<TOKYO GUITAR SHOW 2014>、来日するフェンダー・マスタービルダーのポール・ウォーラーからギターファンへメッセージ

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6月28日(土)、29日(日)にベルサール渋谷ガーデンで開催される<TOKYO GUITAR SHOW 2014>で、ギター・セットアップのデモンストレーションを開催するフェンダーカスタムショップのマスタービルダー、ポール・ウォーラー氏にインタビューを敢行した。マスタービルダーの仕事内容やCharのシグネチャーモデルについて、そして日本のギターファンへのメッセージをどうぞ。

◆Charizma、Free Spirits~拡大画像~

ポール・ウォーラー氏は、Charのシグネチャー・ストラトキャスター“Charizma(カリズマ)”、そしてシグネイチャー・マスタング“Free Spirits(フリー・スピリッツ)”を手がけたフェンダーカスタムショップのマスタービルダー。イベント当日、Fender Showcaseエリアで行われるギター・セットアップのデモンストレーションでは、彼が普段カリフォルニアで行っているギター製作作業を間近で見ることができる。ギターの自作をする人はもちろん、メンテナンスを自分でやりたいという人も必見のデモンストレーションだ。

来日を前に、ポール・ウォーラー氏がBARKSからの質問に答えてくれた。マスタービルダーの仕事内容やCharのシグネチャーモデルについて、そして日本のギターファンへのメッセージも届けられている。<TOKYO GUITAR SHOW 2014>で彼の技に触れる前にぜひチェックしてほしい。

   ◆   ◆   ◆

──マスタービルダーとは、具体的にどのような仕事内容なのでしょうか?

ポール・ウォーラー(以下、ポール):仕事は多岐に及びます。ギターの構造に精通していることは、そのほんの一部にすぎません。アーティストをはじめ、お客様一人ひとりのニーズに見合った納得のいくカスタムギターを作ることも大切な仕事です。ギター製作はもちろん、トレーニング、デザイン、アーティスト対応、販売サポート、製造サポート、お客様の要望に応じた納期管理など、数多くの仕事があります。

──マスタービルダーの仕事でいちばん苦労することは?

ポール:個人的にいえば……時間が足りないことでしょうか。スケジュールに間に合うよう懸命に働いてはいるのですが、(あくまで私の場合)なかなか余裕が生まれません。最終的な期限を守るために、一日単位、週単位、月単位の目標を設定し、着実に作業を進める努力はしています。でも新製品の開発や特別なプロジェクトに取り組むには、もっと時間が欲しいんですよね。

──マスタービルダーという仕事の誇りとは?

ポール:当然のことながら、どのビルダーにも得意・不得意があります。マスタービルダーならではの能力があるとすれば、それはフェンダーの名に恥じない逸品を作るために、最後までこだわり抜く姿勢ではないでしょうか。個人的には、フェンダーに限らず、すべてのギターメーカーがそうあるべきだと思います。常に最高品質のギターをお届けすることこそ、私たちの大きな誇りです。

──マスタービルダーになるためには、どういうことをすればいいのでしょうか?

ポール:まずは忍耐。カスタムショップで働くという希望をかなえた者にとって、マスタービルダーは製作部門の頂点となるポストです。そこへ到達するには、勤勉さ、鋭い眼力、粘り強さ、フェンダー・ブランドへの強い愛着などが不可欠です。私はカスタムショップの遺産を引き継ぐために、毎日謙虚な気持ちで努力しています。次世代のビルダーにもぜひ、この情熱を受け継いでほしいと思います。


▲ポール・ウォーラー氏が手がけたCharのシグネチャーモデル、CharizmaとFree Spirits。
──日本人アーティストCharのシグネチャーモデル“Charizma”と“Free Spirits”の制作に至った経緯を教えてください。

ポール:私をビルダーにと、Charから指名があったんです。息子さんと私が同じ年代だからというご縁もあってね。本当に驚きました。とても名誉なことです。優秀なビルダーがほかに7人もいるというのに、私を選んでくれるなんて。すごいでしょう?

──“Charizma”と“Free Spirits”の最大の特徴とは?

ポール:色がいいんですよ、すごく。私のお気に入りはメープルシュガー。煤竹色の温かみがストラトキャスターに加わると、何ともいえないヴィンテージ感が出ます。遠い昔のヴィンテージカラーかと見まがうほど。ヘッドのカラーをボディと同色にすることで、たいへん美しいギターに仕上がっています。

──日本のギターファンにメッセージをお願いします。

ポール:ギターメーカーとして皆様に最高品質をお届けすることが私たちの大きな誇りです。偉大なるフェンダーの遺産を受け継ぐ者としてこれからも精進してまいりますので、どうか私のみならずスタッフ一同へのご支援をよろしくお願いいたします。

Paul Waller
Fender Master Builder

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■“ポール・ウォーラ―”によるギター・セットアップのデモンストレーション
開催日時
・6月28(土)13:00~13:45
・6月29(日)13:00~13:45
開催場所:B1 Fender Showcase マスタービルダー デモスペース

<ポール・ウォーラー プロフィール>

マスタービルダー、ポール・ウォーラーは南カリフォルニア生粋の木工職人の家系で生まれ育ったので、早い時期から木工技術、そしてギター製作の素養が備わっていた。

14才の時に高校の木工場で人生最初のギターを作ったが、その時から常に前を見据えていた。高校を卒業後、キャビネット・ショップに就職、その後、南カリフォルニアの小さなギター・メーカーを経て、2000年にアリゾナ州フェニックスにあるRobert-Venn School of Luthiery に入学。そこでエレキ・ギターやアコースティック・ギターの構造やリペア方法を幅広く習得し、さらには現在でも彼の得意分野であるアーチトップ製作を専攻した。

ウォーラーはRobert-Vennで習得した技術を活かすため2003年にフェンダーに入社、そしてアーチトップの巨匠ボブ・ベネデッドの元で2年間従事した後、カスタムショップのマスタービルダー達からギター製作の技術をもの凄い勢いで習得していった。

彼のフェンダー・カスタムショップでの作品は、Char、U2のアダム・クレイトンのベース、ローリング・ストーンズのロニー・ウッドのストラトキャスターの共同製作などが挙げられる。さらには手作業で製作したアーチトップ・ギターや煉瓦を積み重ねたようなルックスの“carved brick”テレキャスターなど、芸術性の高いギターも数多く手がけている。

<TOKYO GUITAR SHOW 2014 概要>
会期:2013年6月28日(土)・29日(日)
 1日目:6月28日(土) 10:30~19:00
 2日目:6月29日(日) 10:30~17:00
会場:ベルサール渋谷ガーデン イベントホール
   〒150-0036 東京都渋谷区南平台町16-17 住友不動産渋谷ガーデンタワー1F・B1
入場料:
 前売り券:1,300円(税込)、当日券:1,500円(税込)
 ※高校生以下無料(学生証をご持参ください。)
 チケット取扱
 インターネット予約:ローチケ.com
 店頭:ローソン店頭設置「Loppi」 [Lコード] 35626

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