【ライヴレポート】ν[NEU]、織り姫と彦星が想いを交わしあった夜

ツイート

ν[NEU]が2014年7月6日の渋谷REXでのFC限定公演より、全30本行われる全国ワンマン・ツアー<★5th Anniversary★ONEMAN TOUR 2014>をスタートさせた。正式なツアーの幕開けとなる、7月7日TSUTAYA O-WEST公演の模様をお届けする。

◆ν[NEU] 画像

ここ何年か、七夕の日にワンマン・ライブを行うことをν[NEU]は恒例にしている。しかも「織り姫と彦星が年に一度だけ出会い、愛を育める日」とあって、メンバーたちも毎回いろんな趣向を凝らしている。この日行われたワンマン・ライブは、客席の後ろのドアから姿を現し、観客たちの波を掻き分け舞台上へ上がる俗に言う「プロレス入場方式」を取って5人はステージ上に登場。メンバー5人が後ろの扉から姿を現したときの織り姫たちの熱狂的な声には、サプライズ的な登場による驚きはもちろん、5人が艶やかな浴衣姿だったことも大きな要因になっていた。中にはアニメに出てくる少年勇者のような出で立ちにしか見えないメンバーも一名いたが、その遊び心もν[NEU]ならではのセンスと言うべきか。

ライブはニューシングル「ひとりじゃない」よりスタート。温かさを持って響き出した演奏と歌声。改めて、支えてくれる仲間たちがいるからこそ未来へ躍進していけることを噛みしめながら、5人は舞台上から想いを届けてきた。

「本日は彦星としてみなさんを守るためにやってきました」──ヒィロ(B)


今回は5周年を祝うツアーということもあり、毎回メニューを変えながらν[NEU]5年間の歩みを届ける形で進められてゆく中、「恋模様」や「スプラッシュ!」、「E.Y.E」のようなデジタルロック色を強く打ち出していた活動初~中期頃の楽曲を中心に構成。甘く危険な香り漂うジャジーな「E.Y.E」では、各自のソロ演奏も曲中に登場。この日はあいにくの雨模様。「今日は残念ながら雨が降ってしまいました。こんな日はこの歌を」と語りながら、哀切な歌が胸に染みる「アマオト」を届けてゆくなど、その日によって巧みに選曲を変え、雰囲気を彩ってゆく手腕もさすがだ。最近は「everlasting light」や「The 25th Century Love」のような、熱狂を描きながらも、「歌」を胸に届ける姿勢を一番に押し出した楽曲を表現の軸に据えているν[NEU]だが、この日は哀愁味を持ったバラードの「APPOLON」なども中へ組み込んでたとはいえ、触れたとたんに感情を熱く掻き立ててゆく「desire」や「cube」、ラウドな音を通し場内をヘドバン空間に染め上げた「LAB」など、一緒に激しく騒ぎ立てる楽曲たちを中心にパーティ空間を作り上げてゆくことを彼らは心がけていた。

もちろん「妄想接吻」のような、観客たちと一緒に両手でハートを作りながらはしゃいでゆくロマンティックなポップ・チューンや、会場中の人たちが思いきり手を振り上げ“YES NO、YES NO”と唄い続けたデジタル系ダンスナンバー「YES≒NO」など、親しみあふれた明るく開放的な楽曲も組み込んでいた。「妄想接吻」ではギターの華遊がキスを求めてきたことから、ヴォーカルのみつが頬に軽くChu!と口づける、女性の妄想意識を思いきり掻き立ててゆく場面が登場していたこともお伝えしておこう。

他にも、夏の始まりの時期に絡め、T.M.Revolutionの「HOT LIMIT」をカヴァーしてゆく遊び心も発揮。ライブに於ける熱狂を生み出すうえで定番化している「ピンクマーブル」を通し、場内中の人たちの理性の螺子を壊し、熱狂の風景を描きあげたかと思えば、最後の最後に奏でた「エンドロール」ではハートフルな演奏に身や心を預けた観客たちが、何度も何度も大きな合唱を繰り返していた。

「もっと一緒にいられるよう解けない魔法で願いを叶えて 小さくてもいい 届いてるから君がいてくれたらそれでいい」
「エンドロール」に記した想いこそ、ν[NEU]がファンたちに求めている素直な気持ち。互いに同じ意志を持っているからこそ、この歌が流れるたびに場内へ大合唱が起きるのだろう。まして今宵は、七夕の夜。「織り姫(ファン)と彦星(ν[NEU])」が、互いの高まった想いを交わしあい、心一つになっていく日にピッタリの心境ではないか。

ライブ中のMCで、ヴォーカルのみつが「今までは「愛だよ」なんて恥ずかしくて言えなかった。でも今は、「愛だな」と素直に言えるようになった」と語っていた。変に肩肘張ることなく、ただただ素直な気持ちを楽曲やライブを通し告白し続けているのが、今のν[NEU]の姿。その想いを記した「ひとりじゃない」が大勢の人たちから支持を得たのも、彼らの素顔な言葉に触れ、同じよう自分もすっぴんな心で歌と握手したい人たちがたくさん居たからなんだと思う。

年内いっぱい続く今回のツアー。セットリストにも毎回いろんな変化がみられるよう、ぜひν[NEU]の5年間の歩みに触れながら、笑顔でいられる至福な2時間を楽しんでいただきたい。

TEXT:長澤智典
LIVE PHOTO:藤原悠里

<ν[NEU] 5th Anniversary★ONEMAN TOUR 2014>
2014年7月7日(月)TSUTAYA O-WEST
セットリスト
1.ひとりじゃない
2.恋模様
3.スプラッシュ!
4.アマオト
5.E.Y.E
6.APOLLON
7.YES≒NO
8.desire
9.cube
10.妄想接吻
11.LAB
12.ピンクマーブル
13.everlasting light
-ENCORE-
1.HOT LIMIT
2.The 25th Century Love
3.エンドロール

<★5th Anniversary★FC ONLY ONEMAN TOUR 2014>
#25 11月02日(日)仙台HOOK
#26 11月08日(土)京都MOJO
#27 11月09日(日)大阪RUIDO
#28 11月11日(火)高田馬場AREA
#29 12月03日(水)渋谷REX
#30<★5th Anniversary★ONEMAN TOUR 2014 FINAL「エンドロール」>
2014年12月29日(月)渋谷公会堂
※入場者全員に「エンドロール」シングルCDを無料配布

DVD
ν[NEU]★5th Anniversary★1st DVD SINGLE
「ひとりじゃない」~MUSIC VIDEO~
1,000円+税

◆ν[NEU] オフィシャル・サイト
◆BARKS ヴィジュアル系 V-ROCK
この記事をツイート

この記事の関連情報