クリプトン、ハイレゾ音楽をクラウド型配信サービスで提供、ユニバーサルミュージックの楽曲の配信も開始

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▲iOSアプリHQM Store Cloud Playerの画面。ALAC、FLAC、AAC、MP3フォーマットに対応。iOSのMusicアプリに保存されたWAV、AIFFも再生可能。
クリプトンは、7月11日より高音質ハイレゾ音楽配信サイトHQMストア新しいシステムを導入し、大幅に取り扱いコンテンツを拡大、7月末にはハイレゾ音楽をクラウド型配信サービスで販売することを発表した。また、新たなシステム展開とともに、ユニバーサルミュージックの楽曲の配信を開始する。

HQMストアが2009年6月に日本初のDRMフリーハイレゾ音楽配信サービスとしてスタートしてから2014年で5周年。これを機に日本初のハイレゾ対応クラウド型音楽配信サービス「HQMクラウド」による販売を7月末より開始する。対応機種はiPhone、iPadなどのiOS端末。iOSアプリの「HQM Store Cloud Player」をインストールすることで、手軽にハイレゾ配信が利用できるようになる。アプリはApp Storeで7月末からダウンロード可能、当面はクラウド・サービス開始記念として無料で提供する。

クラウドでの配信タイトル数はサービス開始時点で240タイトル。レーベルの意向もあり、クラシックからのスタートとなる。販売価格は60分程度で1,800円(税込)から。ファイルフォーマットはALAC 48kHz/24ビットまたは44.1kHz/24ビット。

7月2日に行われた発表会ではiOS採用の理由として、iOS端末は手軽に使え、ユーザーであれば利用の際に追加投資が不要なこと、PCと異なりセキュリティ面の利点があることなどが挙げられた。ハイレゾ楽曲では1時間で0.5GBとなり、端末の記憶容量が問題となるが、それを解決するのがクラウド・サービスであるとも。また、ファイルフォーマットについては、96kHz対応ではないものの24ビットとすることで解像度は256倍となり、CDと比べ音の立ち上がりやハーモニー、倍音の再現性が十分に高いことが示された。


▲HQM Store Cloud PlayerとiOS端末でPCレスで手軽にハイレゾが楽しめることをアピール。写真右はiPad miniの画面。Retinaディスプレイなら印刷物と同等のクオリティで画像やライナーノーツが楽しめる。

音楽再生に使う「HQM Store Cloud Player」ではHQMストア上のブックレットやライナーノーツの表示も可能。Retinaディスプレイであれば、高品質な画像表示が楽しめる。あらかじめ作成しておく一般的なプレイリストに加え、再生中に次に聴きたい曲を選択、追加できるテンポラリ(一時)・プレイ・リスト機能も用意。パソコンからの音楽データのインポートや、iOS端末のMusicの楽曲、プレイリストの再生も可能だ。

■ユニバーサルミュージック参入&ウェブサイトもリニューアル

7月11日にはHQMストアにユニバーサル・ミュージックが加わり、同社の豊富なカタログが投入されることになる。それにともない、HQMストアのウェブサイトをリニューアル。新たに「ショーウィンドウ」と呼ぶテーマごとにまとめられた売り場への入り口を用意。ジャンル別はもちろん、ノスタルジックな曲を集めた売り場や、ジャケットが素敵な曲を集めた売り場などが並び、検索機能も含めさまざまな角度からより楽曲を探しやすく構成。スタッフによるレコメンドも充実させる。


▲新しいウェブサイトのショーウィンドー(左)。オススメコメント(中)や各種ランキング(右)も用意。

ユニバーサルミュージックの配信タイトルは7月11日時点で約50タイトル。アントニオ・カルロス・ジョビン「イパネマの娘」、ザ・フー「四重人格-ライブ・イン・ロンドン」「トミー」、ドナ・サマー「ライブ・アンド・モア」、マイルス・ディヴィス「マイルス・デイヴィス ボリューム1」、レニー・クラヴィッツ「自由への疾走」、加藤登紀子「広島 愛の川」、由紀さおり&ピンク・マルティーニ「1969」など幅広いジャンルを揃える。販売価格はアルバム1枚で約3,000円から。

