Kalafinaが7月16日、初のベストアルバム『THE BEST “Red”』『THE BEST “Blue”』を2枚同時リリースした。『空の境界』『魔法少女まどか☆マギカ』といったアニメ主題歌やNHK『歴史秘話ヒストリア』テーマ曲をはじめとする全30曲を収録したこの作品は、梶浦由記プロデュースによる劇場版『空の境界』主題歌プロジェクトとして2008年に始動以来、3人が歩んできた道のりを振り返ることのできる作品に仕上がった。またこれまでリリースしたアルバムのすべてがチャートTOP10入りしている彼女たちの、さらなる飛躍を確信させる集大成となっている。

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高音域担当のWakana、低音域担当のKeiko、中〜高音域担当のHikaruといった3声のボーカルは透き通るように美しく、メインボーカルによってハーモニーの位置が変わる豊かなボイシングが変幻自在に楽曲のストーリーを描き出す。その綿密で繊細なボーカルワークが海外でも注目を集め、パリで行われた<Japan Expo 2014>では入場規制が行われたほどだ。2015年2月28日および3月1日に自身初の日本武道館ワンマン公演開催を発表するなど、その勢いは止まるところを知らない。結成当初から続くコーラスワークへのあくなき探究と溢れる歌への想いをメンバー3人に語ってもらった。

■アッパーな曲でもステージのコーラスワークは冷静に
■盛り上がって乱れるとたぶん一番悲しむのはお客様なので

──Kalafinaのみなさんが活動をはじめた経緯を教えていただけますか?

Wakana:Kalafinaは当初、劇場版『空の境界』の主題歌のために結成されたユニットでした。プロデューサーである梶浦由記さんが、アニメ全編の音楽を担当されるということで、オーディションで集まりました。『空の境界』は全7作だったんですけど、作品が終わるとKalafinaも終わると思っていたので、今、6年半経って、まさかここまでこれるとは思ってなかったですね。

──『空の境界』のオーディションで初めて出会った3人ですか?

Wakana:私とKeikoはもともと同じ事務所だったので、Kalafina結成の2年前くらいから知ってはいたんですけど、こうして一緒に活動することになるとは夢にも思っていなくて(笑)。普通に挨拶する感じの知り合いでした。Hikaruはオーディションで入ってきたので、全くの初対面。そういう3人なので、最初はほとんど中身を知らずに、6年半お互いにいろいろな面を知りながら一緒に走ってきた感じですね。

Keiko:それぞれがさまざまな形で歌ってはいたんですけど、本格的にメジャーデビューしたのはKalafinaが最初ですね。今回のベストアルバムもそういうことを思い返す良いきっかけになって、とても感慨深くて嬉しいです。

──Hikaruさんは2ndシングル「sprinter」から参加されていますが。

Hikaru:2人にお会いする前に、1stシングル「oblivious」を聴かせてもらって“ああ、ここに入るのか”とちょっとびっくりしました。やっぱり自分と全く違う声を持った方なので、ここに入ってどうなるんだろう?と。でも、初対面のときWakanaさんは着ていた服のこととか話かけてくれて、Keikoさんはクールビューティーな感じで言葉数もあまりない感じだったんですけど、すぐにたくさん話すようになって。

──3人の重厚なコーラスがKalafinaの特徴ですが、最初にプロデューサーの梶浦さんからはどんなグループを作りたいというお話があったんでしょうか?

Keiko:一番初めは『空の境界』という作品に基づいて私たちの歌を表現していくという、作品ありきの立ち位置だったんです。ですから、“Kalafinaを作っていく”という方向性で考え始めたのはライブ活動をスタートしてからですね。Kalafinaはどういうグループで、お客様の前でどんな表現をしていくのか、どんなキャラクターなのか、どこまで素を出して良いのか?ということを1ステージごとに作っていった感じです。ライブ活動が始まってから梶浦さんに言われたことは「Kalafinaはクールでいてほしい」ということでした。

──ただ、今回のベストアルバム収録曲には、4つ打ちのリズムにハードなギターや扇情的なバイオリンが絡んでくるアレンジがあったり、感情が熱くなる楽曲も多いですよね。ステージでそういった曲を歌うときはクールだけではいかないものもありますか?

Keiko:やはりいろいろな楽曲を歌わせていただいているので、その時々のテンションはあります。でも、Kalafinaの特徴だなと思うことは、アッパーな曲でもコーラスワークを聴きたいというお客様がいることなんです。私たちもコーラスワークはしっかり奏でたいという気持があるので、普通だったら4つ打ちでみんなが拳を振り上げて楽しむ曲でも、割と冷静に、3人で積み上げていくハーモニーをきちんと聴かせた上での楽曲ということが根本的に優先されますね。そこが出来上がった次の段階で、お客様とどうやって乗るかというのは、3人ともライブを重ねていくことで掴んできました。

──楽曲の世界観ありきという?

Keiko:唯一、「音楽」はライブの一番最高潮のときに歌う曲だからという意識があるので煽ったりはしますけど、それでさえも真ん中にあるハーモニーは結構冷静に歌っています。それがお客様が望んでいることでもあって、私たちが盛り上がってコーラスが乱れるとたぶん一番悲しむのはお客様なので(笑)。そこがほかのアーティストさんとの違いかもしれないですね。気持ちが露わになって乱れる感じがかっこいい方もいると思うんですけど、私たちがそれをやるとハーモニーが乱れて不協和音になってしまう。そのコントロールは今までに葛藤もありましたし、そういう想いを経て3人のバランスがうまくできてきたという気持がありますね。

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