トム・モレロ「KISSは評論家のためのバンドではなく、ファンのためのバンド」

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KISSのデビュー40周年を記念したベスト・アルバム『KISS 40』が6月4日に日本発売、これを記念しiTunesでは全カタログがMastered For iTunesとして期間限定プライスダウンリリースとなっている。

◆KISS画像

またKISSユニバーサル ミュージック ジャパン公式サイトには、4月10日に行われたロックの殿堂入りの式典の際に行ったメンバー4人と、プレゼンターで登場したのトム・モレロのスピーチの日本語訳が全文掲載されている。KISSのコア・ファンとしても知られるトム・モレロのスピーチは、アメリカでテレビ放送された際にも「素晴らしい!」「感動した!」として非常に話題になったものだ。

   ◆   ◆   ◆

こんばんは、トム・モレロです。

彼らは地球上でもっとも顔を知られた4人で、最も偶像的で、いつでも最高のバンドでした。そんな彼らが今夜、ロックの殿堂入りを果たします。

KISSは私の大好きなバンドでしたが、KISSファンになることは簡単なことではありませんでした。KISSは評論家によってコテンパンにされてましたし、KISSのファンはアメリカの中学校、高校に通っている時も友達からバカにされ続けてきました。口げんかを吹っかけられたり、時には殴られるようなことも日常茶飯事でした。私は、15歳のいじめっ子の少年がこう言っていたのを思い出します、「お前は俺のケツにでもキスしてな!」って。KISSはいつも評論家からはバカにされ続けていましたが、KISSは評論家のためのバンドではなく、ファンのためのバンドでした。

シカゴの凍える朝、人生で初めてのコンサートのために、KISSのライブチケットを買う長い長い行例に並んでいました。ようやく買えたそのチケットには、そのライブが特別なものになるというヒントが書いており、私は本当に興奮していました。チケットに書かれていたのは「KISSの一部分の面」("A partial view of Kiss.")です。これはバンドがアーティスティックな試みだったり、新しい秘密が見られるという意味だと確信していました。本当は私の席は大きなポールの後ろという意味だったんですが(会場:笑)。でもその日、私が体験した2時間のライブは、とってもエキサイティングで、興奮するもので、音が大きくて、とてもスリリング時間でした。

ロックの殿堂に入るか入らないか、よく議論になることがありますが、私が思うに、その判断基準はとっても簡単です。「インパクト」「影響力」そして「最高なこと」です。KISSは紛れもなく、この要素を持っているバンドです。

「インパクト」?。 KISSは世界中で1億万枚以上のアルバムを売り上げています。彼らはアメリカだけでも28枚のゴールドアルバムを持っており、これはアメリカのロックバンドの歴史上、どんなバンドよりも多い数です。外見をシアトリカルにしたのは、彼らの発明です。しかし、私は、KISSの音楽そのものにインパクトを受けたのです。彼ら4人は、最高に偉大な楽曲を残しました。彼ら4人は、それぞれが最高に偉大なシンガーでもあります。彼らは『ALIVE!』という、最高ライブアルバムをリリースし、『Destroyer』、『Rock and Roll Over』、『Love Gun』、『Alive II』、『Dynasty』といったアルバムを続けて発売し、どのアルバムも魅力的なリフがあり、アンセム的なサビがあり、叫ぶようなソロがあります。この40年間、世界中のアリーナやスタジアムはその楽曲たちで湧き上がっているんです。

「影響力」? 単純に言うと、KISSは、私や他にいる何百万のものファンに、ロックを愛することを教えてくれました。エルヴィス・プレスリーとビートルズがKISSに影響を与えたように、KISSは我々に影響を与えたんです。彼らは、何百万もの若者の手に楽器をとらせました。彼らの影響はいたるところにあります。メタリカからレディ・ガガまで。KISSはジャンルを超えた何千ものアーティストにも影響を与え続けているんです。その中には既にロックの殿堂入りしている人たちもいます。彼らの影響は数えるだけでもTool、Pearl Jam、Alice In Chains、Slipknot、Garth Brooks、Pantera、Foo Fighters、Motley Crue、Lenny Kravitz、White Zombie、Soundgarden、Nine Inch Nailsといったバンド達、そしてもちろんRage Against The Machineにも与えています。

「インパクト」はクリア、「影響力」もクリア。最後の判断基準は、最高なこと(Awesomeness)」なことでしたね。最高なことがわかる簡単なテストがあります。みなさんが今までにKISSを聞いたことがない、見たことがない、KISSのメンバーをフィーチャーしたテレビ番組を見たことがないとしましょう。そんな人が、男が火を吹き、途方もなく長い舌で血を振りまき、ドラム台が天井まであがり、ギタープレイヤーのギターからロケットを発射して、フロントマンはターザンがスーパーヒーローになったように空中を飛びまわり、そのバンドの皆、ホラー映画やコミックに出てくるスーパースターのような、セクシーな歌舞伎のようなメイクをしているんです。4人全員が黒と銀の戦士のようなボンテージを来て、18cmものヒールのブーツを履いている。彼らが演奏するステージでは、爆発が起こり、サイレンが鳴り響き、紙ふぶきが舞い、無秩序でヘビーで汚くて文字通り最高なロックンロールのサウンドトラック要素に満ちています。そんなバンドを見たときに、あなたはこう言うでしょう「このバンドは、マジで最高じゃねぇか!ロックの殿堂に入るべきに決まってるぜ!」

