【インタビュー】Crack6、新作にALvinoとTMH4N'Sも参加「10thアニバーサリー二部作が完成した」

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■9人並ぶとアイドルグループか!?っていう(笑)
■かなりゴージャスな映像になってるので、ぜひ見てほしい

──そして、イベントが引き金になって生まれた「Crazy Monsters」はライヴ感たっぷりのアガるナンバーですね。

MSTR:アルバムの方向性を示してくれた曲ですね。TENZIXX(Ba&SCREAMING VOICE)が作ってくれた曲で、盛り上がれるパーティチューン。みんなで“ウォーッ”とか“イエーッ”って叫んで騒げるような曲にしたかった。Crack6バージョンはギターリフは自分がメインで弾いていて、ソロに関しては前半がSHIGE ROCKSで後半が俺ですね。

──熱くて濃いダンスロックに仕上がりましたね。

MSTR:そうですね。QUEENの「We Will Rock You」みたいによく曲を知らなくても、サビだけ知ってればノレちゃうとか、リズムに合わせて跳ねてればOKみたいな曲にしたかった。こういうミクスチャー的なダンスロックは昔からやってるので、むしろ従来のCrack6っぽい曲ですね。

──通常盤に収録されている「Crazy Monsters~Crazy All Monsters ver.」のほうのエピソードは?

MSTR:こっちのセッションはCrack6バージョン「Crazy Monsters」の土台ができてから、Ricky、潤くん、KOJIくん、SHUNくんに話をしてバージョン違いを作ろうって。ALvinoチームは、ちょうどツアーの真っ最中だったんだけど、快く引き受けてくれて。2人のギターソロは恐らく本番当日のリハーサル中にライブハウスで録ったものをデータで送ってくれたんじゃないかな。SHUNくんもギタリストなんだけど、THE MICRO HEAD 4N’SでDJもやってるのを知ってたから、よかったらDJで参加してくれないかってお願いして。Rickyさんには実際にスタジオに来てもらったんだけど、去年、「KICK!」って曲で一緒にセッションした経験があって、雰囲気は掴めていたから、本番当日に「じゃあ、この部分、歌う?」ってノリでパートを振り分けて、レコーディングした感じでしたね。俺のキーに合わせてるから低かったと思うんだけど、ちょっとした短いワンフレーズでも俺とは違う歌い方をしてくれるので、プロの技だなぁって思いましたね。

──そのメンバーが入り乱れるミュージックビデオも派手で見所満載。

MSTR:偶然、1日だけ全員のスケジュールが空いている日があったんですけど、9人並ぶとアイドルグループか!?っていう(笑)。最初は「立ち位置、どうしよう」ってお互いに探ってたんですけど、3回目ぐらいで、うまくローテーションが組めるようになって。

──全員の見せ場があって派手なフォーメーションですよね。

MSTR:全員、映ってるシーンではカメラ同時に3台ぐらいまわしましたね。パフォーマンスを見て、みんな、やっぱりプロフェッショナルだなって。かなりゴージャスな映像になってるので、ぜひ見てほしいですね。

──そこから曲調がガラッと変わって、3曲目の「Jump out!」はリズムの刻みが気持ちいい爽快感のあるポップチューン。歌詞はギターヒーローからのラブソングなのかなと。

MSTR:ははは。これはアルバムの中で最後に作った曲ですね。U6が持ってきてくれた曲をもとに俺がBメロとサビを作ったんだけど、いい感じのコラボレーションができたなって。曲に関しては、SHIGE ROCKSとJIRO 6(Dr&Manipulator)と最終アレンジをして、歌詞に関してはU6が“マーシャル”とか“ディストーション”、“サスティーン”とかギターにまつわる言葉を入れたいって言うから、それをもとに2人で夜から次の日の朝まで考えて書きました。結果、これも悲恋の曲になったんですけど、書いてるうちに、俺の中では『ナイトホークス』っていう映画が浮かんでいた歌詞。ある恋人同士が、悪い魔女に呪いをかけられて、男は昼は人間だけど夜はオオカミになってしまい、女は昼は鷹なんだけど夜は人間になるっていう、一緒にいるのに会話ができないっていう悲しい映画なんですけど。そこからじゃあ、月と太陽みたいな関係の2人の歌詞にしようって。一緒にはいられないけど、太陽の光がないと月は輝けないじゃないですか。だから、最後に“君の光が 僕を照らすよ 愛を込めて 太陽みたいな君へ”って歌ってるんです。あと、Bメロではライブを意識してUちゃんと歌のかけあいをしている曲ですね。男女のツインヴォーカルみたいなイメージ。

──タイトルにまず驚いたのが4曲目「キミが好き」でした。超ストレートだから、どうしたんだろう? と思って聴いたら、爆笑しました。黄身……卵がそんなに好きだったのかって(笑)。

MSTR:まず、今回のミニアルバム、タイトルだけオフィシャルサイトで発表したんですけど、「そんなにベタなラブソング書いたんですか?」ってファンの人達からも言われて(笑)、でも、そういうふうに思われていたほうが実際に聴いたときに面白いかなって。まぁ結局「タダのダジャレかよ!?」って話なんですけど(笑)、これは大変でしたね。ビックバンドジャズとかファンクとかパンクが融合したような激しい曲にしたくて、まぁ曲はすぐに出来たんですけど、それより歌詞は卵について調べまくった。“Run! Run! Run! Run! Run! Run! 卵黄“っていう部分は仮歌詞の段階で書いてたので、「こういう曲なんだけど」ってスタジオで歌ったら、SHIGE ROCKSとJIRO 6が“何? それ!?”って明らかに変な顔してたから「この歌詞はほぼFix(決まり)です」って言いました(笑)。それからは、卵についての下調べだけで1週間ぐらいかかりましたね。卵料理の調理方法から鶏卵についての生物学的知識まで。

──この詞は傑作ですよ。卵へのエロティシズムすら感じさせる内容になっている。

MSTR:“Boiled! Boiled! Boild! ”って叫んでたりね。まさか自分が“I Want to Go To The Kitchen”っていう歌い出しの歌詞を書くとは(笑)。最後のほうなんか“とろり ふわり”とか、かなり抽象的な表現が出てきますからね。レコーディングは、歌は普通でしたけど、コーラスというかJIRO 6、U6、TENZIXXにもガヤを歌ってもらってるんですけど、実際、かけあいにも時間をかけましたね。ふざけてて、ほんの数時間で作り上げたように見える曲なんだけど、実は裏ではめちゃくちゃ手間隙かけて何日間もかけて作ったっていう。昔、ドリフ(ターズ)が、週1回の『8時だよ 全員集合』の生放送のために1週間費やしてたって話を後で聞いてビックリしたんですけど、よく考えたら、それぐらい真剣にやらないとダメなんだなと思ったのと、おこがましくも同じ考えですね(笑)。

──ここまで突き抜けてふざけた曲もなかったのでは?

MSTR:まぁ、「クスッ」って笑ってもらってなんぼの曲ですね。裏エピソードとしては間奏の超高速ベースソロはJIRO 6が考えたスラップフレーズをTENZIXXが弾いていて、ホーンセクションのアレンジはSHIGE ROCKSですね。みんなの結晶が光ってる曲。先日のFCライブで初めて演奏したときに「卵が好きっていう曲なんですけど」って言ったら、みんな「えっ!? どういうこと!?」って顔してましたね(笑)。これはぜひ、CDで歌詞を見ながら聴いてほしいですね。

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