スーサイド・サイレンス、ミッチ・ラッカーよ永遠なれ

ツイート

USデスコアシーンで絶大な支持を集めながらフロントマン“ミッチ・ラッカー”の不慮の死によって一時的に活動の停止を余儀なくされたスーサイド・サイレンスが、多くのミュージシャンともに行なったミッチ・ラッカー追悼ライヴが発売となる。7月9日に発売される『ザ・ミッチ・ラッカー・メモリアル・ショウ~エンディング・イズ・ザ・ビギニング』だ。

◆『ザ・ミッチ・ラッカー・メモリアル・ショウ~エンディング・イズ・ザ・ビギニング』画像

2012年11月、バイクでの事故という突然のアクシデントにこの世を去ったミッチ・ラッカーだが、このイベントは、彼の音楽・人柄を讃え、そして彼の娘と家族をサポートするために2012年12月に行なわれたものだ。“エンディング・イズ・ザ・ビギニング”というサブタイトルが冠されているとおり、まさにスーサイド・サイレンスが新たなステージへと移行するための“始まり”とも言うべきワンナイト・スペシャルショウでもあった。

オースティン・カーライル(オブ・マイス&メン)、ダニー・ワースノップ(アスキング・アレクサンドリア)、ティム・ランベシス(アズ・アイ・レイ・ダイイング)ら、現代ヘヴィ・ロック/メタルコアの第一線級ボーカリスト達が次々と登場するのに加え、ロブ・フリン(マシーン・ヘッド)がブラック・サバスのカバー「ダイ・ヤング」を歌い、マックス・カヴァレラ(ソウルフライ)がセパルトゥラ時代の名曲「ルーツ・ブラディ・ルーツ」を捧げるなど、世代を越えたアーティスト達がリスペクトを込めてミッチ・ラッカーを讃えた。

ハイライトは公演のラストを飾るランディ・ブライズ(ラム・オブ・ゴッド)による「ユー・オンリー・リヴ・ワンス」だろうか。ミッチの強烈なメッセージで多くのリスナーの共感を得たバンドの代表曲を、オーディエンスとともに<一度きりの人生だ ハードに生きろ>と叫ぶ姿は、まさにミッチの魂が受け継がれていくことを感じさせる名シーンだ。

生前のミッチが遺したボーカル・トラックを使ったデフトーンズのカバー「エンジンNo.9」など泣かせる展開もあるが、決して湿っぽくなってしまうことはなく激烈なサウンドが全編を貫いている。観衆もそれにモッシュとサークル・ピットで応え、ミッチの人生へのセレブレーション(祝福)となった。

2014年7月9日、本作と同時に発売されるスーサイド・サイレンス最新作『ユー・キャント・ストップ・ミー』に新ボーカリストとして迎えられるエディ・ヘルミダ(当時はオール・シャル・ペリッシュに所属)もステージに登場するなど、まさにバンドの歴史において重要なターニング・ポイントとなったショーと言える。

この作品はすでに海外では発売されていたが、この日本盤にはライブ映像はもちろん、参加アーティストのインタビューやバックステージの模様、さらにはミッチ・ラッカー最後のインタビューなど貴重なボーナス映像全てに日本語字幕が付いている。同日7月9日に発売される最新作『ユー・キャント・ストップ・ミー』とあわせ、スーサイド・サイレンスというバンドを振り返るには絶好な作品となっている。


スーサイド・サイレンス『ザ・ミッチ・ラッカー・メモリアル・ショウ ~エンディング・イズ・ザ・ビギニング』
7月9日発売
CD+DVD VQCD-10383 \3,000+税
1.デストラクション・オブ・ア・スタチュー feat.ジョニー・デイヴィ(ジョブ・フォー・ア・カウボーイ)
2.ディストーティッド・ソート・オブ・アディクション feat.グレッグ・ウィルバーン(ザ・ディヴァステイデッド)
3.エンディング・イズ・ザ・ビギニング feat.ブルック・リーヴス(インペンディング・ドゥーム)
4.ブラジェンド・トゥ・デス feat.リッキー・フーヴァー(元サフォケイト)
5.アンアンサード feat.フィル・ボーズマン(ホワイトチャペル)
6.ガール・オブ・グラス feat.マイク・テリー(元バリー・ユア・デッド)
7.ザ・プライス・オブ・ビューティー feat.ダニー・ワースノップ(アスキング・アレクサンドリア)
8ノー・ピティ・フォー・ア・コワード feat.ジョニー・プラグ(ウインズ・オブ・プラグ)
9.ディセンゲージ feat.キャメロン・“ビッグ・チョコレート”・アルゴン(元バーニング・ザ・マセズ)
10.ノー・タイム・トゥ・ブリード feat.バーク・ヴァンロールティ(ウィズ・デッド・ハンズ・ライジング)
11.スモーク feat.アンソニー・ノターマソ(アフター・ザ・ベリアル)
12.ウェイク・アップ feat.ティム・ランベシス(アズ・アイ・レイ・ダイング)
13.マーチ・オブ・ブラック・クラウン
14.スレイヴス・トゥ・サブスタンス feat.エディ・ヘルミダ(オール・シャル・ペリッシュ)
15.OCD feat.オースティン・カーライル(オブ・マイス&メン)
16.ファック・エヴリシング feat.チャド・グレイ(マッドヴェイン / ヘルイェー)
17.ダイ・ヤング feat.ロブ・フリン(マシーン・ヘッド)
18.ルーツ・ブラッディ・ルーツ feat.マックス・カヴァレラ(ソウルフライ / カヴァレラ・コンスピラシー)
19.エンジン No.9 feat.ミッチ・ラッカー
20.ユー・オンリー・ライヴ・ワンス feat.ランディ・ブライズ(ラム・オブ・ゴッド)
DVDボーナス映像
■ビハインド・ザ・シーンズ:本公演のバックステージ、リハーサル、参加ミュージシャンのインタビュー映像(約32分)
■ミッチ・ラッカー~ラスト・インタビュー:生前のミッチ・ラッカー及びスーサイド・サイレンスのメンバーインタビュー(約4分)
■フォト・スライドショウ:本公演の模様を撮影したフォト・ギャラリー(約9分)

◆スーサイド・サイレンス『ザ・ミッチ・ラッカー・メモリアル・ショウ ~エンディング・イズ・ザ・ビギニング』公式サイト
◆スーサイド・サイレンス『ユー・キャント・ストップ・ミー』公式サイト
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス