sだ。ボーカル&ギターの中野ミホによる優しくハスキーな歌声が心地よく、バンドサウンドと絶妙に融合したグルーヴ感は彼女たちならではのもの。そのブルージーな雰囲気にオーディエンスが引き込まれていった。

そしてステージは、Cyntiaを中心としたコラボコーナーへ。まずはCyntiaのみでアニメ『聖闘士星矢Ω』の主題歌「閃光ストリングス」を披露した。その後は、中ノ森文子、黒木渚、矢沢洋子といったアーティストを次々とステージに招き入れ、スピード感のあるステージを展開。ラストはゲストボーカルの3人と浜田麻里の「Return to Myself ~しない、しない、ナツ。」をバンドアレンジでカバーし、その伸びやかな美声が日比谷の空に響き渡った。

客席から大歓声が沸き上がる中、5組目に登場したのはLoVendoЯだ。田中れいな&岡田万里奈のツインボーカルに加え、魚住有希と宮澤茉凜のツインギターからなるバンド編成に、サポートベーシストとしてZweiのMeguが参加。「BINGO」と「不器用」の2曲を披露して、存在感の高さをアピールした。

LoVendoЯと入れ替わるように、純白の衣装にサングラス姿のZweiのボーカルAyumuがステージに登場すると、その存在感のある佇まいに圧倒される。「ずっと出したかったバンド」と寺田恵子に言わしめるだけあって、アグレッシブなサウンドとパフォーマンスがオーディエンスを熱く盛り上げた。

ソロシンガー稚菜のステージには、稚菜の出身校の副校長でもあるPRINCESS PRINCESSの渡辺敦子がサポートベーシストとして出演したほか、Ah-ran Kim、宮澤茉凜(LoVendoЯ)、魚住有希(LoVendoЯ)といった4人の同校出身同窓生によるスペシャルバンドが実現、貴重な師弟コラボが野音のステージで繰り広げられた。テーマ性の高い楽曲「戦火の詩」はビアノの弾き語りを主体としたもの。それまでの激しいステージとは一転して、透き通ったなかに強い意思が感じられる歌声に、オーディエンスもじっと耳を傾けた。

7組目に登場したのは、ガールズバンドの代表格のひとつとして認知されているFLiPだ。沖縄出身の彼女たちは、「ワンダーランド」「Raspberry Rhapsody」といったナンバーで、灼熱の太陽のように会場を照らすステージングで客席を魅了した。

ここまであっという間の全18曲。しかしライブはまだまだ中間地点だ。中だるみとは無縁の凄まじいパフォーマンスが次々と繰り広げられるステージに、この日、一番の歓声が野音を包み込んだ。それほど森高千里の登場は可憐で鮮烈なものだった。ステージは「非実力派宣言」「臭いものにはフタをしろ!!」と自身作詞による2曲を披露。そして森高が、寺田恵子と杏子の2人をゲストとしてステージに呼び込む。

「みんな、あの曲を想像してるでしょ? あの曲歌うからって何で呼ばれなきゃいけないの」──寺田
「ある意味勇気ある選曲!」──杏子

と、3人で冗談を言い合い、ひとしきり会場を沸かせると、会場と一体になって「私がオバさんになっても」のタイトルコール。ミニスカートの3人は振り付けもバッチリに、国民的ヒット曲を観客も含めた大合唱で歌い上げた。

ステージには、女性ドラマーの代表格のひとりでもあるシシド・カフカが登場した。「シシド・カフカ、参ります」とひと言だけ発し、「ラヴコリーダ」のイントロを叩き始める。「Miss.ミスミー」「キケンなふたり」を感情の全てをぶつけるような力強いドラムプレイとともに熱唱し、オーディエンスはその激しいステージングに酔いしれた。

陽が落ち始めた野音に照明の光が交錯するなか、<NAONのYAON>初参戦の加藤ミリヤが登場した。「一緒に歌ってください!」とオーディエンスを盛り上げると、先ほど演奏を終えたばかりのシシド・カフカがドラマーとして「HEART BEAT」に参加。ドラムソロで会場を沸かせる。続く代表曲「SAYONARAベイベー」で貴重なコラボを締めくくった。

<NAONのYAON>常連ともいえる杏子は、JAZZのスタンダードナンバー「Lullaby of Birdland」で野音の空間を幻想的に演出。ゲストボーカルとして土屋アンナをステージに招き入れ、BARBEE BOYSの「目を閉じておいでよ」を2人が歌うという贅沢な場面も。ラストナンバーは新曲「恋するBAILA BAILA」だ。ダンサーとホーンセクションを加えたラテン調の同曲では、オーディエンスに振り付けを教え、会場を一体化させるステージでド派手に盛り上げた。

ここで、寺田のMCを手伝いながら流石の話術でイベントを楽しませてきたミッツ・マングローブが、「1曲だけやらせて!」と寺田に懇願。女装歌謡ユニットである星屑スキャットのメンバー、ギャランティーク和恵とメイリー・ムーをステージに招き「マグネット・ジョーに気をつけろ」を披露した。これまでの出演アーティストとはひと味もふた味も異なるステージは、イベントに不可欠な起爆剤的アクセントとなり、イベントをカラフルなものにした。

