AKAI Professionalからワイヤレスで演奏が可能な「EWI5000」登場、発表会では宮崎隆睦が演奏を披露

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ニュマークジャパンコーポレーションは、AKAI Professionalのウィンド・シンセサイザー「EWI5000」を7月29日より発売する。7月14日に行われた発表会ではゲストとして遠藤真理子、宮崎隆睦が登場し演奏を披露した。


▲発表会が行われたのは原宿のbio ojiyan cafe 原宿本店。
「EWI5000」は、SONiVOXの3GB音色ライブラリ内蔵。今までのEWIならではのシンセ音を忠実に再現しながら、サックス、フルートなどリアルな管楽器表現力を持つ。また、「EWI-USB」でだけ可能だったMIDIで外部音源と接続し、コントロールすることも可能。そして、独自のワイヤレス・システムにより、自由な演奏の幅を広げている。もちろん、ワイヤードでの演奏も可能だ。

電源は充電式リチウムイオン電池を搭載、ワイヤレスでも最大約6時間連続での演奏が可能。USB経由で充電ができ、2時間でフル充電。バッテリは交換可能で、予備のパーツ販売も行われる(価格未定)。

基本操作と運指は前モデルの「EWI4000」と同様で、乗り換えが容易。ダウンロード提供されるソフトウェアEWI5000 Editor Softwareを利用することで、Mac/Windows上で「EWI5000」の音色編集も可能だ。

■USB搭載&ワイヤレスでより多機能に、より便利に


▲左が表面、右が裏面。サイズやスイッチなどの配列はEWI4000とほぼ同じ。
発表会では、リアルな楽器音を多数内蔵したことでこれまで生楽器を演奏したいけど手が出なかったという人にも手軽に始められる仕様であること、トランペット、サクソフォン、フルート、オーボエなどの運指が用意されているので、管楽器の経験者にもすぐに指使いに慣れることなどが示された。

また、バッテリ駆動により場所や時間を気にせず演奏が楽しめるのもポイント。ヘッドフォンを利用すれば周りを気にすることもない。「EWI4000」をサイレント楽器として使う人により裾野が広がった部分もあるが、今回管楽器の音がさらにリアルになったことで、生楽器をやっている人がEWIを始めることも増えるのでは、との期待も語られた。

現行モデル「EWI4000sw」との違いとして最初に紹介されたのは、内蔵音色のラインナップ。100音色中、管楽器が48プログラム、シンセ系はリード、ブラス、ベースなど48プログラム、さらにオルガンやハーモニカが4プログラムと、EWIの枠を超えた音が揃う。


▲木管、金管楽器、シンセ、その他の計100音色を内蔵。サックスやブラスセクションの音色も用意。

価格は「EWI4000sw」の99,566円から89,800円(いずれも税込)へ値下げ。音源方式は、アナログモデリングから、サンプルベースのPCM音源に変更。EWIならではのシンセサウンドのほか、ニュマークジャパンが属するInMusicグループのソフトウェア開発ラボであるSONiVOXのリアリティを追求した管楽器音源を多数内蔵する。ボイス数、音色数、運指、エフェクト、音域などは「EWI4000」と同様の仕様だ。


▲EWI4000swと新モデルEWI5000の違いを示したリスト。本体サイズは同じながら軽量化と機能強化が行われている。

大きく変わった点として挙げられたのはUSB端子の搭載。コンピューターに接続することで、バスパワーで電源を気にせず手軽に演奏が楽しめる。もちろん充電も可能。そして、従来は別途用意しなければならなかったMIDIインターフェイスなしでエディターソフトの利用が可能になったのも大きなメリットだ。また、コンピューターとUSB接続した場合には、演奏情報をMIDIでやりとり可能。DAWソフトによる演奏の記録はもちろん、「EWI5000」の内蔵音源を鳴らすこともできる。このUSB端子搭載に伴い、MIDI INは省かれることとなった。

注目のワイヤレスシステムは、レシーバーが標準で付属。レシーバーはオーディオ出力のほか、USB端子を搭載。コンピューターとUSB接続により電源供給できるほか、オーディオインターフェイスとしても動作。音声信号をコンピューターに録音することもできるので、ライブやレコーディングでさまざまな環境のセッティングが可能だ。


▲付属のレシーバー。電源はUSB端子から供給。オーディオ出力は1/4インチフォーン端子×2。


▲EWI4000とEWI5000のサイズや各機能の配置は同じ、従来モデルのプレーヤーも安心して移行可能。
本体のライン出力は1/4インチTRSフォーン端子で形状は変わらないが、従来のモノラル出力からステレオ出力に変更。また、ヘッドフォン出力はデュアルモノからステレオになっている。バッテリーは単三電池から、2時間でフル充電可能なリチウムイオン充電池に。稼働時間はライン出力の場合は約13時間、ワイヤレスでは6時間(EWI4000はライン出力のみで8時間)。