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現在、無料アプリを使用したKISS直筆サイン色紙&KISS Tシャツがあたるキャンペーンも実施されている。

photo:BrianLowe


KISS『KISS 40』2枚組CD
2014年6月4日発売
UICY-15297 \3,240(税込)
01. ナッシング・トゥ・ルーズ
 アルバム『地獄からの使者~キッス・ファースト』(1974年)より
02. レット・ミー・ゴー、ロックン・ロール
 アルバム『地獄の叫び』(1974年)より
03. 激しい愛を
 アルバム『地獄への接吻』(1975年)より
04. ロックン・ロール・オール・ナイト(ライヴ)
 アルバム『アライヴ!~地獄の狂獣』(1975年)より
05. 雷神(デモ)
 アルバム『地獄の軍団』(1976年)録音時のデモ音源 / ボックス・セット『KISS BOX』より
06. ベス
 アルバム『地獄の軍団』(1976年)より
07. ハード・ラック・ウーマン
 アルバム『地獄のロック・ファイアー』(1976年)より
08. レピュテーション(デモ) ※未発表曲
 アルバム『ラヴ・ガン』(1977年)録音時の未発表デモ音源
09. クリスティーン・シックスティーン
 アルバム『ラヴ・ガン』(1977年)より
10. 狂気の叫び(ライヴ)
 アルバム『アライヴⅡ』(1977年)より
11. ストラッター’78
 アルバム『ダブル・プラチナム』(1978年)より
12. ユー・マター・トゥ・ミー - ピーター・クリス
 アルバム『ピーター・クリス』(1978年)より
13. レイディオアクティヴ - ジーン・シモンズ
 アルバム『ジーン・シモンズ』(1978年)より
14. ニューヨーク・グルーヴ - エース・フレーリー
 アルバム『エース・フレーリー』(1978年)より
15. ホールド・ミー、タッチ・ミー - ポール・スタンレー
 アルバム『ポール・スタンレー』(1978年)より
16. ラヴィン・ユー・ベイビー(シングル・エディット)
 アルバム『地獄からの脱出』(1978年)収録曲 / 1979年リリースのシングル・ヴァージョン
17. シャンディ
 アルバム『仮面の正体』(1980年)より
18. 英雄なき世界
 アルバム『エルダー~魔界大決戦』(1981年)より
19. アイ・ラヴ・イット・ラウド
 アルバム『クリーチャーズ・オブ・ザ・ナイト(暗黒の神話)』(1982年)より
20. 闇への祈り
 アルバム『キッス・キラーズ』(1982年)より
21. リック・イット・アップ
 アルバム『リック・イット・アップ~地獄の回想』(1983年)より
22. ヘヴンズ・オン・ファイアー
 アルバム『アニマライズ』(1984年)より
[CD-2]
01. ティアーズ・アー・フォーリン
 アルバム『アサイラム』(1985年)より
02. リーズン・トゥ・リヴ
 アルバム『クレイジー・ナイト』(1987年)より
03. 禁断のロックン・ロール
 アルバム『グレイテスト・キッス』(1988年)より
04. フォーエヴァー
 アルバム『ホット・イン・ザ・シェイド』(1990年)より
05. ゴッド・ゲイヴ・ロックン・ロール・トゥ・ユー・II
 アルバム『リヴェンジ』(1991年)より
06. アンホーリー(ライヴ)
 アルバム『アライヴⅢ』(1993年)より
07. ドゥ・ユー・ラヴ・ミー(MTVアンプラグド)
 アルバム『MTVアンプラグド~地獄の再会』(1996年)より
08. ルーム・サーヴィス(ライヴ)
 アルバム『ベスト・オブ・ベスト~KISSアライヴ!』(1996年)より
09. ジャングル(ラジオ・エディット)
 アルバム『カーニヴァル・オブ・ソウルズ』(1997年)収録曲 / ラジオ・エディット
10. サイコ・サーカス
 アルバム『サイコ・サーカス』(1998年)より
11. ナッシング・キャン・キープ・ミー・フロム・ユー
 映画「デトロイト・ロック・シティ」オリジナル・サウンドトラック(1999年)より
12. デトロイト・ロック・シティ(ライヴ)
 アルバム『アライヴⅣ~地獄の交響曲』(2003年)より
13. ジュース(ライヴ)  ※日本未発表ライヴ
2004年7月4日、米国ペンシルバニア州バーゲッツタウン公演からのライヴ音源
14. ファイアーハウス(ライヴ) 
 アルバム『Alive Box』(2006年)より
15. モダン・デイ・デライア  ※日本未発表曲
 日本未発表アルバム『Sonic Boom』(2009年)より
16. コールド・ジン(ライヴ)  ※日本未発表ライヴ
 2009年9月25日、米国ミシガン州デトロイト公演からのライヴ音源
17. クレイジー・ナイト(ライヴ)  ※日本未発表ライヴ
 2010年6月18日、オランダ・アーネム公演からのライヴ音源
18. ヘル・オア・ハレルヤ
 アルバム『モンスター~地獄の獣神』(2012年)より
日本盤ボーナス・トラック
19. ヘル・オア・ハレルヤ(ライヴ・アット・武道館2013) ※未発表ライヴ
 2013年10月24日、東京・日本武道館公演からのライヴ音源

◆「KISS40」インパクト写真コンテスト 詳細ページ
◆KISSオフィシャルサイト
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