発表会には、ユニバーサルミュージック セールス・マーケティングMD代行 兼 戦略本部本部長の深尾尚宏氏が登場しコメントを寄せた。

▲「ハイレゾはいまが成長期」というユニバーサルミュージック セールス・マーケティングMD代行 兼 戦略本部本部長の深尾尚宏氏。
同社は昨年EMIと統合合併し、レパートリーが一気に拡充、もともとはグラモフォン、ポリドール、ポリグラムの流れがあり、クラシックに強いメーカーであると説明。レーベルではグラムフォンに加え、デッカがあり、ジャズではブルーノートが加わったことで圧倒的なシェアを持つ。レーベルではヴァーブ、インパルスといった主要なレーベルを保有、カタログとして流通させている。また、パッケージでは高音質を追求してきたメーカーであると自負しているとも。SACD、DVD-Audioにはじまり、2007年にはSHCDを共同開発、昨年はプラチナSHMを投入するなど、高音質へのこだわりについて語られた。そして音楽配信については、ダウンロード配信の数は実は昨年から落ちているが、ハイレゾ配信だけは伸びていることに言及。売上は倍々で伸びているとし、男女比は9割が男声という点に変わりはないが、年齢層が若返りボリュームゾーンが50~60代から40代に中心が移っている。なにかの産業、1つの分野が盛り上がるときにはユーザー層の変化が起こってきている。まさにハイレゾはいまが成長期、一般化の様相を見せているとした。

また、今回の参入については、「クリプトンのサイトに我々も参画することができてとてもうれしい」「クリプトンはハードウェアも扱っているし、ユーザーの目線でどうやったら広がっていくのかを細かく考えているメーカー。非常に勉強になり、刺激になった」とも。7月11日からの配信開始時にはユニバーサルから50タイトルを投入、年内にはこの50タイトルを含め600タイトル以上がスタンバイしている。ジャンル的にはジャズが200、クラシックが200、そして残りの200が洋楽ポップス(邦楽含む)の配信準備を進めているとした。最後にクリプトンのサイトのリニューアルに触れ、「ユーザーインターフェイスが改善されているということで期待している」とした。


▲「「今まで聞いてこなかった人に新たなオーディオファンを作りたい」と語るクリプトンの代表取締役の濱田正久氏。
クリプトンの代表取締役の濱田正久氏は、ユニバーサルの参入を受け、現在340のHQMストアのタイトルが今年末には1000以上になることに触れ、タイトル数を増やすだけでなく買いやすい、品質のよいサイトを作ることを目指したと今回のウェブサイトリニューアルを説明。スピーカーのハイレゾ対応や、すべてをインクルードしたハイレゾオーディオシステムの開発を進め、「ハイレゾリューションオーディオがあたりまえの世界になると思い、すべてをリニューアルしている」とした。また、ハイレゾリューションを楽しむことについて「今まで音楽を聴く人たちにとって敷居が高かった。iOS端末でハイレゾリューションの音を、今まで聞かなかった方たちが自在に聞いていただけるような仕組みを作りましたので、新たなオーディオファンを作っていきたい」とコメント。また、「今まで聞いてこなかった人に新たなオーディオファンを作りたい」「オーディオの世界が大きくなるような業界にしていきたい」とした。

<ユニバーサル ミュージックの今後の代表的な配信予定アーティスト>

●Rock / Pops
ザ・ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、ボン・ジョヴィ、エアロスミス、ロッド・スチュワート、ザ・ナック、パット・べネター、スティング、クリーム、キッス、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、スティーリー・ダン、スティービー・ワンダー、ライオネル・リッチー、マーヴィン・ゲイ、ケイティ・ペリー、ナット・キング・コール
●Jazz
マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、ルイ・アームストロング、ソニー・ロリンズ、ハービー・ ハンコック、アート・ブレーキー & ザ・ジャズ・メッセンジャーズ、エラ・フィッツジェラルド、スタン・ゲッツ、高中 正義
●Classic
カラヤン ベートーベン交響曲第9番、クライバー ベートーベン交響曲第5番、7番、シャイー マーラー交響曲第9番、小澤 征爾 ブラームス交響曲第1番、エレーヌ・グリモー ブラームス ピアノ協奏曲、アシュケナージ ラフマニノフ ピアノ協奏曲、マルタ・アルゲリッチ デビューリサイタル、ルチアーノ・パヴァロッティ

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