本体サイズ、外観形状はほぼ同様。キー配列、音色切り替えスイッチ、オクターブローラー、ベンドプレート、ステレオミニジャックの位置など、大きな違いはなく、これまでのEWIプレーヤーであれば支障なく移行可能とのこと。


▲ワイヤレス、ワイヤードの両方に対応することで、さまざまなセッティングが可能。ヘッドホンで気軽に演奏が楽しめるほか、PCへのMIDIレコーディング、ワイヤレスでの録音なども行える。


▲EWI5000 Editor Softwareの画面。左のメインモードでは、プログラムごとのレベルやパン、エフェクトの調整が可能。エンベロープ、LFOが2基ずつ用意され、ブレスの強弱や時間経過とともにビブラートをかけていくこともできる。右上はエフェクト。リバーブ、コーラス、ディレイを用意。これらはすべてのプログラムで共通して使われる。エフェクトのかかり具合はメインモード側で設定可能。右下はセッティングモード。運指モードの選択、グライド/ポルタメントのタイム、ビブラートの設定などを行う。本体でも行えるが、画面のほうがわかりやすいのでオススメとのこと。

発表会冒頭ではニュマークジャパンコーポレーション代表の青木隆氏が挨拶。「最も大きな目的はEWIという楽器の普及」「EWIは楽器市場ではマイノリティな楽器」としつつ「InMusicグループのEWIの世界売上では、日本での売上が一番多い」と述べたあと、新機種投入について「一番大切にしたのは売価。89,800円。10万円を切りました」と一言。また、「T-SQUAREの代表曲やジャズ・スタンダードのプレーヤーのみなさん、吹奏楽に至るまで幅広い演奏者に受け入れられる仕様。一人でも多くの方にEWIに興味を持っていただけるよう、音色の調整には極めて気合を入れた」とその魅力をアピールした。

また、発表時の資料でワイヤレス機能は超低レイテンシーとうたっていたことに言及。「低レイテンシーを追いかけるとものすごい価格になっていくが、これと引き換えに売価を著しく上げていっていいのか? と議論になった」「ワイヤレス機能には若干のレイテンシーがある。まったくないとは言わない」「用途によって、スタイルによって、現場によって(ワイヤレスとライン出力を)使い分けていただければ」とした。


▲スクリーンには「リアルな管楽器サウンドと操作感 次世代ウィンド・シンセサイザー」と書かれている。

■ゲストの遠藤真理子、宮崎隆睦が演奏を披露

続いてゲストとして、FUNK、POPS、R&B、JAZZを中心にさまざまなバンド・ユニットで活躍、MIKIミュージックサロンの講師でもある遠藤真理子が登場し、ワイヤレスでの演奏を披露。「今まで4000を使っていたが、4000に元々入っていた音色は電子的というか、いい意味で刺激的で、直線的にくるような感じだったんですけれども、(EWI5000では)最初の音がアルト・サックスやサックスの音が並んでるんですけども、ちょっと空気が入ったようなざらざらっとしたような音があって、サックスを吹いてるような気持ちになるようなならないような不思議な気分」「木管楽器を演奏しているような気持ちに少しなったかなという感じ」と第一印象を語った。また、木管楽器、ブラスなどの生楽器の音色を試した感想として、「タンギングをした時にリアルな発音がしていると感じた」「特徴的なアタック音、ざらついた「トゥッという音がちゃんと聴こえる」とコメント。

さらにサックス/EWIプレーヤーとしてソロやユニット、バンドなで活躍する宮崎隆睦が登場。生楽器の音色とEWIのシンセサウンドの演奏をライン出力で披露した。まずはアルト・サックス、トロンボーン、クラリネットの音を演奏。「新しい楽器を始めるときは、必要になる気持ちの切り替えが大きい。生っぽさをウリにするには吹いてる本人が演奏スタイルを変えなければ、あまり違いが出ない。たとえば、ベンドをあまり使わないような音色とか。それに気づくのに時間がかかる。最初にEWI5000を持って、そういう吹き方にしようと気持ちを持っていくのに時間がかかった。でも、こんなふうに使い道はすごくいっぱいあっておもしろい。特にこれから初めてEWIを触る方々はおもしろいかなあ」と語った。また、「いままで日本のYがつくメーカーが同じようなウィンドシンセを出していたわけなんですが、残念ながら生産が終わってしまって。それに取って代わる、ふさわしい楽器になったんじゃないかな?」とも。

