【ライブレポート】<スペースシャワー列伝~第九十九巻 稀代(きたい)の宴~>、熱気あふれる競演

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7月23日(水)Shibuya WWWにて、ライブイベント<スペースシャワー列伝 ~第九十九巻 稀代(きたい)の宴~>が開催された。

◆<スペースシャワー列伝 ~第九十九巻 稀代(きたい)の宴~>画像

▲asobius
▲川谷絵音(indigo la End / ゲスの極み乙女。)
▲FOLKS
▲外食(飯田瑞規・辻友貴 from cinema staff)
▲HAPPY
▲ボールズ
100巻へ向けてのカウントダウンラストとして、6・7月の2か月連続で開催したスペースシャワー列伝は、過去列伝出演アーティスト参戦のスペシャルバージョンとして、asobius、FOLKS、HAPPY、ボールズ(ex.ミラーマン)など注目のニューカマーに加え、過去の列伝出演アーティストから外食(飯田瑞規・辻友貴 from cinema staff)、川谷絵音(indigo la End / ゲスの極み乙女。)の2組が参戦、熱気あふれる競演を繰り広げた。以下、オフィシャルライブレポートをお届けしよう。

記念すべき第百巻を目前にしたスペースシャワー列伝~第九十九巻 稀代(きたい)の宴~がShibuya WWWにて開催された。今回の出演は、asobius、FOLKS、HAPPY、ボールズの4バンドと、アコースティック・セットによる川谷絵音(indigo la End/ゲスの極み乙女)、外食(cinema staff/飯田瑞規・辻友貴)の全6組。出身地も、音楽性もちがうけれども、それぞれに独自性の高い音楽世界を持ったニューカマーであり、ライブ・ハウス・シーンで話題となっているバンドたちだ。

宴の幕を開けたのは、3月に1stアルバム『pray&grow』をリリースした5人組、asobius。北欧バンドの凛とした透明感やファンタジー性と、ソウルフルなグルーヴをあわせ持った彼らが1曲目に選んだのは、ハンドクラップ高鳴るライブ定番曲「starlight」。フロントマン・甲斐一斗(Vo)が指揮者のタクトを振るいながら歌うのがasobiusならではのステージだが、今回もバンドを鼓舞し、オーディエンスをリードするようにタクトを振るい、盛り上げていく。「今日は女の子が多いけど、次の曲はいい子ちゃんリミッターを取っ払って最高の一日にしよう」(甲斐)というMCに続いてプレイされたのはスケール感溢れる「world tree」。曲中に、みんなで歌おう!と会場を一体化していくと、次なる新曲でオーディエンスを光の洪水のようなきらびやかなサウンドで包む。カタルシスたっぷりのステージだった。

BAR STAGEでは、indigo la Endとゲスの極み乙女。で活動する川谷絵音による弾き語りライブがスタート。同じくindigo la Endのドラマー・オオタユウスケがカホンを担当し、indigo la Endの“白いマフラー”や“あの街の帰り道”、ソロ作の“ナツヨはまだ見ぬ”、秦 基博のカヴァー“朝が来る前に”などを披露した。繊細な弦楽器にも似たボーカルで紡ぎあげる歌に、オーディエンスは静かに耳を寄せる。しかし、オーディエンスからテーマをもらい、オオタユウスケが即興で歌ったユル~い「プロレス」の曲には会場が笑いで包まれたりと、なんとも和やかな時間となった。

続くは札幌のベッドタウンである恵庭市在住の兄弟&幼なじみによるバンド、FOLKS。登場前、ステージ袖で気合いを入れる楽しげな声がフロアまで届いた。小さい頃から遊んでいた仲間がそのまんまバンドになったという、5人の密度の濃さは音楽はもちろん、そんなところにも溢れている。アコースティック・ギターを基調としたキラキラとしたダンス・チューンに、憂いを帯びた岩井郁人(Vo&G)のエモーショナルな声がのる。日本語詞の歌心ある曲ながら、モダンでドリーミィなアレンジが効いたサウンドと混じり合うことで、異国的で、幻想的な世界へと連れ立っていく。「再会の気持ちを込めて書いた曲を歌って終わります」(岩井郁人)と言い演奏された“Replica”は、夢が明けていく心地好い余韻があった。

