新たな息吹を感じさせるエポック・メイキングなアルバム。アーティストの歩みにおいては、時にそういった歴史の転換点となるマスターピースが生まれることがある。Aldiousがリリースした『Dazed and Delight』は、まさにそういった重要な作品といっても過言ではないだろう。

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▲限定盤
▲通常盤
ビデオ・クリップも制作され、オープニングに配されたリード・トラック「Butterfly Effect」は、誰しもが思い描くAldious流メタルである。しかし、驚くのはここからだ。すでに各方面で語られているように、本作にはこれまでにないバリエーション豊かな楽曲が詰め込まれ、何が飛び出すかわからない、魅惑的な世界に誘われていくのである。

その事実が何を意味するのか? 明確な思いを形にできた充実感と未来に向けた意気揚々とした理想。メンバー個々の発言は自信に満ち溢れている。

「私はもともとルーツがメタルではないので、知らないこともあったんですね。だからこそ、今回は“こうあるべき”みたいな概念にとらわれずに、自由に自分なりのメタルを表現できたかなと思うんですね。アームを使ったギター・ソロだったり、ワーミーやワウを使ってみたり、ダウン・チューニングの曲もあったり、いろいろやりたかったことも詰め込めたし。すごく満足してますね」──トキ

「今回は「魅惑のパレード」のようなジャジーな曲もあったり、「The Breeze at Dawn」みたいな不思議な世界観の曲とかもあったりするんですけど、仕上がってみたら、すべてAldiousらしくなっているんですね。自分が書いた「アネモネ」では、ベース始まりにしたり、ベース・ソロを盛り込んだりしてみたんですけど、全部の曲が集まってみたら、偶然にもベースが活躍する場を今まで以上に与えてくださっていて。その意味では個人的には大変でしたけど(笑)」──サワ

特に変拍子なども交えた「The Breeze at Dawn」は、Aldiousが持つ表現力が多彩に発揮されたマテリアルだろう。作曲を手がけたYoshiは「この曲が一番の“問題作”って言われます(笑)」とその反響を“我が意を得たり”といった面持ちで素直に口にするが、ここで保たれる緊張感にこそ、着実に磨き上げられてきたバンドの真価が込められている。

「Aldiousってわかりやすくてキャッチーな曲っていうコンセプトが自分の中であったんで、ちょっとややこしい曲はあまり作らないようにしてたんですけど、意外とこういうものは得意なんですよ(笑)。それと、曲を作るときは基本的に影響されたくないんで、誰かアーティストをイメージしたりすることは今まで一切なかったんですね。でも、この曲は初めて、Re:NOが好きなFLYLEAFとかを意識したりして。新たな要素がありますね」──Yoshi

「自分もすごく好きなんですよ。いろんな曲が集まった中、最後にできた1曲だったよね。(原曲を)もらったときは、「最高、ヨッシー!」ってすぐに返事をして(笑)、速攻で歌詞も書いたんですよ」──Re:NO

一方ではRe:NOが17~18歳の頃に書いたという爽やかでポップな「Red strings」や、「今まであるすべての曲よりも激しいものを」(Re:NO)とトキと共作した「Megalomaniac」などもある。その幅広さを象徴するのがアルバム・タイトルの“Dazed and Delight”だが、現在の5人のヴィジュアルを含めた存在感をも体現する「シャンデリア」を始めとする歌詞の端々には、すべてノンフィクションであるがゆえの様々な局面での“光と闇”が描かれている。Re:NOの個性がポジティヴに進化を促すもう一つの核となった今のAldiousも自ずから見えてくるが、同時にメンバーそれぞれが相応のキャリアを重ねる中で、活き活きと自己表現に向き合う姿が瑞々しく映る。

「前作(『District Zero』/2013年)はRe:NOが加入して最初のアルバムだったので、これはやはりAldiousの王道でいこうと思ったんですけど、正直、今回のアルバムは好き嫌いが分かれるかなとは思いますね。ただ、あえて違うことを狙ったというよりは、好きだし、やりたいけど、今まで幅を広げてなかった部分に焦点を当てた感覚なんですよ。初期の頃から応援していただいている人にも新鮮に感じてもらえると思いますし、自信を持って出せる作品なんですよね」──Yoshi

このタイミングだからこそ、生まれるべくして生まれたアルバム。『Dazed and Delight』は彼女らが本来的に備えていた可能性を雄弁に語っている。本作がどのような理想郷へと自身を導くのか、Aldiousゆえの“Butterfly Effect(バタフライ効果)”が期待されるが、その効果がまず際立って表出してくるのが今夏の全国ツアーだろう。

「今回のアルバムで、オリジナル曲が47曲になったんですよ。その中からセットリストを決めつつあるんですけど、曲調の幅も広がってますし、自分たちでも未知の世界なんですよね。新たなアプローチも出しつつ、とにかく楽曲のよさをステージでも表現したいと思っています」──Yoshi

「一体感が今まで以上に作れるライブに持って行きたいですね。「Imagination」とか「シャンデリア」とか、パッとマイクを向けたら、すぐに歌ってもらえるぐらい、完璧にアルバムの曲を覚えて遊びに来てもらいたいなって(笑)」──Re:NO

なお、本作と先行シングル『Other World』に封入されている引換券を持ってライブ会場に足を運んだ人には、『アルディアス デモ1曲入りカセットテープ』がプレゼントされる。“カセットテープ”というメディアを選んだところがまずマニアックだが、インナーのデザイン等も併せて、1980年代のインディーズ・シーンを想起させるこだわりの逸品だ。そこに収められているのは「Imagination」のプリ・プロダクション・バージョンとも言えるもので、オープニングの構成が異なるという貴重なテイク。ファンなら必携のコレクターズ・アイテムだろう。

文:土屋京輔


『Dazed and Delight』
CD+DVD【限定盤】BSRS-023 ¥3,500+税
全12曲収録
※限定盤のみ、ミュージック・ビデオ「バタフライ・エフェクト」と、ミュージック・ビデオ「アザー・ワールド」「バタフライ・エフェクト」のメイキング映像が収録されたDVD付
解説:伊藤政則、藤木昌生(BURRN!)
歌詞付
CD【通常盤】BSRS-024 ¥2,800+税
全12曲収録
解説:伊藤政則、藤木昌生(BURRN!)
歌詞付

<Aldious Live Tour 2014 "Dazed and Delight">
7月6日(日) 静岡・浜松窓枠
7月9日(水) 新潟・GOLDEN PIGS BLACK
7月11日(金) 長野・NAGANO CLUB JUNK BOX
7月13日(日) 東京・TSUTAYA O-EAST
7月17日(木) 福岡・LIVEHOUSE CB
7月19日(土) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
7月20日(日) 京都・KYOTO MUSE
7月22日(火) 石川・vanvanV4
7月26日(土) 北海道・BESSIE HALL
8月3日(日) 神奈川・CLUB CITTA’
8月8日(金) 岩手・the five morioka
8月10日(日) 宮城・仙台MACANA
8月16日(土) 愛知・名古屋CLUB QUATTRO
8月17日(日) 大阪・梅田CLUB QUATTRO

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