続いて語られた第一印象は「軽い!」ということ。「EWI5000」はバッテリーを内蔵した状態で、「EWI4000」から単三電池4本を抜いた状態よりも数十グラム軽いという。「EWIは左手と右手でやることがいっぱいあるので。あまり手で楽器を持つ、支えるってことはあまりしないほうがいい」ということで軽くなったことを歓迎。89,800円という価格については、「すごいですね。進化して機能が増えて、さらに安くなってかなりお買い得だとは思うんですけど」「日本ってEWIのすごい市場なんですよね。それはやっぱり僕がいたSQUAREっていうバンドがメロディ楽器として使ってたことがかなり大きいんだろうな、と思うんですけど。なので、初代の伊東たけしという人の功績は大きいな、っていう気はするんですが……。日本でEWIを持たれている一般ユーザーの方の多くは、メロディ楽器としての使い方が多いわけで……。そういう意味でも『新しいEWIってどうなんだろう?』ってすごく気になると思うんですよね。やはり期待される部分も大きいし、今までのコントローラー、音源を全部持ってる人も多くいらっしゃるわけです。新しいのを楽しみにされてる方が多い中で、この値段設定はうれしいんじゃないかな」とした。

ここで改めて、ワイヤレスで約6時間、ラインアウトで約13時間の演奏が可能であることが司会者からアピールされると、「すごいですねえ。13時間練習できますよ!みなさん!」と笑わせた宮崎さん。これまでライブでEWIを使わない曲の演奏中は電源を切っていたが、EWI5000ならそうした電源の心配がなくなるとも。さらに音色エディットで若干アタックを遅らせ、荒っぽさを出したい時はタンギングで出すようにすれば、コントロールしやすくなるといったテクニックについても語られた。


▲発表会では、宮崎さんとともに歴代のEWIシリーズについても紹介。1987年の初代機は、「EWI1000」(86,400円)、「EVI1000」(91,000円)と対応音源「EWV2000」(94,300円)。アナログならではのピッチのゆらぎが魅力だが、電源を入れて安定するまで時間がかかったとか。1990年の「EWI3000」(60,000円)と「EWI3000m」(65,000円)。ほかのEWIと同様2VCOだが、アナログ部分の回路が変わっている。宮崎さんは音源について「意外と好き」「軽くて持ち運びが楽」「音が好きだった」と発言。


▲1994年の「EWI3020」には、音源モジュールが2種ラインナップ。「EWI3020m」はアナログ・シンセ音源、「EWI3030m」はPCM音源。宮崎さんはT-SQUARE加入の98年はこれを使っていたという。3020mを2台用意し、ライブを行っていた。1台は予備だが、1曲ではハーモニー用に使用、和音をアサインしていたという。2006年に登場した「EWI4000s」(オープンプラス、売価は約10万円)で初めて音源とコントローラーの一体型に。「明らかに反応が速くなった」ことで面食らった部分もあったという。音源はアナログモデリングで、PCでエディットできるようになってより便利に。これにより「波形のことを理解できるようになった」とも。


▲2008年の「EWI-USB」(売価約4万円)はコンピューターを音源にしたUSBウィンドコントローラー。「実は大好き」「4000に慣れたせいで余計にそう感じると思うんですけど、コントロールする上において、吹いた感じとその音のダイレクト感が、昔の音源に戻った感じ」「機械をコントロールしてるというより、息を入れてコントロールをするんだ、というのがやりやすくなった気がした」とも。サウンド面では、音色のレイヤーができることで、音を分厚くするのがコンピューターの中でできてしまうのがメリット。2013年には現行モデルの「EWI4000sw」が登場。本体カラーがパールホワイトになり、宮崎さん制作の音色が追加された。これについては「一生懸命作りました」と発言。その特徴についても解説。「それまで、EWIの音色にコーラスがデフォルトでかかっているものを、メロディラインで使うことはなかったんですけど、意外とコーラスいいな、と思うことがいろいろありまして、コーラスをかけてみよう」ということで、コーラスをかけた音色も用意されている。


▲EWI5000のイメージイラストを制作したpomodorosaさんは、自身もEWIユーザーとのこと。バッテリー駆動&ワイヤレスでどこでも楽しめるEWI5000の魅力が描かれている。


▲EWI5000の表と裏面。サイズは約61×676×43mm、重量は約900g。レシーバーは約61×122×91mm、約130g。

◆EWI5000
価格:89,800円
発売日:2014年7月29日

◆EWI5000 製品詳細ページ
◆AKAI Professional
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◆BARKS 楽器チャンネル
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