【ライブレポート】大場慎介、東京でのライブは30年振り

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2014年5月18日、四谷コタンで行われた、<あの頃の情熱を…>と名付けられた、元・古時計、大場慎介のライブ。なんと、東京でのライブは30年振り。会場には、東京だけでなく全国から駆けつけたファンで、立ち見が出るほど。

◆大場慎介画像

ライブは、カバー曲「花の首飾り」で始まる。ギターとピアノと歌というとてもシンプルだからこそ、言葉が伝わる場だ。オリジナル曲「君を迎えに来たよ」に続き、青い三角定規の西口久美子に提供した「涙のステディ」をセルフカバー。

カバー曲、オリジナル曲、セルフカバーというそれぞれの立ち位置からの歌を聴き、音楽は何のためにあって、何のために演奏され、そこに何を求めるのか?ということを考えてしまう。誰が何のために歌うのか。誰が誰のために歌うのか、数字を追う音楽業界。果たしてそれは、本当に正しい音楽なのだろうか、と。もちろん正解などないのだけど。

現実と切り離された場所で、音楽に関わる自分自身を探す旅に出るようだ。4曲目「僕の宝物」は、2002年から始めた保育園・幼稚園関係の音楽制作のなかでの一曲。福島市の保育園の園歌として歌われている曲を大人向けにアレンジして歌う。

MCでは、今回の会場となった四谷コタンとの縁を。そして、古時計のデビュー曲で60万枚のヒット曲となった「ロードショー」。映画館で自分以外の女性に向けられた笑顔を見てしまったという主人公の失恋歌。会場には涙する人も。誰かを思う気持ちは、いつになっても変わらない。続く、ドラマ『ひまわりの道』の主題歌になった「季節はずれの走馬燈」は、もう会うことのできない母を想う歌。

ここで、ゲストに声優の津久井教生を呼び込みトークタイム。賑やかな時間を過ごし、再び歌へ。人生が一冊の本になるのではないか、縁のある人に幸せになってほしいという思いを込めた「流れ星」。そして、25歳の頃にバリ島に行き影響を受けたこと、バリをイメージした「月の島」。本編ラストは、「あの頃の情熱を…」は、その年齢にならないと歌えない歌があることを思い、今後も定期的に東京でライブを行う再出発の意味を込めて作った曲。

アンコールは、一生歌っていくだろうと語った「夢は陽炎」。そして、卒園していく子供たちを見送る大人が歌うための曲「Heart to Heart ~かけがえのないこの瞬間を~」。大切な人を思って歌う一曲だ。

ライブを通して、音楽との繋がり方は、自分次第だということを感じた。ありたい自分を表現するものであり、誰かのために何かを伝えるものである音楽。ただ、それは自己満足ではない、裏打ちされた力があってこそ。音楽の強さと優しさ、そして、歌い継がれる曲が持つエネルギーを感じる時間となった。

<5月18日(昼の部)セットリスト>
1.花の首飾り
2.君を迎えに来たよ
3.涙のステディ
4.僕の宝物
5.ロードショー
6.季節はずれの走馬燈
7.流れ星
8.月の島
9.あの頃の情熱を…
en1.夢は陽炎
en2.Heart to Heart ~かけがえのないこの瞬間を~

<大場慎介ライブ with 佐沢尚友(ピアノ)>
2014年10月3日(金)
@風知空知
open18:30/start19:30
¥3,000(Drink¥500別)
風知空知:東京都世田谷区北沢2-14-2 JOW3ビル4F 下北沢駅南口から徒歩3分 TEL:03-5433-2191
http://fu-chi-ku-chi.jp/access/
http://www.so-music.jp/ohba/live/live.html

[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/


◆大場慎介オフィシャルサイト
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