【ライブレポート】武藤彩未、恐るべき実力を証明した“610の日”スペシャルライブ

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愛らしくキラキラと輝く笑顔に、確かな歌唱力と表現力。武藤彩未が持つアイドルとしてのカリスマ性と秘めたる可能性に期待を抱いたメジャーデビューからほんの1か月半あまりのこと。早くも、ソロアイドル、武藤彩未の新たな魅力をまざまざと実感した、そんな“610”の日だった。

◆武藤彩未<610の日LIVE 「A.Y.M. Ballads」> 画像

武藤彩未が、6月10日に自身の苗字“むとう”にかけて<610の日LIVE 「A.Y.M. Ballads」>と銘打ったスペシャルライブが、渋谷duo music exchangeにて行われた。

この日のライブは、全編生演奏で行われた。この編成はアイドルのライブとしては異例であり、武藤自身も初の試みであった。持ち前の歌唱力をどのように発揮するのか、“興味深い、楽しみだ!”。そんなライブ前の心持ちが少々呑気で甘かったと思わせるほど、武藤彩未はこのライブで実力と進化を見せつけてくれた。

ビルボードやブルーノートを彷彿とさせる空間が設けられたステージに、着席した観客。(※この日は立見席にも大勢の観客が)白を基調としたボタニカル柄のワンピースで登場した武藤彩未は、そのシチュエーションも相まって、いつもより大人な雰囲気。1曲目の「明日の風」、生演奏に乗せて伸びやかに響く武藤の歌声でいっきに魅了された観客は、いつもの歓声ではなく、大きな拍手を贈る。

そんな拍手に「ありがとうございます」と上品にお辞儀をした武藤だったが、「今日はいつもと違って大人っぽくお送りしようと頑張っていましたが……やっぱ、無理ですわ。いつもの感じで行きますね」と茶目っ気たっぷりの笑顔に。そして、「“610”の日。今日は1日限りの“ここだけの一瞬”をテーマにお届けしていきます」と話しながら、「皆さん、お気づきだと思いますが、今日はひとりじゃないんですよ!」とサポートメンバーを紹介した。サポートメンバーには、デビュー前から武藤を支えてきた、サウンドプロデューサーの本間昭光氏をピアノに、パーカッションには平井堅、コブクロ、いきものがかりのライブサポートを行う坂井“Lambsy”秀彰氏、そしてチェロには葉加瀬太郎のサウンドプロデュースを手掛ける柏木広樹氏という、豪華布陣が揃った。

続いて武藤は椅子に座ると、チェロのメロディーから始まる「宙」、会場から手拍子が起こった「Seventeen」を披露。バックを支えるアンサンブルに体を揺らしながら、豊かな表情で歌う武藤は、MCで「生演奏は本当に気持ちいいです」と話した。もちろん、この日のために準備と練習を重ねてきたのだと思うが、初めての試みとなる生演奏ライブをしっかりと“自分のもの”にしていることを証明するこのひと言には、驚きと感心が入り混じった。

この日のステージには、前述の大人な雰囲気があることに加え、カラフルな蛍光色の毛糸が会場中に張り巡らされているのも印象的だった。1980年代のソロアイドルの楽曲に心酔する1996年生まれの武藤が、現在18歳になるまでに辿ってきた楽曲を歌う。過去から現在、そして未来は繋がっている。そんなというメッセージが込められたこの演出。天井には“A”“Y”“M”という彼女の名前を表現した糸文字が施されており、これには観客も「おぉー!」と歓声をあげた。

そして演出にある“繋がり”を歌でも伝えるべく、「18歳までに絶対この曲を歌いたかった」と話した、敬愛する松田聖子の「Eighteen」、「お父さんとライブをよくライブを見に行った」という、川嶋あいの「大丈夫だよ」、デビュー前からカバーをしてきた浅香唯の「セシル」を透明感ある歌声で優しさを感じさせるように歌唱。また、在籍したアイドルユニット、さくら学院で自身の卒業ソングとなった「FRIENDS」をソロとして初めて歌い上げると、以前から彼女を知るファンからは大きな喝采が起こった。

ノスタルジックを感じさせるアレンジの「桜 ロマンス」、弾むパーカッションが心地よい「A.Y.M」を歌い上げ、「永遠と瞬間」で本編を締めたライブ。「生演奏だと、歌詞の意味をより感じることができませんか?」と観客に呼びかけながら、「歌詞に込められた思いを伝えるように歌うと、体中から汗が出ます!」と言った武藤の表情は充実感でいっぱいだった。そしてこの日、何度も「生演奏でライブができて幸せ」、「またやりたいです、生演奏」と伝えながら、アンコールラストの「彩りの夏」まで、圧倒的な歌唱力を披露した。アレンジが変わろうがブレることのない、歌声。一流のミュージシャンに支えられながら、でもそれ故にごまかしの効かないステージで堂々と歌う姿は、大変見事であった。また、それは、披露した全15曲、その度に大きな大きな拍手を贈った観客の姿が物語っていたとも思う。

アンコールでは“夏インフォメーション”として、7月に開催するサマーライブの追加公演を、8月1日に渋谷クラブクアトロで開催することを発表した。この日のライブで新たな魅力と実力を発揮した彼女が、またどんな進化を見せてくれるか、今から楽しみでならない。

会場の端から端まで歩き、観客に感謝を伝えるように手を振った後、ステージを去る際に「武藤の日、最高!」と愛らしい笑顔で駆け足のポーズをとった武藤。その姿に、まだまだ未知の可能性が秘められていることを確信しながら、こうも思った。

武藤彩未、恐るべし!

文◎BARKS編集部

<武藤彩未 SUMMER TRIAL LIVE 「20262701」>
7月20日(日) 西川口LIVE HOUSE Hearts
OPEN 17:30 / START 18:00
7月26日(土) 横浜BAYSIS
OPEN 17:30 / START 18:00
7月27日(日) 下北沢GARDEN
OPEN 17:30/ START 18:00
■追加公演
8月1日(金) SHIBUYA CLUB QUATTRO
OPEN 19:00/ START 19:30
チケット料金:¥4,320(税込/スタンディング・入場整理番号付/入場時1ドリンク別)
チケット一般発売日:2014年7月5日(土)12:00~

◆武藤彩未 オフィシャルサイト
◆武藤彩未 オフィシャルYoutubeチャンネル
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