SPEED-iD、3枚の過去作をネット上に全公開

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SPEED-iDが、1999年にリリースされた海外進出第一弾アルバム『UNHOLY NIGHT』以降発表された3タイトルのアルバムを、オフィシャルサイト上に全て公開した。全曲がストリーミングで聞けると同時に歌詞も公開されている。

◆SPEED-iD画像

SPEED-iDは現在、6年ぶりにあたるニューアルバム『THUNDERBIRD』を制作中だが、このアルバムもCD発売や配信は行わず、フリー・ストリーミングによる無料公開を考えていると言う。

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「音楽は今なかなかの苦境に立たされている。理想的アウトプットを失ってしまっている状態。作る側もある程度アウトプットの部分まで考えなければならないのではないかと思う。「俺ら演るから後はお前ら何とかしろよ」みたいな一般的演者スタンスがこの現状を招いたのではないかとは…考えすぎだろうか。」

「THUNDERBIRDが完成したら…アーティストとして、表現者として…自分なりに考えた様々なアウトプットを提示したいと思っています。まずは「聴いてもらう」事を大前提に考えて…かつてのインディーズシーンがそうであった様に。…で、今だから出来る様々な方法を模索したい…と思っています。」

-H.L.EURO Twitterより

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1993年の結成から現在まで独自のスタンスで活動を続けるSPEED-iDは、ゴス~パンクをルーツにした音楽性をもってビジュアル系黎明期の1990年代初頭のシーンにおいて既にカルトな存在感を放っていた。1990年代後半には、全英詞によるアルバム『UNHOLY NIGHT』を全ヨーロッパでリリースし、同年ドイツのゴス・シーンの重鎮バンドANGINA PECTORISとのカップリングによる全独ツアーを決行、ヨーロッパにおける活動の礎を作構築した。

この海外進出と同時に、彼らはSISTERS OF MERCYやTHE CULTと言ったアーティストの影響を公言する様になり、サウンドはオールドスクールのハード・ゴスに還り、ゴス独特の重低音により歌われるボーカルは全て英詞というスタイルが定着していった。限りなく洋楽に近いスタイルは、かつての国内のファン層の他、海外のファン層にも今なお強い支持を受けている状況にある。

ボーカルのH.L.EUROは海外進出以降、自らメジャーのディストリビューションによるレーベルを率いてアルバムを発表してきたが、自身のTwitter等で音源の発表の在り方に対する疑問を度々吐露しており、ここにきて音源の無料公開を“理想的アウトプット”として公開するに至ったようだ。

◆UNHOLY NIGHT(1999/2011)フリー・ストリーミング
◆iNDEEP lp(2008)フリー・ストリーミング
◆GOOD EVENING,EVILIAN(Live Rec - 2009)フリー・ストリーミング
◆SPEED-iDオフィシャルサイト
◆Twitter(@HLEURO)
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