以前に列伝に登場したcinema staffからのふたり、飯田瑞規(Vo&G)と辻友貴(G)による弾き語りユニット外食は、普段はカヴァー曲が中心だがこの日はcinema staffの“borka”や“溶けない氷”や、東京カランコロンの“少女ジャンプ”のカヴァー、そして外食初のオリジナル曲も演奏された。身内のお祝いごとの為に作ったそうだけれども、どこまでもシネマらしい哀愁が滲んだ曲。飯田の力強いボーカルがより冴えるアコースティック・ステージで、会場には熱い拍手が巻き起こった。

大きな歓声のなか登場となったのは、平均年齢20歳の京都発の5人組、HAPPY。思い切りのいいバンド名と、60、70年代ロックンロールやサイケからドープな雰囲気を差っ引いた、エネルギッシュで甘いチルアウト感たっぷりのサウンドに、会場にパッと花が咲く。AlecとRicのボーカルはいずれも、中性的なハイトーン。骨太なロックでもレイジーな曲でも、あるいはシンセベースによるファットなダンス・ビートの曲にも、ポップな魔法をかける歌声だ。列伝がいよいよ百巻を迎えるということで、バースデー・ソングを歌ったりと、短い時間のステージながらどこか自由気ままで、独特のタイム感を刻んでいったHAPPY。いつの間にか彼らのペースに取り込まれてしまうライブだった。

第九十九巻のトリをつとめるのは、7月9日にデビュー・アルバム『スポットライト』をリリースした、関西発のボールズ。音源ではBuilt to spillやPAVEMENT等を思わせる浮遊感やトリップ感もたっぷりのギター・サウンドと、フレンドリーで普遍的なメロディによるポップな曲たちが光っていたけれど、ライブでは池田健と星野隼一による濃ゆいギターの競演と強靭なリズム隊、そしてパワフルな山本剛義のボーカルで骨太なアンサンブルを生みだしてオーディエンスをガンガン巻き込んでいくステージ。“Akutagawa trip”では、「かっこいいソロを弾けるギタリストがふたりいます。今日は決着つけます!」(山本)と煽って会場を沸かせたりと、タフなライブ・バンドとしての腕っ節を存分に魅せた。「100回目にしっかりバトンをつなぎます」(山本)の言葉どおり、この一夜をばっちり締めくくるあっぱれなステージだった。

各バンド熱いステージを繰りひろげた「スペースシャワー列伝 第九十九巻」の模様は、初回放送は8/28(木)25:00~26:00に、また9月にもリピート放送予定。ぜひ彼らのパワーの一端を感じてほしい。

Text by 吉羽 さおり

<スペースシャワー列伝 ~第九十九巻 稀代(きたい)の宴~>
7月23日(水)開場18:00 開演18:30
@Shibuya WWW
【出演】 HAPPY、FOLKS、ボールズ(ex.ミラーマン)、asobius
【アコースティック出演】外食(飯田瑞規・辻友貴 from cinema staff)、川谷絵音(indigo la End / ゲスの極み乙女。)
【主催・企画・制作】主催・企画・制作スペースシャワーTV
【Twitter】 @retsuden_sstv

●asobius
1.starlight
2.rise
3.world tree
4.新曲
5.discovery

●川谷絵音(indigo la End / ゲスの極み乙女。)
1.白いマフラー/indigo la End
2.ナツヨはまだ見ぬ/川谷絵音
3.朝が来る前に/秦 基博(Cover)
4.あの街の帰り道/indigo la End

●FOLKS
1.Everything is Alone
2.Two young
3.River
4.Good-bye, friends
5.Replica

●外食(飯田瑞規・辻友貴 from cinema staff)
1.borka/cinema staff
2.少女ジャンプ/東京カランコロン(Cover)
3.新曲
4.溶けない氷/cinema staff

●HAPPY
1.Cation
2.Run Run Run
3.Lucy
4.Wake Up
5.Win Key Gun
6.Lift This Weight

●ボールズ
1.退屈な遊び
2.SING A SONG GIRL
3.君はまぼろし
4.Akutagawa trip
5.メルトサマー
en.通り雨
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