そして寺田と星屑スキャットメンバーによる4人トークでは、「普段カラオケでどんな曲を歌ってるのか?」という話題に。「実は演歌が好き」という寺田が、カラオケでよく歌うという「舟唄」をアカペラで聴かせる。すると同曲のイントロがが鳴り響き、寺田がそのまま歌うかと思いきや、ステージ後方から本家、八代亜紀がまるで花道を歩くように登場した。このシークレットゲスト登場のサプライズには客席から怒号のような歓声が。八代亜紀のサプライズは「舟唄」のみならず、バックバンドにSHOW-YAを迎え入れてロックアレンジの「雨の慕情」を寺田や星屑スキャットと、おなじみの振り付けで歌い上げた。

会場の熱気をそのまま受け継ぐように登場した土屋アンナは、資生堂「アネッサ」のCMソングとしてお馴染みの「Brave vibration」を披露。圧倒的な存在感と優しい空気感が混在するステージは彼女にしか創れないものと改めて感じさせる。「楽しい!」という言葉を連発した土屋のステージは終始笑顔であふれていたが、その姿が会場中を幸せなものにしていた。

こちらも<NAONのYAON>になくてはならないアーティストの一人、相川七瀬が登場すると、場内からは待ってましたの大声援が。大ヒットナンバー「Sweet Emotion」ではサビの合唱が場内にこだまする。代表曲「夢見る少女じゃいられない」ではスペシャルコラボとして森高千里が再び登場。時代を代表する歌姫2人の夢の競演は<NAONのYAON>でしか見ることのできないエキサイティングなものとなった。

大トリは<NAONのYAON>プロデューサーでもあるSHOW-YAがステージへ。まずは2013年に再レコーディングされたハードなナンバー「奪いとれ」を皮切りに、テッパン曲「私は嵐」「限界LOVERS」へなだれ込む。さらにここで、またも夢の競演が実現。「限界LOVERS」では、相川七瀬と中川翔子を迎えたトリプルボーカルが客席を魅了した。長年積み上げた重厚なバンドサウンドと全身全霊のSHOW-YAによるステージパフォーマンスは、約5時間のステージの締めくくりとして十分すぎる力強いさがあった。

アンコールはステージ上に全出演者が集結、「あゝ無情」をラストナンバーにイベントは大団円を迎えた。全ての演奏終了後にはBGMの「THE ROSE」がしっとりと響き渡る。寺田恵子がステージに一人残り、マイクを使わずに生声で観客へ感謝の言葉を伝えた。こうしてガールズミュージシャンズの一大イベント<NAONのYAON 2014>が大盛況のうちに幕を閉じた。前回に引き続き、ますますパワーアップしていく<NAONのYAON>の次回開催が今から待ち遠しい。

撮影◎Shigeyuki Ushizawa

■<NAONのYAON 2014>
2014年4月29日(火・祝)@日比谷野外大音楽堂セットリスト
01.9lives(中川翔子 with 寺田恵子&杏子)
02.さかさま世界(中川翔子)
03.TYRANT too young(中川翔子)
04.ダンガンビート(Gacharic Spin)
05.Lock On!!(Gacharic Spin)
06.コール・ミー(Drop's)
07.コーク・エイジ(Drop's)
08.閃光ストリングス(Cyntia)
09.Get the glory(Cyntia with 中ノ森文子)
10.革命(Cyntia with 黒木渚)
11.Give Me!!!(Cyntia with 矢沢洋子)
12.Return to Myself ~しない、しない、ナツ。(Cyntia with 中ノ森文子&黒木渚&矢沢洋子)
13.BINGO(LoVendoЯ)
14.不器用(LoVendoЯ)
15.純情スペクトラ(Zwei)
16.戦火の詩(稚菜)
17.ワンダーランド(FLiP)
18.Raspberry Rhapsoby(FLiP)
19.非実力派宣言(森高千里)
20.臭いものにはフタをしろ!!(森高千里)
21.私がオバさんになっても(森高千里 with 寺田恵子&杏子)
22.ラヴコリーダ(シシド・カフカ)
23.Miss.ミスミー(シシド・カフカ)
24.キケンなふたり(シシド・カフカ)
25.HEART BEAT(加藤ミリヤ)
26.SAYONARAベイベー(加藤ミリヤ)
27.Lullaby of Birdland(杏子)
28.目を閉じておいでよ(杏子 with 土屋アンナ)
29.恋するBAILA BAILA(杏子)
30.マグネット・ジョーに気をつけろ(星屑スキャット)
31.舟唄(八代亜紀 with 寺田恵子)
32.雨の慕情(八代亜紀 with 寺田恵子&星屑スキャット)
33.Brave vibration(土屋アンナ)
34.UP TO YOU(土屋アンナ)
35.Sugar Palm(土屋アンナ)
36.Sweet Emotion(相川七瀬)
37.桜舞い降りる頃、涙色(相川七瀬)
38.夢見る少女じゃいられない(相川七瀬 with 森高千里)
39.奪いとれ(SHOW-YA)
40.私は嵐(SHOW-YA)
41.限界LOVERS(SHOW-YA with 相川七瀬&中川翔子)
<アンコール>
42. あゝ無情(all cast)


◆<NAONのYAON 2014>オフィシャルサイト
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